熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

レスター・R・ブラウン(LESTER R.BROWN)

2007-05-25 21:32:05 | Weblog
NHKクローズアップ現代で、「レスター・R・ブラウンとの対話」を放送していました。レスター・ブラウンは、1934年、ニュージャージー州生まれ、ラトガーズ大学、ハーバード大学で農学・行政学を修めました。農務省にて国際農業開発局長を務め、1974年、地球環境問題に取り組むワールドウォッチ研究所を創設。1984年には『地球白書』を創刊、2001年5月、アースポリシー研究所を創設して所長に就任。『エコ・エコノミー』『プランB 2.0』『フード・セキュリティー』などを発表。1994年、旭硝子財団よりブループラネット賞受賞。2006年5月、一橋大学より名誉博士称号を授与されています。

http://www.worldwatch-japan.org/ecoeconomy.htm

レスター・R・ブラウンは、現在のプランA社会からプランB社会へ移行しなければならないと力説していました。ここで、プランA社会とは、石油依存・車中心・使い捨て社会のことで、プランB社会とは、自然エネルギー・低排出移動・循環型社会のことです。レスター・R・ブラウンによると、石油は必ずしも低価格エネルギーではなく、その弊害(公害、温暖化等)を取り除くコストを加えると、高コストエネルギーになると述べていました。つまり、弊害を取り除くコストは、政府が負担する、すなわち市民の税金で補う訳です。このような総合的に高コストなエネルギーではなく、自然にやさしく、総合的に低コストな自然エネルギーを利用すべきだと提案しています。
最後にこう述べていました。
「コペルニクスが地動説を提唱してから、人々のあいだに二つの非常に異なる世界観が存在した。プトレマイオス説を固持する人々と、コペルニクス説を受け入れた人々だ。両者はそれぞれ、まったく異なる目で世界を見た。これは、今日の経済学者と生態学者の世界観の相違になぞらえられる。生態学と経済学のあいだには世界観の根本的な違いがある。たとえば、生態学者は限界を心配するが、経済学者はそうしたいかなる制約も認めない傾向がある。生態学者は自然から学び、ものごとを閉じた円形の概念でとらえるが、経済学者は直線または曲線の概念でとらえる傾向がある。経済学者は市場に強い信頼をおくが、生態学者は市場に不信感をもっていることが多い。」
かつて大学で経済学を学んだ私にとって、耳の痛い指摘です。
さて、経済学者はどのように反論するのでしょうか。
コメント
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