常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

白秋

2015年10月16日 | 日記


昨夜、月山に初冠雪が観測された。秋の空気は冷たく澄みわたっている。日の出前の遠くの山が、その距離によって濃淡がつく風景はこの季節にはっきりと見られる。。白秋という言葉は、秋に吹く風の色である。春は青、季節や方位を現す神獣が決められた中国の自然観によっている。春、東の神獣は青龍であるのに対し、秋、西の神獣が白虎である。そのために春、東は青で青春、秋、西は白で白秋。相撲で東の力士が登場するのは青房、西の力士は白房の方から登場するのもこの自然観によっている。

石山の石より白し秋の風 芭蕉

芭蕉が「おくの細道」の旅で加賀の那谷の石山の観音に詣でたとき詠んだ句である。白山を後ろに見て、那谷の石山の奇石に芭蕉は強く惹かれた。白色の石英岩は、風雨による風化で次第に白色になってきているが、秋の風はその石よりも白く感じられるという句意である。この観音に参詣した後、芭蕉は山中の温泉に浸かっている。秋の風に吹かれて冷たくなった身体は、温泉で温められて、旅の疲れを癒してくれたことであろう。
コメント (2)
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