常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

土筆

2014年04月09日 | 山菜


この季節になると、そこらの空き地に土筆が顔を出す。以前住んでいた家の近所の友人が、籠を手にして土筆を摘んでいた。聞けば茎の袴を取って佃煮して食べると言う。土筆を食べるというのは初めて聞くので驚いた。もう20年も前だが、嫁いだ娘の親戚の人たちが、山形へ旅をして、わが家を訪ねたことがあった。せっかくだったので、最上川の船下りに案内した。船着場の広場に一面の土筆が競うように出ていた。

親戚の人たちはビニールの袋を取り出して土筆を積み始めた。土筆の佃煮が好物だと言いながらせっせと摘む。それではと、我々も摘むのを手伝った。奈良の生駒の人たちだったが、土筆は出るとすぐに採られてしまい、こんなに群生してりるのは初めてと、興奮気味であった。その後、わが家でも佃煮を作ってみたが、袴を取るのに一苦労であった。穂のように見えるのは花で、袴は葉が変形したものであるらしい。

室生犀星の詩に「土筆」がある。

旅人なればこそ
小柴がくれに茜さす
いとしき嫁菜つくつくし
摘まんとしつつ
吐息つく
まだ春浅くして
あまた哀しきつくつくし
指はいためど一心につちを掘る


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コメント (2)
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