夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『es[エス]』

2003年01月29日 | 映画(あ行)
『es[エス]』(原題:Das Experiment)
監督:オリバー・ヒルシュビーゲル
出演:モーリッツ・ブライブトロイ,クリスティアン・ベッケル,
   ユストゥス・フォン・ドーナニー,マレン・エッゲルト他

昨年公開されたドイツ映画。
1971年、スタンフォード大学心理学部で実際に試みられた実験がベース。

元ジャーナリストの主人公は現在はタクシー運転手。
彼はある新聞広告に目を留める。
それは高額な報酬である心理実験の被験者になるというもの。
この実験の陰に政府が絡んでいると感じた彼は、
被験者に応募してひそかに取材することを思いつく。
メガネに隠しカメラを仕掛け、準備を始める。

さて、その新聞広告によって集められたのは24名。
「看守役」と「囚人役」に分けられ、模擬刑務所に収容されて14日間を過ごすという。
教授たちが監視するなか、実験はスタートするが……。

実際におこなわれたこの実験は、わずか6日目で中止になったそうです。
最初は遊び半分の気持ちで実験に臨む被験者たち。
外界と閉ざされた模擬刑務所で次第に精神に異常をきたしていきます。

日ごとに狂暴性を増していく看守役、リンチに怯える囚人役、
視覚からはその恐怖が伝わってくるけれど、
精神的に追い詰められる過程は物足りん。
もっと心理的にぞくぞくしたかったなぁ。
せやけど、こんな実験がほんまにあったということ自体、怖いがな。

主人公役のモーリッツ・ブライブトロイ(ビールみたいな名前(^^;)、
スキンヘッドが超似合う。

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というわけで、ウディ・アレン。(後編)

2003年01月28日 | 映画(番外編:映画とこの人)
前編に続いて。

ミュージカルコメディ、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)は、
ニューヨーク・マンハッタンが舞台。
金持ち夫婦とその子ども、その婚約者、前夫など、
彼らを取り巻く人々が次から次へと出てきて歌うわ、踊るわ。
出演者も豪華なもんで、ジュリア・ロバーツやらドリュー・バリモア、
ゴールディ・ホーン、エドワード・ノートンなど、
下手くそでもなんでもとにかく突然歌い始めるのだ!

そして『おいしい生活』(2000)。
一獲千金を狙うアレンとそのボケボケのお仲間たちは、
ある日、銀行の並びに空き店鋪があるのを発見。
地下から銀行に向かって穴を掘れば大金が手に入ると思いたち、
カモフラージュのために空き店鋪を借りてクッキー屋を開く。
派手派手妻が仕方なく焼き始めたクッキーがバカ売れしたため、
穴を掘るまでもなく成金に。
しかし、悲しいかな、成金には知性が追いつかない。
インテリになるために家庭教師を雇うが……。

『ヴァージン・ハンド』(2000)という作品も。
妻の浮気に激怒した夫ははずみで彼女を殺してしまう。
バラバラにして埋めたはずが、片方の手だけが道端にポロリ。
それを拾った盲目の女性の目が突然見えるようになったもんだから、
妻の手はその村で神の手として崇められるようになり……と、
ストーリーは結構おもしろそうだったんだけど、
こちらは出来としてはイマイチでした。

ウディ・アレンがニューヨークを愛してやまないことは有名。
テロの後となった昨年のアカデミー賞の授賞式、
ふだんはノミネートされても出席しないアレンが、
ニューヨークのためにと請われて断れずにおこなったスピーチは本気でよかったです。

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というわけで、ウディ・アレン。(前編)

2003年01月27日 | 映画(番外編:映画とこの人)
あの風貌が嫌いという人も多いし、女癖も悪そう、
インテリぶってそうで鼻につく……などなど
好き嫌いがまっぷたつに分かれる監督だけど、
私はかなり、いや、とっても好きかも。
彼の映画を観るたびに、映画を観る幸せを再確認できる気が。

何より、ほとんどの作品があまり長くないところも○。
3時間も観たうえに『パール・ハーバー』(2001)みたいだと、
「おりゃ~っ!」と暴れたくなります。

まずはちょうど30年前の作品を。
『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくい
SEXのすべてについて教えましょう』(1972)は、
7話から成るオムニバス・コメディ。
外見は立派なサラリーマンなのに実は女装趣味のある男性、
患者の連れてきた羊のデイジーちゃんに本気で惚れてしまった医者、
変態度を競うクイズ番組の出演者たち、
不感症なのに人目があると燃えてしまう女性……などなど。
最終話の「ミクロの精子圏」は特に好き。
女性の前で興奮すると、体内の精子たちが今度こそ外の世界に出ようと出番を待つ。
外の世界を見たことのない彼らの不安も描かれておかしすぎ。

そして『ブロードウェイと銃弾』(1994)。
劇作家の男性がついに自分の作品上演にこぎつける。
が、そのためにはギャングの女を出演させるという条件が。
ところがこの女が恐ろしいほど大根役者のうえに台詞にケチを。
劇作家はほとほと困りはてる。
女のボディガードが見かねて脚本を書きかえたら、それが素晴らしい出来で……。
『マルコヴィッチの穴』(1999)のジョン・キューザック主演。
この役者さん、大好き。
ジョン・キューザックなら、ウディ・アレン監督作ではありませんが、
『ハイ・フィデリティ』(2000)がめちゃめちゃ好きです。

後編に続く。

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『カイロの紫のバラ』

2003年01月26日 | 映画(か行)
『カイロの紫のバラ』(原題:The Purple Rose of Cairo)
監督:ウディ・アレン
出演:ミア・ファロー,ジェフ・ダニエルズ,ダニー・アイエロ,
   エド・ハーマン,ダイアン・ウィースト他

1985年の映画を再見。

舞台は1930年代のニュージャージー。
旦那はプータロー。賭け事、女あそびと好き三昧。
そんな亭主に愛想をつかしながらも別れられず、
ウェイトレスをして生活費を稼ぐ妻。
彼女の楽しみは映画館に通うこと。
ある日のロードショーで『カイロの紫のバラ』を観た彼女は
上流社会を描いたその映画にハマり、何度も映画館へ足を運ぶ。

彼女が5度目の『カイロの~』を観た日、
スクリーンの中から探検家役の俳優が突然飛びだし、
「君はもう5回もこの映画を観てくれているね」と話しかける。
驚く彼女と観客たち。
スクリーンの中ではひとりの俳優を欠いたために話を進められずに困惑し、
怒るほかの役者たち。慌てふためく興行主。
しかし、探検家役の俳優はそんな周囲には目もくれず、
彼女を映画館から連れだして、やがてふたりは恋に落ちる。

ニュージャージーでのこの事態について報告を受けた
探検家役のホンモノの俳優が駆けつける。
そして、彼女と探検家役の「ホンモノ」と「虚像」が三角関係に。

ラストシーンがとっても有名。
賛否両論だけど、私はしばし呆然、
そののち、エンドロールを観ながら笑ってしまいました。
「そして今日も映画を観る」という気持ちになります。

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バーブラ・ストライサンド

2003年01月25日 | 映画(番外編:映画とこの人)
かねてからの疑問。

バーブラ・ストライサンドはなぜ多くの映画のなかで
嫌われ者の代表として名前が挙がるのでしょうか。
『サウスパーク』テレビ版では「ゴジラ」ならぬ
「バーブラ」が登場していますし、映画版でもコケにされどおし。

『イン&アウト』(1997)では
ゲイの好きな女優の代名詞として彼女が使われ、
ゲイはこぞってバーブラの歌を聴く。
その他の映画でも彼女は必ず笑われる場面で登場。
めちゃめちゃ気になる。

ちなみにゲイの嫌いな歌手の代名詞はセリーヌ・ディオン。
これもめちゃめちゃ気になる。

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