常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

鹿狼山

2014年04月05日 | 登山


今日訪れた山は鹿狼山。宮城県の最南端、福島県の県境にある海の見える山である。3.11の大震災で津波の大きな被害を出した場所である。山から見える海はどこまでも碧く、青空のもとで美しさに変わりはないが、津波が襲った陸地は人家もまばらで被害の広がりが残ったままになったいる。

海に突き出した防波堤が見えるが、ここに続く陸地は福島県新地町。津波により死者116名、住宅全半壊577戸。常磐線新地駅や史蹟・観海堂が流失するなどの惨害となった。鹿狼山は気温5℃、青空が見えるものの、時おり風雪が吹きつけた。しかし、折からの土曜日ともあって
近隣からこの山へハイキングの来る多くの家族連れで賑わっていた。高齢者も多いが、ときに子供たちの元気な挨拶ぶりが目についた。

山形に比べると山の花の開花が進んでいる。黄スイセン、カタクリ、スミレ、キクザキイチゲなど日当たりのよい場所に群がって咲いている。突然、ヤブの中からウグイスの鳴き声が聞こえた。今年聞く初ウグイスだ。杜甫の「春望」の詩を思い出した。



時に感じては花にも涙をそそぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす

「どこから来ましたか」と尋ねると、「南相馬です」と我々と同年代の男性が答える。そのまま別れるのだが、言外に震災の心の傷が癒えていないのを知る。


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コメント (1)
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