常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

カタクリ

2014年04月25日 | 万葉集


この季節に山に行くと、日当たりのよい斜面に、カタクリの群生に出会う。薄紫のその花の姿は、こびとが踊りに興じているような楽しい雰囲気がある。今日は、そんな群生ではなく、山の道端に4、5本、日を避けてうつむきかげんのカタクリに会った。あまりの好天に、山菜が出始めたのではないかと、妻と里山にでかけたのである。

今日収穫した山菜は、フキノトウ、ナンマイバ、ヤマミツバ、ヤマニンジンである。思いがけず、丁度食べごろのヤマミツバがビニール袋にいっぱい採れたのでうれしい。この季節の山菜には、独特の香りキドサがある。食卓にのせると、春の香りに満ちて、今日元気で生きている喜びを感じる。

ところで、カタクリは万葉の時代には、「堅香子(かたかご)」と呼ばれた。大伴家持はこの花を詠んだ歌がある。

もののふの 八十娘子(やそおとめ)らが 汲み乱ふ 寺井の上の 堅香子の花  家持

伊藤博氏の歌意を記す。

たくさんのおとめたちが、さざめき入り乱れて水を汲む寺井、その寺井のほとりに群がり咲く堅香子の花よ。

万葉集で詠まれるカタクリはこの一首でけである。それだけに、この時代から今にいたるまで咲き続けてきた、はかなく見えるこの花の生命力にあらためて驚愕する。
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タンポポ

2014年04月25日 | 日記


空き地に星を蒔いたようにタンポポが咲く季節である。この花はきれいだが、いくら採っても叱られることはないので、昔は戸外で遊ぶ子どもたちの遊び道具になった。茎を裂いて水に浸すと、咲いた部分がクルッと反り返って花のような形になる。それを結い上げた髪に見立てて唄う。

おかんかん花

頭ちゃんとゆうて

松ヶ崎へ 嫁ェ行け

タンポポはは茎を乾燥させて柔らかくなったのを膨らませて、歯ではじいてかんかんと鳴らして遊んだのでかんかん花とも呼ばれた。花の散ったあとの白い羽毛の玉に息をかけて飛ばすのは男の子の遊びだ。誰が吹いた玉が遠くへ飛ぶのかを競った。


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