常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

野菜料理

2016年06月06日 | 農作業


野菜作りを始めてから6年目に入った。失敗を繰り返しながらも、どの野菜も一応の収穫が可能になった。野菜には旬があって、収穫の最盛期には食べきれないほど採れる。近所に分けたり、都会に住んでいる子どもたちに送るのも楽しみになった。ズッキーニは花が咲き、第1号を収穫してきた。今までは収穫は私、調理は妻とという暗黙の分業になっていたが、そろそろ見直しが必要になってきている。

ひとつは料理のマンネリ化だ。葉物を収穫してくると、サラダや煮物が定番だが、収穫量が増えると保存や違った食べ方を作ることも大事になってくる。ネットや料理番組で、いままで知らなかった調理方法を多様にしていくことが生活を豊かにしてくれる。今年は、少しづつ台所に入って、男の料理を考える。畑の作付も、食べたいもの、老人に必要な栄養がとれるものへと工夫したい。

野菜作りも野菜料理も楽しむことが基本。スーパーに行けば、手に入るものばかりだが、自分の手で作ることの楽しさが分かってきた。次の段階は、どうすればもっと楽しい食卓になるか、妻と相談しながら工夫したい。水上勉は『土を喰う日々』のなかで、食事につて語っている。

「一日に三回あるいは二回はどうしても喰わねばならなぬ厄介なぼくらのこの行事、つまり喰うことについての調理の時間は、じつはその人の全生活がかかっている一大事だといわれている気がする。」

飽食の時代、食べ物についての考えを再考することで、その生活の質はまだまだ高めていくことができるような気がする。

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シシウド

2016年06月05日 | 日記


2日続けての笹谷。今日は妻と二人でシシウド採りだ。このブログもはじめてから1500日を超えた。記事の内容も自分自身納得のできるものは少ないが、不思議なもので長く読み継がれているものがある。ひとつはワレモコウで、もうひとつはシシウドである。私自身、シシウドを知ったのは山登りをするようになってからだ。秋田からきた知人にシシウドの食べ方を聞いて食べるようなった。山形にはほとんど食べる人がいないので、採る人もいない。山にたくさん生えているシシウドはその時期になれば採り放題といっていい。山の仲間に調理したシシウドを持参したり、調理の仕方を教えたりしたが、最初数人が試みたようだが、食べ続ける人はいない。

山形にはシシウドの興味を持つ人は少ないが、ネットでは検索してこのブログにたどりつくらしい。春シシウドの季節になる数は多くないが、このブログを読んでくれる人が必ずいる。シシウド採りは、10時頃から1時まで約3時間、二人で保存して山菜の無くなるまで十分楽しめる量が採れた。灰汁抜きに少し時間がかかるが、山菜独特の香りと歯ごたえで山菜好きには格好の食材である。

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笹谷峠でタケノコ汁

2016年06月04日 | 登山


山友会の恒例行事のタケノコ汁を楽しむ会。山登りを楽しみながら、笹タケを採り、山中の山小屋で採りたてのタケノコ汁を味わう。もう20年も続くこの会の人気の行事だ。山菜取りの好きでこの会を立ち上げた前会長のアイデアで始められた企画だ。山登りをしながら、会の先輩から笹谷でのタケノコ取りの面白さを聞かされた。「あの山では座ってほとんど動かずにたくさんタケノコがとれるのよ。あんなに面白いタケノコ取りをしたことはなかった」

もちろん年によってタケノコが出始める時期も違うし、出の悪い年もある。ずいぶんこの会に参加してきたが、先輩から聞かされたようなタケノコ取りをしたことはない。今回はずいぶんよく採れたと思って笹原から出てきて、前会長のハケゴを見て驚いた。数量もタケノコの太さも全く違っている。どうすればこんな立派なタケノコが採れるのか。その驚きは、今になっても解消しない。今日の参加者18名。登山6名、タケノコ採り7名、タケノコ汁調理5名。

例年梅雨時で雨にたたられることが多いが今日は快晴。適度な風で、涼しい。稜線から朝日連峰、月山、蔵王山、飯豊連峰と山形県の代表的な山々がくっきりと見えた。



ハマグリ山の東斜面に竹笹の原が広がっている。8時半に現地到着。10時までの予定で笹原に入る。少し入っただけで、笹タケはすでに背の高さを越えている。就餌中の熊と遭遇することを考えてサイドバッグに鈴をつける。「一本見つけたら、そこで左右を確認する」という前会長の教えを実践してみる。だが目につくのは細いものばかり。質はともかく量を、とのリーダー言葉に従い、裏折りも辞せずにひたすら竹藪を動く。密集した笹タケを踏みながら歩くのだが、歩くのが困難である。竹藪から出て、収穫したタケノコを写真に収めた。思えば自然の中に身をおくことなどほとんどなかった勤務時代、この山友会が自然の学校であった。山道の歩き方、地図の見かた、花の名前、食べられる山菜やキノコ、全部山の会で教わった。



タケノコ汁の鍋奉行はNさん。この人なしに、タケノコ汁会は成り立たない。火加減と剥いたタケノコを鍋に投入するタイミング、そして味加減。それに加えてタケノコの天ぷらや珍しいワラビの天ぷら。Nさんを補佐する調理斑の人たちの活躍も見逃せない。タケノコを家に持ち帰って食べるより、山中で調理された採れたての味。大満足のタケノコ汁会であった。

このタケノコ汁の会も今年が最後となる。会員の高齢化で、いまのままの状態を維持することは難しくなっている。状況に合わせた山の楽しみ方の模索が始まる。
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アリウム

2016年06月03日 | 農作業


ネギ坊主のような形の紫紅のきれいな花はアリウムだ。ネギ科の植物で北アメリカやヨーロッパが原産地である。野菜畑の隅に植えられていることが多く、珍しい花でひときわ目をひく存在である。アリウムはラテン語でニンニクのことである。先日、アサツキの花をこのブログで紹介したが、色も形も似ている。同じ仲間の植物で、アリウムにも独特のネギ臭がある。球根で種を増やしているので、一度植えると数年は同じようにきれいな花をつける。

アリウムの脇でズッキーニも花が咲き始めた。同じ地主から借りている畑の仲間が7名ほどいるが、私がズッキーニを栽培しているのを見て、4人ほどの人が畑にスッキーニを植えた。大抵は2株ほどだが、なかには5株植えた人もいる。玉村豊男が信州に移り住んで農園を始めたころには、ズッキーニは新顔の野菜であった。近所の農家の人が玉村の植えているズッキーニを見て珍しがった。東京の八百屋では1本200円から300円もすると話すと信じられない様子だったらしい。

色々な料理番組でズッキーニが紹介されるようになって、ズッキーニの栽培が広がっていたようだ。玉村はズッキーニの食べ方も紹介しているが、輪切りにして焼くほかに、炒めてからフードプロセッサーにかけて生クリームを加えるとライトグリーンのソースができる。パスタやリゾットにからめたり、魚料理のソースに利用することが紹介されている。わが農園には、今年、黄色のズッキーニも植えた。グリーンに比べ成長が早く、まもなく第1号の収穫ができる。食卓がもうひとついろどりが増えるのが楽しみだ。
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シャクヤク

2016年06月02日 | 


花の命は短くて、という句もあるように花の季節は駆け足で巡っていく。5月中旬、牡丹が咲いて数日のうちに散っていったが、一足遅れてシャクヤクの花が満開になった。この花のある畑にサクランボ畑があるが、今朝、収穫が始まっていた。シャクヤクはその名の示すように薬草として中国から渡来したものであるらしい。昨今、足の筋肉の痙攣に悩む人も多いが、これに用いられる薬は、シャクヤクカンゾウ湯である。この薬にもシャクヤクの成分が使われているのかも知れない。

庭に咲くシャクヤクも美しいが、切り花にして机上の壺に投げ入れるのも、この花の美しさを引き立てるようだ。永井荷風の句に

芍薬やつくゑのうへの紅楼夢 永井 荷風

があるが、シャクヤクの花に美女の色香を連想したものであろうか。妖艶なボタンに比べて、シャクヤクには清楚な感じがするが、文人の想像力は、そんな現実も超えているような気がする。

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