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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ロングレッグス』

2025年03月25日 | 映画(ら行)
『ロングレッグス』(原題:Longleggs)
監督:オズグッド・パーキンス
出演:マイカ・モンロー,ニコラス・ケイジ,ブレア・アンダーウッド,アリシア・ウィット,
   ミシェル・チョイ・リー,ダコタ・ダウビー,キーナン・シプカ他
 
本公開の2日前、なんばパークスシネマにて先行上映会へ。
ミステリアスなプロモーションが功を奏して大きな話題となり、全米で驚きの大ヒットとなったとか。
私を含めてそれに釣られた人が多いのか、水曜日でも割引なしの一般料金設定なのに8割の客入り。
 
結論から言うと、期待しすぎたなぁ。ホラー苦手な私でもあんまり怖くないし。(--;
1990年代半ばの設定だそうで、なんとなく少し古めの映像は怖そうな雰囲気があるけれど。
 
アメリカ・オレゴン州で30年前から続いている不可解な事件がある。
それは、3月14日生まれの少女がいる家庭で、父親が一家を惨殺したうえで自殺するという事件。
 
FBI特別捜査官のリー・ハーカーは、犯人が居住しているらしい住宅街に先輩捜査官フィスクと共に出向く。
昔から直感の働くリーは、辺りを見回して犯人の潜伏する家を断定。
しかしまさか新人のリーの「勘」を鵜呑みにするわけには行かず、フィスクひとりで扉を叩く。
すると、扉が開いた瞬間にフィスクは脳天を撃ち抜かれて死亡する。
 
リーの特殊な才能を認めた上司ウィリアム・カーターは過去30年の捜査資料を差し出す。
犯行現場には必ず“ロングレッグス”という署名付きの暗号文が残されているが、いまだ解明されず。
それを見たリーは見事に暗号を読み解き、カーターを驚かせる。
 
ところが捜査を続けるうちにリーとロングレッグスの間に接点があることがわかり……。
 
確かに雰囲気は面白いんです。
一人住まいのリーの家は郊外とはいえガラス窓が多くて外からもろ見え。
おいおい、いくらなんでも不用心、危ないやんかと思う。
その窓にロングレッグスらしき人影が映って怖い怖い。
なにしろその役が化け物みたいなメイクのニコラス・ケイジだし。
 
けど、宗教観の違いなのかなぁ、悪魔崇拝を持ち出されると、私は「またこれかぁ」と思う。
何百年経とうが欧米には必ず悪魔を信仰する人がいて、脈々と受け継がれる。
信仰の自由は保証されているのですから、絶対になくならないですよね。
 
そういう考えがずっとあるということがわかる分には面白いし、
主演のマイカ・モンローも情緒不安定な感じを出すのがとても上手い。
でも、これが怖いかと言われると全然。
あのメイクのニコラスのほうがずっと怖い(笑)。

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『リボルバー』

2025年03月13日 | 映画(ら行)
『リボルバー』(英題:Revolver)
監督:オ・スンウク
出演:チョン・ドヨン,チ・チャンウク,イム・ジヨン,キム・ジョンス,キム・ジュンハン,
   チョン・マンシク,チョン・ヘジン,イ・ジョンジェ,チョン・ジェヨン他
 
封切りになったばかりの作品にいろいろ観たいものはあって、さんざん迷う。
晩にNGKで“吉本新喜劇記念日2025 今年は65周年記念ツアー千秋楽”に行くから、
出かけるついでになんばでしか観られない作品にしようと思いました。
この前々日に観た『プロジェクト・サイレンス』もすげぇ面白かったし、やっぱり韓国作品は外せない。
というわけで、TOHOシネマズなんば別館にて本作を観ることに決定。
 
警察の汚職スキャンダルの罪をひとりでかぶることになった女刑事ハ・スヨン(チョン・ドヨン)。
その見返りに7億ウォン(約7千万円)と高級マンションを受け取ることになっていたのに、
2年の服役を終えて出所すると、金は支払われず、マンションも他人の名義に。
 
約束が反故にされたことを悟ったスヨンは、自分の取り分をきっちりもらわねば気が済まない。
あのとき7億ウォンの支払いを約束した名前も知らぬ男が誰だか突き止めるため、ひとりで調べはじめるのだが……。
 
いつも思うことですが、汚職の内容ってなかなか難しいことが多い。
ヤクザから回収した麻薬をくすねて売る程度の内容ならわかりやすいのですが、
本作の汚職については私は正直いってよくわかっちゃいない。(^^;
ただ、裏社会で力を持つ人がやらかすことに目を瞑る代わりに金を受け取っていた、みたいな感じ。
 
スヨンの恋人だった上司がその汚職に大きく関わっていたようで、けれど彼はスヨンの服役中に死んでしまいます。
自殺と言われているけれど、誰かに殺されたにちがいない。
この上司を演じているのがイ・ジョンジェ“イカゲーム”の彼しか知らない人には見てほしい。
 
出所の日にナメた態度で刑務所前に現れたホステス風の女性チョン・ユンソン(イム・ジヨン)が
やがてスヨンのただひとりの味方になるのは読めるけど嬉しいこと。
約束を反故にしたアンディ(チ・チャンウク)って、まるで『ANORA アノーラ』のイヴァンと同じ。
力を持つ親がいなければ何にもできないボンクラなんですよねぇ。バカ息子。美形だけど。
 
普通の話ならスヨンは濡れ衣を着せられていただけってことになりますが、
これは彼女も汚職に絡んでいてその分け前を取り戻すために奮闘する話。
だから、おおっ、よかったというわけではないけれど、まぁまぁ面白い。
ただ、チョン・ドヨンが美人の扱いなのはよくわかりません。お堅い役人とかのほうが似合ってる。

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『リアル・ペイン 心の旅』

2025年02月14日 | 映画(ら行)
『リアル・ペイン 心の旅』(原題:Real Pain)
監督:ジェシー・アイゼンバーグ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ,キーラン・カルキン,ウィル・シャープ,ジェニファー・グレイ,
   カート・エジアイアワン,ライザ・サドヴィ,ダニエル・オレスケス他
 
なんばグランド花月の後に映画も観て帰れないかを調べるのが普通になってしまいました。
吉本新喜劇が終わったのは21時半近く。でもあるんですよねぇ、こんな時間から観られる作品が。
TOHOシネマズなんばにて22時ちょうどから上映の本作は絶対観たかった作品だから嬉しい。
 
デヴィッドとベンジーは兄弟同然に育った従兄弟同士。
近年は訳あって疎遠気味だったが、最愛の祖母が亡くなったのをきっかけに久々の再会。
祖母は、彼女の故郷であるポーランドを孫ふたりに訪れてほしいとの遺言とそのための旅費を遺していたのだ。
 
ニューヨークからポーランドへと向かい、史跡巡りツアーに参加することになったふたり。
同じツアーに参加するのは中年女性とルワンダ出身の青年、それに高年夫婦。
ガイドはこの道5年を超えるベテランのジェームズ。
 
真面目なデイヴィッドは自由奔放なベンジーの言動が心配でならない。
ジェームズにガイドについての意見を求められれば躊躇なく批判。
レストランでは下品な振る舞いもするものの、なぜかデイヴィッドは人を惹きつけるらしく、
心配するのが馬鹿馬鹿しくなったりもして……。
 
監督と主演を務めるのはジェシー・アイゼンバーグでユダヤ系アメリカ人。
彼自身のポーランド旅行のときの体験に着想を得ているそうです。
 
ホロコーストの悲劇を描いた作品は数あれど、こんなロードムービーは今までにありません。
笑うことは許されない雰囲気があるから、コメディタッチでは描きづらいですよね。
だけど本作はシリアス一辺倒ではなくて、重さと軽さのバランスが実に上手い。
 
特筆すべきはベンジー役のキーラン・カルキンの演技。
こんなの、誰があの『ホーム・アローン』(1990)で一世を風靡したマコーレー・カルキンの弟だと思いますか。
自由気ままで、人のことなんておかまいなしの勝手な奴に見えるけれど、心に傷を持っている。
デイヴィッドは、みんなを虜にするベンジーのことが羨ましくて、彼になりたいとすら思うけれど、
同時に彼のことが憎らしい。ジェシー・アイゼンバーグもそんなデイヴィッドの気持ちを巧みに表しています。
ジェームズ役のウィル・シャープは『エマニュエル』の謎のアジア人よりずーっとよかった。
 
ところどころふきだしました。
最後のショパン空港の「頬を張る」シーンは最高。
心洗われる作品です。

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『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

2025年01月11日 | 映画(ら行)
『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(原題:The Lord of the Rings: The War of the Rohirrim)
監督:神山健治
声の出演:市村正親,小芝風花,津田健次郎,本田貴子,村治学,田谷隼,山寺宏一,中村悠一,
     森川智之,入野自由,斧アツシ,大塚芳忠,沢田敏子,飯泉征貴,坂本真綾他
 
元日にTOHOシネマズ西宮で3本ハシゴの〆。
客はかろうじて私ともうひとり。正月早々、上映終了時刻が23時の回にはそんなに客は来ないか。
 
アメリカ/イギリス/日本作品で、できればこれも字幕版を観たかったけれど、ここでは吹替版の上映しかなし。
“ロード・オブ・ザ・リング”3部作を手がけた製作陣が、その200年前に遡る戦いの物語を長編アニメ映画化。
 
誇り高き騎士の国ローハンでは、偉大なる王ヘルムのもと、民も平和な日々を送っていた。
ある日、ヘルムが招集した領主のうちのひとりで横柄なフレカが、自らの息子ウルフとヘルムの娘ヘラを結婚させよと言う。
ウルフとヘラは幼なじみでお互いに好意を抱く仲ではあるが、ヘラは誰とも結婚する気などない。
また、ヘルムはフレカの息子にヘラを嫁がせる気持ちなど皆無で、あっさり断る。
 
憤慨したフレカはヘルムに殴りかかり、ヘルムが殴り返したところ、一撃でフレカは死亡。
ウルフもローハンから追放されることになり、ヘルムを激しく憎む。
 
ウルフの消息はわからないまま時が経つが、出先で猛獣を退治したヘラが何者かに拉致される。
ヘラのいとこフレアラフや侍女オルウィンらがひそかにつけて行くと、なんとそこにはウルフがいた。
ローハンを征服することを目論むウルフが同志を集め、リーダーとなって襲撃の機会を図っているらしい。
 
ヘラの救出には成功したものの、ウルフは大軍を率いてローハンに襲いかかり……。
 
夜も遅いし、134分の長尺だし、絶対眠くなるだろうと思っていたのに、全然そうならず。
“ロード・オブ・ザ・リング”は一通りしか観ていないけれど、思いのほかわかりやすい話で没入できました。
さまざまな登場人物のことをもっと覚えていれば、もっともっと楽しいと思います。
私が「おおっ、この人は」と思い出せたのはサルマンだけですからね。(^^;
 
200年前から始めて、シリーズをまた辿るのが良いかもしれません。

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『ライオン・キング:ムファサ』〈字幕版〉

2025年01月05日 | 映画(ら行)
『ライオン・キング:ムファサ』(原題:Mufasa: The Lion King)
監督:バリー・ジェンキンズ
声の出演:アーロン・ピエール,ケルヴィン・ハリソン・Jr.,ジョン・カニ,セス・ローゲン,ビリー・アイクナー,
     ティファニー・ブーン,ドナルド・グローヴァー,マッツ・ミケルセン,タンディ・ニュートン,
     レニー・ジェームズ,アニカ・ノニ・ローズ,ブルー・アイヴィ・カーター,ビヨンセ・ノウルズ=カーター他
 
テアトル梅田で2本観たあと、TOHOシネマズ梅田へ移動して。
 
『ライオン・キング』(2019)の続編というのか前日譚というのか。
 
前作の主役シンバはナラと夫婦になり、娘キアラを授かります。めっちゃ可愛い子ライオン。
プライドランドの王であるシンバがしばらく出かける間、
キアラの世話をすることになったのはイボイノシシのプンバァ、ミーアキャットのティモン。
イマイチ頼りないプンバァとティモンがキアラに何か話を聞かせようと思っていたところへ、
シンバが生まれる前からその父親ムファサと親友のシャーマンマンドリルのラフィキが現れます。
ラフィキのことが大好きなキアラは大喜び。そこでラフィキが話しはじめるのはムファサの物語。
つまり、続編として話は進んでいるけれど、そこで語られるのは前日譚ということですね。
 
シンバの父親でありキアラの祖父であるムファサは伝説の王。
もともと血筋正しく賢く強いライオンだったとキアラは思っていたが、そうではないらしい。
ラフィキが語る、過酷な運命にさらされたムファサの話。
 
両親の愛情をいっぱいに受けて育ちつつあったムファサは、ある日、氾濫した川で溺れかける。
息子を必死で助けようとする父親のおかげで一旦は水から這い出たものの、また川に流されてしまう。
 
ムファサが流れ流れて行き着いた先でワニに食いつかれそうになっていると、
通りかかった子ライオンのタカが川から引き上げてくれる。
タカは彼の父親で一族の王オバシのもとへムファサを連れて行くが、オバシは野良ライオンに冷たい。
一方、タカの母親エシェは、兄弟がほしかったというタカのためにもムファサの面倒を見ることに。
また、エシェはムファサの優れた観察力にも気づき、実の息子タカ同様の愛情をムファサに向ける。
 
あるとき、獰猛なはぐれ者のホワイトライオンたちが襲撃をかけてくる。
エシェを危機から救ったのはムファサで、ほかのライオンたちは恐れをなして逃げてしまったのだ。
逃げたうちのひとりがタカで、母親を見捨てかけたことを父親から叱咤されると共に、
自分が逃げたことは恥だから、決して誰にも言わないようにと告げる。
 
わずかな変化も鼻や耳で拾うムファサは、ホワイトライオンが翌朝には再びやってくると断言。
オバシとエシェは、タカとムファサに一緒に逃げるように言う。
ムファサは両親から聞いていた理想郷“ミレーレ”を目指して進むと決める。
 
共にミレーレに向かって走り出したムファサとタカは、途中、サラビという姫と出会う。
こうして旅は3人になるが、ホワイトライオンの王キロス率いる軍団に追われて……。
 
キロスの声がやたら渋くて、聞いたことあるけど誰だっけと思ったらマッツ・ミケルセンでした。
ほかに“ライオン・キング”に初めて登場する気になる声の人といえば、エシェ役のタンディ・ニュートン
 
飲酒してから観たのに寝なかったし、飽きずに最後まで観られましたけれど、
ライオンの三角関係って、あんまり観たくないような(笑)。
 
サラビのことを好きになったタカはムファサに相談。
女子と話すには何を話題にしたらいいかなど教えてもらうけれど、いいところを見せようと知ったかぶりしたって駄目。
結局サラビにはバレバレで、彼女はムファサのことを好きになります。
それでムファサに裏切られたと憤るタカはメラメラと嫉妬の炎を燃やし、キロスとこっそり交渉。
百獣の王の風上にも置けん奴。って、日本語の使い方、なんか間違ってますかね(笑)。
 
こうしてタカがスカーになり、ムファサとの因縁が生まれるのでした。
人間もライオンも、嫉妬って嫌ですよねぇ。

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