ナナカマドの赤い実が美しい。この木は山地に自生する木で、山形の市の木にも指定されている。この木は燃えにくく、七度カマドに入れても燃えにくい、ということから命名されたというのが定説になっているが、薪をストーブで燃やして暖をとるのにまことに適しているという、報告もあり、この定説に疑問をはさむ人もいる。この木で作った炭は良質で、炭焼きの難しさからこの名が生まれたのかも知れない。
ななかまど珊々と実をみがく風 福永 耕二
この実と葉が紅く色づくころ、山では山ぶどうが採取時を迎える。高い木に生るものは採るのに難しいが、低く採りやすい木を探すのもの山ぶどう採りのだいご味だ。実をつぶして砂糖を加えて発酵させると、みごとな色のワインができる。栽培しているワイン用のブドウでワインを作ったことがないので比較にならないが、山ブドウのワインは自然の味がしておいしく感じる。氷に焼酎を入れて、山ブドウのワインを入れると、さらにおいしい晩酌用のカクテルになる。