夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『抱擁』

2003年02月26日 | 映画(は行)
『抱擁』(原題:Possession)
監督:ニール・ラビュート
出演:グウィネス・パルトロウ,アーロン・エッカート,
   ジェニファー・エール,ジェレミー・ノーザム他

昨日、試写会の券をいただきました。(^^)
「恋」が先か「夢」が先か悩んでいるまに、
券をお恵みくださった方に感謝の気持ちをこめて
ちょっと邦題の部は中休み!

イギリスの女流作家、A.S.バイアットの原作を映画化。
舞台は19世紀。
アッシュ(♂)は皆から尊敬される素晴らしい詩人でよき夫。
対してラモット(♀)もまた詩人だが、同性愛者として知られ、恋人と同棲する身。
そんなふたりが偶然出会い、手紙のやりとりを始めて恋に落ちる。
しかし、それは秘められた恋で、このふたりの間にそんなことがあったとは、
100年経ったいまも誰も知らなかった。

そして現代のロンドン。
アッシュの研究者であるローランド(アーロン・エッカート)は
図書館で閲覧していた蔵書のなかからアッシュが書いたラブレターを発見する。
相手がラモットではないかと考えたローランドは、
ラモットの研究者であるモード(グウィネス・パルトロウ)に協力を仰ぐ。

やがて明かされてゆく真実とは……。

原作の小説は、なんでも英国文壇界最高峰と称される、
ブッカー賞を受賞したもんなんだそうです。
『イングリッシュ・ペイシェント』(1996)もそうだったらしいから、
ブッカー賞って壮大なメロドラマが好きなのかも。

なんとなく地味~な顔ぶれがいかにもイギリス風ですが、
退屈そうで退屈しないのもイギリス風かも。
コンパクトにまとめられたメロドラマという感じ。
オチはわりと好きかも。
もっと絞ったオチならさらによかったけど。

後ろの席で観ていたおっちゃんが、エンドクレジットが流れるなり、
「で、ブランチって誰?」(ブランチ=ラモットの恋人)と隣の人に聞いていたのがおかしかった。
あんた、それ、わからんと観とったんかい!

ローランド役の俳優さんは図体もでかいのになぜか存在感が薄い。
『エリン・ブロコビッチ』(2000)のジュリア・ロバーツの隣人のバイク野郎で、
『ベティ・サイズモア』(2000)のぐうたら亭主と言われても
なぜか顔が思いだせなかったけど、昨日やっと覚えられました。

しかし、これもベタな邦題やと思いません?(^^;
原題は“Possession”です。

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恋と夢とあなたとわたし〈わたし編〉

2003年02月24日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
「あなた」もそうですが、
「わたし」の場合も原題にはまったく出てこないことが多いよう。

『私が愛したギャングスター』(2000)は、原題が“Ordinary Decent Criminal”。
ケヴィン・スペイシー演じる強盗団のボスは、決して人を傷つけない華麗な手口が信条。
誰からも愛されるギャングスター。
めっちゃ直訳すると「普通の見苦しくない犯罪」という原題は、
彼のカッコいい手口を表しています。
邦題はやはり『007/私を愛したスパイ』(1977)が元でしょうな。
こちらの原題は“The Spy Who Loved Me”でマンマです。

タイトル、内容ともにオススメなのが『わたしが美しくなった100の秘密』(1999)。
そそられません?
原題は“Drop Dead Gorgeous”。
ミネソタのド田舎でおこなわれる美少女コンテスト。
このミスコンを舞台にくりひろげられる壮絶なライバル蹴倒し作戦。
おバカでとにかく笑えます。

「わたし」じゃないけどその複数形の『僕たちのアナ・バナナ』(2000)。
カソリックの神父とユダヤ教のラビ。
その男性ふたりともが、久々に会った幼なじみの女性に恋する話。
女性の呼び名がアナ・バナナ。
原題はぜ~んぜんちがう“Keeping the Faith”。
「信仰を守る」ということですね。

……たいして英語もできんのに、
なんか英語教室みたいになってきてしまいました。すんません。

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恋と夢とあなたとわたし〈あなた編〉

2003年02月22日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
邦題にもちいられる言葉のうちで
頻度の高いものにはどんなものがあるんでしょう。
「恋」と「夢」と「あなた」と「わたし」。
これってかなり頻繁に使われているような気がします。

サンドラ・ブロック主演の『あなたが寝てる間に』(1995)。
これは原題はそのまんまで、“While You Were Sleeping”。
転んで気絶した男性を助けた彼女の恋の物語。
ほんわかラブ・コメディでしたね。

これとタイトルを並べたいのが『眠れない夜はあなたと』(1994)。
不眠症の男女が偶然出会い、恋に落ちます。
が、ふたりは敵対する選挙出馬者のスピーチライターで……というお話。
原題はスリープレスならぬ“Speechless”。

『あなたが寝てる間に』と『眠れない夜はあなたと』。
こうして2本並べると、「寝ててほしいんか起きててほしいんかどっちやねん!」
と、つっこみたくなります。
製作年は『眠れない夜はあなたと』のほうが先だけど、日本では劇場未公開だったので、
もしかしたらビデオ化のさいに『あなたが寝てる間』にを意識したのかも。
いや、これも意外におもしろいラブコメだったんですけどね。

『あなたに逢いたい』(1995)。なんという安直なタイトル。
橋の上から車の流れを見るのが大好きな青年。
ヘリコプターから交通渋滞情報をリポートし、
車の流れをスムーズにする仕事をしたいと思っている。
安直なタイトルのわりにストーリーを覚えているのは、
こんな仕事が世の中にあったのか!と新鮮な驚きがあったから。
原題は“Pie in the Sky”。
父親が「将来は何になりたいんだ?」と問いかけると
青年は目を輝かせて将来の夢を語ります。
すると父親がひと言、“Pie in the Sky.”(「甘い夢だな。」)
こっちのほうがインパクトありません?

ついでながら、『あなたに逢いたくて』(原題は“Two Much”(1996))っちゅうのもあります。
松田聖子の「あ~な~た~に~逢いたくて~♪」がヒットしたのが同年。
それってそのままパクっただけじゃあ……?

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『ズーランダー』

2003年02月20日 | 映画(さ行)
『ズーランダー』(原題:Zoolander)
監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー,オーウェン・ウィルソン,ジョン・ボイト,
   クリスティーン・テイラー,ミラ・ジョヴォヴィッチ他

監督も主演も脚本もベン・スティラー。
お世辞にも二枚目と言いがたいこの人が演じるのが
男性スーパーモデル、デレク・ズーランダー。

4年連続でトップモデル賞に選ばれると信じていたのに
その賞をオーウェン・ウィルソン演じるライバルに奪われ、ショックを隠せない。
田舎に帰って父や兄弟と炭坑夫になろうと思ったが、
「男でモデルとは恥知らず」と追い返される。

自暴自棄になりかけたとき、トップデザイナーが彼を使ってショーを開催したいと持ちかける。
実はこれはマレーシアの首相を暗殺するための罠だった。
エステでズーランダーを洗脳し、
ショーの途中にマレーシアの首相を殺すように仕向けようということ。

こうして読むだけでおバカでしょ。
ほんと、おバカな映画です。
でも、とっても「ツッコミ甲斐」のある映画。
長いと張り倒したくなりそうだけど、なんといっても89分。(^^)
まぁ、ええか。

特別出演陣が非常に豪華。
デビッド・ボウイ、『レオン』(1994)のナタリー・ポートマン、
去年万引き騒動を起こしたウィノナ・ライダー、
『タイタニック』(1997)のヒロインの婚約者役だったビリー・ゼイン、
『クライム&ダイヤモンド』(2001)のクリスチャン・スレイター、
それにベッカムの奥さん。
曲もワム!やらフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドやらで
ベタベタやけどなかなか楽しめます。

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ホラー映画の監督は

2003年02月14日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
『エルム街の悪夢』(1984)の監督、ウェス・クレイヴンが
何を思ったか突然「実話だから感動もスゴイ」という宣伝文句の
お涙頂戴風映画を撮ってしもたと書いたので、
ふとホラー映画の監督たちについて考えてみました。

フツウの映画を撮っている監督が突然ホラーに転向したという話は知りません。
でも、ホラーで腕を鳴らした人が感動ドラマに走る話はままあります。
誰しもそういう話を撮りたいと思っているのでしょうか。

『死霊のはらわた』(1981)で絶大な人気を誇る監督、サム・ライミ。
ほかには『ダークマン』(1990)なども。
『シンプル・プラン』(1988)はスティーブン・キングが絶賛したという原作を映画化。
金(カネ)に目がくらむ話でした。
これはサスペンスだから、考えられなくもないですね。
そのあとが私としてはちと驚き。
ケヴィン・コスナー主演の『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』(1999)。
メジャーリーグのベテラン投手が移籍か引退かを迫られる話。
なんで『死霊のはらわた』の人が~!っと思いました。
アメリカ人はとにかく野球が好きということでしょうか。
その次は誰でも知ってる『スパイダーマン』(2002)。
スパイダーマンの恋する女性を演じたキルスティン・ダンストって
ホラー映画で絶叫してる絵もありなんという気はしますが。

『エクソシスト』(1973)のウィリアム・フリードキン。
『フレンチ・コネクション』(1971)や『L.A.大捜査線』(1985)、
『12人の怒れる男』(リメイク版)(1997)なども彼の代表作ですから、
イエメンの米国大使館前での民衆デモを題材にした法廷ドラマ、
『英雄の条件』(2000)も不思議ではないんでしょう。
だけど、『エクソシスト』のイメージがあまりにも強すぎて、
なんとなく「感動」がほしくなったかと疑ってしまいます。

その点、私がスゴイと思うのはダリオ・アルジェント。
『サスペリア』(1977)、『フェノミナ』(1984)、『オペラ座の怪人』(1998)、
新しいところでは『スリープレス』(2001)。
30年以上も第一線でホラー映画を撮りつづけておられます。(^○^)
ホラーのためなら、自分の実の娘すら裸にして出演させちゃうところがスゴイです。

ついでに、『ミュージック・オブ・ハート』(1999)のあと、
ウェス・クレイヴンは「自分にはやっぱりホラーだ!」と思ったかどうか、
『スクリーム3』(2000)を撮ってます。(^^;

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