夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』

2019年06月30日 | 映画(な行)
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(原題:Ex Libris: The New York Public Library)
監督:フレデリック・ワイズマン
 
先週は月~木曜日まで毎日終業後に2本観て、
金曜日はいとこ会で飲んだくれ、土曜日は伯母の十三回忌
法事に集まったおばたち、最年少でも86歳、最年長は97歳。
車の乗り降りだけでも時間がかかるというものの、皆すこぶる元気。
私はこんなに元気で長生きする自信がない。
 
そんなこんなでへろへろだった週末、テアトル梅田で1本だけ。
おばたちみんな元気やなぁと思っていたけれど、
本作の監督も1930年生まれ、私の両親と同い年で、今年89歳。
 
上映時間205分のドキュメンタリー。
睡魔に襲われることほぼ間違いなしですが、家で観るとすれば集中力がもたない。
寝てしまうとしてもとりあえず劇場で観るほうを選びたい。
 
世界最大級の「知の殿堂」、ニューヨーク公共図書館の舞台裏をカメラに収めた作品。
私立の図書館でありながらその規模は世界屈指、
年間予算額は300億円超、年間来館者数は約1700万人にのぼる。
 
ってね、すみません。これ、ウィキペディアの受け売りです。
というのも、本作にはこうした説明が一切ない。
なんかすごく大きな図書館で、分館もあちこちにあるらしい。
さまざまな分野の著名人による講演会が開かれたり、
興味深いワークショップがおこなわれたりしているようだけど、
それに関するナレーションもないし、テロップによる説明もありません。
 
ただ映像を追うだけ。
追っているうちに、いま話している人が誰で、どんな講演なのか、
いま映っている本館や分館では何がおこなわれているのかがわかります。
職員の知識の深さに驚いたり、納品までの作業の流れを知ったり。
かといって全容がわかるわけではない。凄い図書館だなと漠然と思うだけ。
 
そりゃもうずっと起きているのは無理(笑)。
でも予想していよりは寝ませんでした。
寝て起きてもまだ図書館の中にいる、そんな感じ。
 
きっとこんなところに反応するのは私だけだと思ったのは、
スタテン島に分館があるということ。
同週に観た『パージ:エクスペリメント』の舞台がスタテン島でした。
あの島に図書館が存在するのか!?とビックリ。
 
ひとつ、字幕に文句を言わせてください。
「シュミレーション」はあかんやろ。
B級映画じゃあるまいし、正しく「シミュレーション」でお願いします。

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『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の6本目@伊丹)

2019年06月29日 | 映画(ま行)
『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(原題:Men in Black: International)
監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:クリス・ヘムズワース,テッサ・トンプソン,エマ・トンプソン,リーアム・ニーソン,
   レベッカ・ファーガソン,レイフ・スポール,ロラン・ブルジョワ,ラリー・ブルジョワ他
声の出演:クメイル・ナンジアニ
 
TOHOシネマズ伊丹にて前述の『アラジン』〈吹替版〉とハシゴ。
 
『アラジン』のジーニー役がハマったウィル・スミス
そもそも出ていたシリーズ“メン・イン・ブラック”だと思うと、
こっちに彼の姿がないのは不思議な気がしますね。
新キャストとして名前を連ねるのは、クリス・ヘムズワーステッサ・トンプソン
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のコンビをここで見るのも不思議。
 
『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)に抜擢されたF・ゲイリー・グレイ。
 
幼い頃に自宅に紛れ込んだエイリアンを助け、
以来、政府の最高機密機関“メン・イン・ブラック(MIB)”で働くことを夢見続けていた少女。
公にはされていないMIBのニューヨーク本部をひとりで探し当て、自分の採用を直訴する。
 
採用試験を受けた彼女は高得点で合格をもぎとり、
エージェントMとしてまずは見習いで働きはじめる。
研修期間中に成果を挙げようとMは画策。
ロンドン支部のエース、エージェントHとコンビを組むことに成功。
 
ある重要人物の護衛に指名されたHはMを連れて任務に就く。
ところが護衛に失敗し、苦し紛れの言い訳に「MIB内部にスパイがいる」と主張。
Hの上司ハイTは、Hの話に信憑性があるとして、捜査を言い渡すのだが……。
 
予告編では“マイティ・ソー”をからめたしょうもないダジャレ(笑)の翻訳がありましたが、
本編ではもう遅いからかその翻訳は無し。
 
リーアム・ニーソン演じるハイTの裏切りだろうということは簡単に予想がつきます。
あまりにもそれっぽいから、どんでん返しがあるに違いないと思ったのに、
やっぱり悪いのはおまえかい!
組織のトップが裏切るという構図、ありすぎでつまんない。
 
相変わらず派手でそれなりに面白かったけれど、それなり以上ではない。
トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスがいた頃のMIBよりだいぶ落ちることは否めません。
 
しかしやっぱりエマ・トンプソンはいいんだなぁ。エージェントOにはご注目。

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『アラジン』〈吹替版〉(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の5本目@伊丹)

2019年06月28日 | 映画(あ行)
『アラジン』(原題:Aladdin)
監督:ガイ・リッチー
出演:メナ・マスード,ナオミ・スコット,ウィル・スミス,マーワン・ケンザリ,
   ナヴィド・ネガーバン,ナシム・ペドラド,ビリー・マグヌッセン他
声の出演:中村倫也,木下晴香,山寺宏一,北村一輝,菅生隆之,沢城みゆき他
 
この日は観たい作品が複数あるTOHOシネマズ西宮に行こうとしたけれど、
17:15の終業後にいくら必死こいても間に合う時間には上映なし。
致し方なく、2日前に字幕版を観たばかりの『アラジン』の吹替版を
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
結果、これを選択してよかった。
2回目だから眠くなったら寝てもいいやと思っていたのに、全然眠くならず。
どの役もイメージに合った声で楽しい。
「それな」が結構出てくるイマ風の吹替に笑うこと多数。
 
字幕版を観たとき、ジャスミン役のナオミ・スコットの歌の上手さに驚きました。
吹替を担当する木下晴香も甲乙付けがたい上手さでシビレる。
こういうのを聴くと、前田敦子がなんぼ頑張ろうと歌手は無理だと思ってしまう。
 
ミュージカルシーンてんこ盛りというわけではないという印象がありましたが、
意外に多かったのですね、歌って踊ってのシーン。
山寺宏一の声を当てたウィル・スミスがやっぱりサイコーです。
ジャスミンの侍女役の沢城みゆきもイイ。
 
吹替版を観てこんなにも楽しかったのはたぶん初めて。
だからって、「洋画は字幕で観る派」を撤回するつもりはありません。
あくまで字幕版を観たうえでの吹替版。
でも、本作はもう一度観るなら吹替版を選ぶかも。

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『ガラスの城の約束』

2019年06月27日 | 映画(か行)
『ガラスの城の約束』(原題:The Glass Castle)
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:ブリー・ラーソン,ウディ・ハレルソン,ナオミ・ワッツ,マックス・グリーンフィールド,
   セーラ・スヌーク,ジョシュ・カラス,ブリジェット・ランディ=ペイン他
 
109シネマズ大阪エキスポシティで2本ハシゴの2本目。
1本目に観た『旅のおわり世界のはじまり』にイライラ。
そして2本目のこれでもイライラしてしまったのですよねぇ。(--;
 
 
1989年のニューヨーク。
ジャネットは“ニューヨーク・マガジン”の人気コラムニスト
金融アナリストのデヴィッドと婚約し、公私ともに順調。
 
そんなある夜、彼女が乗るタクシーの前にホームレス男性が飛び出してくる。
男性の顔を見てジャネットは愕然。それは自分の父親レックスだった。
思い出さないようにしていた過去がジャネットの脳裏に蘇る。
 
ウォールズ家は6人家族。
父親のレックスと母親のローズマリー。
子どもは一男三女、ブライアン、ローリ、ジャネット、モーリーン。
自由を愛する両親は、空き家に不法侵入。
見つかるまでそこに居着いては夜逃げということの繰り返し、
子どもたちは学校にも通わせてもらえない。
 
酒を断てないレックスは、仕事も長く続かない。
少しでも金を持てば酒に注ぎ込んでしまうから、
家族は何日も食べるものがなく、ひもじい思いをしているというのに。
 
酔っぱらって暴力をふるう父親と、殺されかけても別れようとしない母親。
子どもたちは金を貯めて順番に出て行く決意をするのだが……。
 
なんだかんだで子どもに愛情を注いでいた良い両親です、そう言いたげ。
でもね、こんなの毒親でしょ。
 
母親が食事をつくってくれないものだから、子ども自ら用意。
ガスコンロにも背が届かないぐらいの幼さで、服に火がついて大やけど。
子どもの貯金箱から金を盗んで飲みに行く父親。
大人になってからも子どもの行く先々に住み着き、金を無心したり。
 
それでもいい家族だったというのは、
親と子ども双方が記憶を塗り替えたかっただけではと思ってしまう。
 
これも『旅のおわり世界のはじまり』同様、キャストの演技は素晴らしい。
でも内容をまったく好きになれません。
そこにちゃんと愛情があったというならどうぞお好きに。

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『旅のおわり世界のはじまり』

2019年06月26日 | 映画(た行)
『旅のおわり世界のはじまり』
監督:黒沢清
出演:前田敦子,加瀬亮,染谷将太,柄本時生,アディズ・ラジャボフ他
 
ダンナが海外出張に出発した日から2日続けて終業後に2本。
毎日帰宅が午前0時になっているからだいぶへろへろ。
それでも6月の劇場鑑賞数をそれなりにしたくてこの日も2本観ることに。
 
フリーパスをつくったからTOHOシネマズに行くつもりだったけれど、
ダンナの実家へいつものように食パンを届けたら、
まっすぐ帰ると思っている義母がシューアイスを1袋くれました。
これを職場の冷凍庫に入れに戻り、TOHOシネマズへ行くのはあきらめて
109シネマズ大阪エキスポシティへ。ちょうどレディースデーですから。
 
黒沢清監督の作品で琴線に触れたものが今までになく、
これはウズベキスタンで撮られたということに興味を惹かれただけ。
 
本当は歌手になりたいTVレポーターの葉子(前田敦子)。
今回の仕事はウズベキスタンの湖水に棲むという幻の怪魚を求めるロケ。
番組クルーはディレクターの吉岡(染谷将太)、カメラマンの岩尾(加瀬亮)、
アシスタントディレクターの佐々木(柄本時生)、
通訳兼コーディネーターのテムル(アディズ・ラジャボフ)。
 
舟に乗って怪魚を探しに出かけるが、それらしきものは現れない。
現地の漁師は「女が舟に乗っているせいだ」と言う。
大衆食堂で料理のレポートをすれば、火の通っていないものを食べさせられる。
地元の遊園地の絶叫マシンもどきに吐くまで乗せられ、
それでも淡々と仕事をこなす葉子。
 
怪魚が見つからないことには尺が足りない。
何か良い案はないかとクルーが考えはじめたとき、
葉子が路地裏で見かけたヤギを解放するのはどうかと言いだし……。
 
なぜかイライラしてしまうのです。
東京にいる恋人にLINEで「私は用心深いから大丈夫」などと言うわりには、
ひとりでふらふらと出かけて歩き回る。
そりゃもう見ているだけで不安になりそうな薄暗い道。
舐めるような視線を浴びるものの襲われたりしないのは、
ウズベキスタンは治安のいい国だというアピールなのか。
 
大画面で観た甲斐があるほどウズベキスタンの美しさが広がっていたとも思えない。
また、前田敦子が披露する“愛の讃歌”は、思ったよりも上手だけれど、高音はキツイ。
彼女を観るなら『町田くんの世界』のほうがずっと面白かった。
 
キャストの演技は文句なく上手いのに、内容にイライラ。
これは作品そのもののせいなのか、私の更年期のせいなのか(笑)。
 
黒沢監督とはやはりちょっと合わない気がします。
今後も観ますけど。

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