夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

2025年2月に読んだ本

2025年03月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2025年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2676ページ
ナイス数:832ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2025/2

■ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
中山七里センセの『超合理的!ミステリーの書き方』にバイブルとして挙げられている本を読破することにしました。大人買いして、まずはこれを。私が海外ミステリーを面白いと思ったきっかけは、間違いなくクリスティー。子どもの頃、父の書棚にあった『そして誰もいなくなった』を初めて読んだとき、衝撃を受けてその後何度も読んだのを思い出します。本作は今から90年前に発表された作品だというのに少しも色褪せていない。訳のわからない犯罪が多い時代になって意味不明のことが増えたけれど、やっぱり「動機」。次に読むバイブルはどれにしよ。
読了日:02月02日 著者:アガサ・クリスティー
https://bookmeter.com/books/548114

■人面瘡探偵 (小学館文庫 な 33-2)
七里作品はどれも読みたいけれど、これだけは手を出せないままでした。なぜなら人面瘡と聞くと、子どもの頃に読んだ楳図かずおの漫画『怪』に収録されている1篇を思い出すから。ものすごく不気味で、本作の表紙を見てもそのときの怖さが思い出されて躊躇してしまい。しかし読んでみればこの人面瘡ジンさんは怖くない(笑)。それどころか、ひとりではボケボケのヒョーロクを、人から一目置かれる存在にしてくれる。ジンさんとヒョーロクの関係はもちろんのこと、刑事の藤代とのやりとりも楽しくて、続編にも期待が高まります。表紙は見ませんけど。
読了日:02月06日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/19147847

■サンセット・サンライズ (講談社文庫 に 29-15)
今年はすでに2度、シネコンで客が私ひとりだったことがありまして、うち1本は『グランメゾン・パリ』、もう1本が本作でした。いま振り返っても大好きな作品で、どうして客入りがよくなかったのかわかりません。遅まきながら原作も読むとやっぱりイイ。菅田将暉井上真央はピッタリで、中村雅俊演じる父親は原作より映画版のほうが愛想よし。小日向文世演じる社長は原作のほうが爺さんだけど仕事ができる人。原作ではあっさり結婚するのかとちょっとビックリ。映画版のエンディングはずいぶんと考えられたものなのでしょうね。どちらも好きです。
読了日:02月10日 著者:楡 周平
https://bookmeter.com/books/22098845

■闇祓 (角川文庫)
まさか辻村深月の著作の中で“大島てる”のサイトらしきものに出会うとは。嫌な人が出てくるオムニバス短編かと思いきや、最初から最後まできっちり繋がっています。同じ姓なのに違う人が次から次へ出てくるのはなぜだと思ったらそういうことでしたか。「補充する家族」が怖すぎてゾゾーッ。著者初のホラーミステリとのことだけど、満を持してというだけあって面白かった。500頁弱でも進む進む。途中でやめたら補充対象にされそうなんだもの。「私もなの」と言う人には気をつけよ。関西人としては「どこがやねん」と言ってしまいそうです(笑)。
読了日:02月14日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/21918222

■団地のふたり (双葉文庫 ふ 22-05)
最近、真梨幸子の『極限団地』や辻村深月の『闇祓』を読んだせいで、団地のイメージが酷く暗い。それを吹き飛ばしてくれる1冊でした。ドラマは未見のため、どちらが奈津子でどちらがノエチか考えながら読みましたが、読了してから調べてビックリ、私のイメージは逆だったから。映画好きとしてはちらほら出てくるそんな話がより楽しくしてくれます。『ブリングリング』はあんまり好きじゃなかったなぁとか。「しげる」という名前が出てきただけで、何の関係もないのに頭の中で『愛のメモリー』が回り出して困りました。疲れた心を癒やしてくれる本。
読了日:02月17日 著者:藤野 千夜
https://bookmeter.com/books/21984677

■人面島 (小学館文庫 な 33-3)
前作とほぼ同じ設定じゃあないか(笑)。舞台が人里離れた土地であることも、莫大な遺産の相続人がひとりまたひとりと殺されて行くところも何もかも。『ダイ・ハード』など人気映画シリーズって、キャストさえ変えればなんぼでも作れると聞いたことがありますが、小説だってそうかもしれないと思ってしまいました。アホくさと思いつつも七里作品ならば読んでしまうのですけれども。ジンさんが実はアレだということは、ヒョーロクってボケボケに見えてホントは超かしこいのかどっち!? まぁ、ふたりでひとり、ニコイチの完全無欠ということで。
読了日:02月24日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/22270036

■ドライブインまほろば (双葉文庫)
この著者が紡ぐのはたいていは暗い物語で、めげそうになるぐらい重いときもあるけれど、最後に必ずひと筋の光が見えます。だから、著者が「救いはあろうがなかろうが気にならない」と言っていると知って驚きました。「救いがないならないできっちり書くべき」というのは確かにそう。安易なハッピーエンドに走らず、でも主人公たちのことを放り出したりはしないから、この人生に惹きつけられます。こんな子どもに「生きていてひとつもいいことなんかなかった」なんて言わせちゃいけない。生きるのに理由は要らないとしても、生きたいと思ってほしい。
読了日:02月25日 著者:遠田 潤子
https://bookmeter.com/books/19051603

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2025年1月に読んだ本

2025年02月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2025年1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2704ページ
ナイス数:963ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2025/1

■私にふさわしいホテル (新潮文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】のっけから余談ですが、昨年は映画館で380本鑑賞しました。過去最高は340本足らずだったので自分でも驚く。2025年最初の映画鑑賞はこれ。原作を読んでから8年近く経っているので自身の感想を読み返す。映画版では実在の作家の名前を挙げるわけには行かなかったでしょうし、私の中では主演のイメージがのんとは違ったこともあり、まったく異なるエンタメとして楽しみました。原作にあったように「執念とハッタリ」を利かせている作家は今いかほどいるかしら。今年は400本鑑賞を目指します。
読了日:01月02日 著者:柚木 麻子
https://bookmeter.com/books/9997361

■鎮魂 (双葉文庫 そ 05-01)
『正体』の余韻をひきずったままの新年1冊目。没入しつつも『正体』の読み応えには敵わないと思っていたのに、あの人があの人だとわかってからは平常心でいられなくなりました。復讐は誰も幸せにしないとは思う。だけど吹っ飛ぶ前のあの人の表情を想像すれば、復讐を成し遂げることでしか心が救われることはなかったとも思う。こんな奴らはみんな死んでしまえばいいと思う一方で、あの人と刑務所で面会した彼の様子に、改心や更生する場合ももしかしたらあるのではと思うのでした。もっとも彼はもう生きることに執着がないけれど。なんだか切ない。
読了日:01月04日 著者:染井 為人
https://bookmeter.com/books/21888001

■汝、星のごとく
読み始めてすぐに太田裕美の『木綿のハンカチーフ』の短調版だと思いました。歳がバレますけど(笑)。都会に行って稼ぐようになった彼。地元に残った彼女は彼と会える日を心待ちにしていたのに、彼はどんどん変わってゆく。ただ、おそらくあの歌の主人公たちはこんな複雑な家庭環境で育ったわけではないでしょう。17歳から32歳にかけて、人生はいろんなことが起きる。永遠に続くと思っていた恋もそうは行かないけれど、巡り巡ってこうなるのであれば、きっと生涯を閉じるときに思い出す大切な日々になる。互助会が必要な人、いっぱいいるはず。
読了日:01月07日 著者:凪良 ゆう
https://bookmeter.com/books/19974694

■歌舞伎座の怪紳士 (徳間文庫)
私の劇場通いは主としてなんばグランド花月と祇園花月なのですが、この本を読むと、どちらも至近距離にある大阪松竹座と南座をスルーしとったらアカンやん私、と思うのでした。歌舞伎に限らず伝統芸能は決してとっつきにくいものではないということがわかるし、ミステリー要素もあって読みやすい。難しいという先入観を持たずに何でも観てみることで世界が広がるのだなぁと思えます。鬱々とした毎日を送っているときは新しいものに目が向かなかったりするけれど、そういうときこそ試し時かも。そもそも私が花月通いを始めたきっかけもそうですから。
読了日:01月10日 著者:近藤史恵
https://bookmeter.com/books/19320918

■DOLL 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花 (角川ホラー文庫)
どんどん好きになっているシリーズです。最初の頃は、少なくない読者に「性格に難あり」として評判イマイチだった“よろず建物因縁帳”の春菜よりも、私はこっちの清花のほうが苦手でしたが、今はひたすら応援したくなっています。それもこれも可愛い桃ちゃんがいるからか。博物館に勤務しているゆえ、田の神さんは標本資料にあります。でもこんなだとは知らなかった。土井さんのイチイチ「~」が入る喋り方にうんざりしていたのに、慣れました(笑)。土着の風習というのは全く以て面白い。けれど、安易に触れてはいけないものだという気もします。
読了日:01月14日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/22298096

■少女たちは夜歩く (実業之日本社文庫)
ホラーミステリーの連作短編だとこんなふうになるのかと感心しきり。読みはじめたときはたいして怖くないと思っていたのに、主人公が変わるたびにこれが誰だったのかを確かめようと、前の話に戻ってはゾッとする。最後の一文まで、前話までに登場した誰なのかがわからない場合もあって、気づいたときには戦慄。城山の周辺に住む人々に降りかかる悲劇は途切れることなくすべて繋がっているのでした。不気味だけど鮮やかで、お見事と言いたくなります。同著者の『入らずの森』といい、この人に「森」を書かせると面白い。私は絶対入りたくないけど。
読了日:01月17日 著者:宇佐美 まこと
https://bookmeter.com/books/18068608

■星を編む
読後の余韻をいまだに引きずっている『汝、星のごとく』。続編の本作を読んで、北原先生の過去、櫂を支えた編集者たち、そして北原先生と暁海の生き様にこうして触れられてよかったという思いしか起きません。特に北原と暁海、ふたりの生涯を読者に見守らせてくれた、そんな感じでしょうか。これも余韻に浸るのみ。自分よりも上の年齢の人物の心情を細やかに描写できる作家って凄いといつも思う。不満な点を挙げるとすれば、重版続きで櫂のオカンがウハウハだろうということ(笑)。それすら櫂は空の上で苦笑いしつつも喜んでいるのかもしれません。
読了日:01月21日 著者:凪良 ゆう
https://bookmeter.com/books/21605269

■つちはんみょう
舘野さんが語り描く虫は限りなく美しい。この世に生を受けても生きられる時間はごく短い。たった4日間の生涯。一緒に生まれたきょうだいがいるだろうに、その4日間さえ生きていられないかもしれないから、生き延びるためにすぐに離ればなれになって、ほかの虫たちの体に必死でつかまりながら飛んでゆく。虫が得意とは言えない私でも、そんなことを聞かされると切なくなります。私たち人間の人生の縮図なのかなという気もして。余談ですが、映画『嗤う蟲』を観た直後だったから、虫の描写が凄すぎるよ舘野さん、とより思いました。
読了日:01月28日 著者:舘野 鴻
https://bookmeter.com/books/10771110

■お梅は次こそ呪いたい (祥伝社文庫 ふ 12-3)
お梅は首から上と下、別々に動くことができるようになりました。拾い手一家の鞄の中に潜り込み、行く先々で瘴気をばらまく機会に恵まれたというのに、それでも呪い殺せない。もうどうにも憎めません。第1弾で読者からあったとおぼしきツッコミに対する言い訳にはふきだしてしまい、電車の中で私はとっても怪しい人に。恋患いの章では頁を書き出しての解説に笑う。読了前に映画館へ行ったら、6月公開の矢口史靖監督作品『ドールハウス』の予告編がかかり、これはきっとお梅の呪いだと思いました。でも幸運の人形だもの、君に私は殺せない(笑)。
読了日:01月30日 著者:藤崎 翔
https://bookmeter.com/books/22354177

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2024年12月に読んだ本

2025年01月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年12月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1704ページ
ナイス数:689ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/12

■正体 (光文社文庫 そ 4-1)
読了してから映画版を観に行くはずが間に合わず、半分ほど読んだところで鑑賞しました。620頁弱の本作の登場人物を上手く組み合わせた映画化でした。原作よりもさらに時代が新しく、映画版では動画の中継によって真相が明らかになります。いとも簡単に冤罪を作る警察。面会に来た又貫から「なぜ逃げたか」と問われたときの鏑木の答え。涙がこぼれました。原作では鏑木は殺されてしまうけれど、生きて戦う映画版のほうがより感動的ではあります。現実には前者になる可能性のほうが高いと思うと悲しい。というわけでほぼ映画の感想ですみません。
読了日:12月02日 著者:染井為人
https://bookmeter.com/books/19195329

■ハンター・ハンター 憑依作家雨宮縁 (祥伝社文庫 な 25-5)
「慟哭の完結!」という帯の文字に気づかず読みはじめ、なんか続々と死んで行くよぉと思ったら終了か。思えばこのシリーズを読むきっかけとなったのは、最初に終わった“藤堂比奈子”と、もうじき終わりそうだった“よろず建物”のロスを回避するためでした。突如として再開された“坂口信”にはイマイチ惹かれないし、今のところは“ミカヅチ”“鳴瀬清花”でしのぎます。これよりも“堀北恵平”のほうが好きだったこともあり、終わっても特に感慨はないはずが、どういうわけか今はやっぱり寂しい。憑依作家はきっとどこかで生きていますよね!?
読了日:12月11日 著者:内藤了
https://bookmeter.com/books/22011836

■怖ガラセ屋サン (幻冬舎文庫 さ 48-1)
私が子どもの頃に聞いた都市伝説で覚えているものといえば、すぐに思い浮かぶのはやはり口裂け女。あんなの絶対ウソだとわかるから今は笑ってしまうけど、本作に収録されている中にはホントにありそうな話も登場します。特に昔だれかをいじめた過去があるなんて人は、見えないものが見えてしまうこともあるのでは。その点、幼稚園のときにいじめられっ子側だった私は大丈夫か!? そのことは何十年経とうが決して忘れませんし、もしもあのいじめっ子ふたりが現在も元気でいるならば、今からでも「怖がらせ屋さん」に頼みたいぐらいです。(^^;
読了日:12月13日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/22087440

■たまごの旅人 (実業之日本社文庫)
近藤さんでしょ、「たまご」でしょ、表紙にはクロワッサンでしょ。てっきり卵料理が並ぶ話かと思ったら、「旅人」のほうでした。私自身は観光地にほぼ興味がなくて、どこかへ行っても同じ宿に連泊、出かけるのは近所のスーパーやモールぐらい。ボーッと本を読んで、美味しいものを食べるだけという旅が好きです。本作を読んで尚更思う、私にはツアーに参加するのは無理なのはもちろんのこと、添乗員は絶対にできそうにない。客のわがまま、聞けません(^^;。だけどこんなふうに観光地を巡るのも悪くはないかなと思うのでした。添乗員さん、凄い。
読了日:12月18日 著者:近藤 史恵
https://bookmeter.com/books/21918072

■超合理的!ミステリーの書き方 (幻冬舎新書 742)
映画でも本でも説教くさい作品は苦手です。本書を読んで、そっか、それで七里センセの本は説教臭がないんだわと合点がいきました。トリックを決めずに書き始めるとか、プロットがまとまったときにはタイトルも決まっているとか、もう目からウロコぼろぼろ。作家になりたいと思っている人は作家になれないものだとのこと。だけど本書はやはり作家を目指す人の参考になるのでは。応募先は賞金で決めろとは生々しい(笑)。健康に自信がおありのようで。あれれと言われないように、絶対倒れないでくださいね。とりあえずトマトジュースは買ってきたぞ。
読了日:12月22日 著者:中山七里
https://bookmeter.com/books/22165471

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2024年11月に読んだ本

2024年12月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年11月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2162ページ
ナイス数:640ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/11

■怖の日常 (角川ホラー文庫)
私自身は霊感皆無だし、怪異に遭遇した経験もありませんが、虫の知らせなどはあるかもしれないと思っています。勤務先が博物館で、研究者が「憑く」ものをわざわざ持ち帰っているような場所ですから、それなりに話も聴きます。私が休暇を取っていた日に収蔵庫で私の足音が聞こえたと翌日聞き、「そういえば私、一昨日収蔵庫のゴミ箱に古い上履きを捨てたで」と笑い話にしたら、怪談を集めている研究者がそれを自著に書いた、読んだらそれなりに怖い話になっていたなんてことも。元を辿れば「怖」ではなかった話をいかに怖い話にするかは作家の技か。
読了日:11月03日 著者:福澤 徹三
https://bookmeter.com/books/11055512

■スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作を読んでから4年半以上経っているので内容を覚えておらず、公開になったばかりの『スマホを落としただけなのに 最終章』は映画オリジナルなのだと思い込んでいました。エンドロールに至って、あらま、これの映画化だったのね、こんなだったっけと記憶を探る。改めて当時の自分の感想を読み返すと、「あの人はまだ生きているようだから続編あるだろう」と書いているではないですか。映画版はホントにこれで終わりだと思われます。だってあの人、あんなことになっているし。歪だけどハッピーエンド。
読了日:11月04日 著者:志駕 晃
https://bookmeter.com/books/14954268

■青屍 警視庁異能処理班ミカヅチ (講談社タイガ ナ-B 16)
アイアンメイデンを聴きながら読みました(笑)。しかしお恥ずかしながら知らなかったのです、その名の由来を。「鉄の処女」って何やろと思ってはいましたが、世にも恐ろしい拷問具の名前だったとは。こんなものをバンド名に採用したら、そりゃヘヴィメタは有害視されますよねぇ、私はメタル好きだけど。これ1冊で拷問具にかなり詳しくなったような。そんなことよりもミカヅチ班の結束力が高まっているのが嬉しい。赤バッジを心配する広目の様子には涙が出ます。死霊にも尊厳あり。いつもいたって軽いのに、きちんと敬意を払う三婆ズを見習いたい。
読了日:11月05日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/22150581

■うんこ虫を追え (たくさんのふしぎ傑作集)
ドキュメンタリー映画『うんこと死体の復権』を観て著者を知りました。う◯ことゲロネタが出てくる映画は苦手なんですが、なんとなくこれは劇場に足を運んでしまい、最後列に座ってう◯こは直視しないようにして鑑賞。う◯こを好物とするオオセンチコガネはその生態が謎であることに興味を惹かれた舘野さん、オオセンチコガネを飼って詳細を記す。虫の絵で知られる人ですが、人間を描いてもすごく良い。腰に手を当てて首をひねるオッサンの後ろ姿には笑った。牛糞使用でよかったと思ったらやっぱり俺糞かよ。しかも結局う◯こに限らんてか。(^^;
読了日:11月07日 著者:舘野 鴻
https://bookmeter.com/books/21872250

■下町ロケット ガウディ計画 (小学館文庫)
『空飛ぶタイヤ』を読んだとき、登場人物たちの置かれた状況に思いを馳せて、これほど頭に血がのぼった本が今まであっただろうかと考えたのを思い出します。『下町ロケット』はそれに比べるとほんの少しだけ「血ののぼり度」が下がるものの、憤ったり悲しんだり喜んだりしてやっぱり忙しい。商いの根本はいつの時代になろうが同じ。正直に誠実に仕事をしていればいつか実を結ぶと信じたい。『みをつくし料理帖』や『あきない世傳』にも通じるものがあります。WOWOW版で観ていた私としては、佃社長は三上博史なんですけどね。白熱の読書時間。
読了日:11月17日 著者:池井戸 潤
https://bookmeter.com/books/12914818

■最新版 関西人の常識vs関東人の常識: ラブホのご休憩、関西は「1時間」で関東は「3時間」! (KAWADE夢文庫 1169)
生まれついての関西人です。小見出しを見たとき、関西人に喧嘩を売っているのかと思いました。誰でも何でもそうでしょうけれど、一括りにされるとかなりイラッ。特に「関西人の習性」。ケチやなぁと言われてダメージ受けないなんてあり得ない。ケチもしぶちんも同じこと。よく「百貨店でも値切る大阪人」とも言われますが、誰がデパートで値切るかいなと思っています。値切られるという前提がある店かどうかを読まないと。あと、「すいまへん」とは言いません。それを言うなら「すいません」か「すんまへん」。やすともの漫才を聞いて鬱憤を晴らす。
読了日:11月18日 著者:
https://bookmeter.com/books/18056611

■六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】1年以上前に読んだ本の内容をなんとなくは覚えているけれど、オチの流れはほぼ忘れていました。波多野くんが犯人ではなかったということと彼が他界したということ、読後感は悪くなかったということぐらいは覚えていて、結果的にその程度の記憶で観るのがちょうどよかったと思います。嶌さんの闇を暴く封筒の中身は映画版では明かされないままだから、原作はどうなのかと気になる人は多いはず。上手い誘導かもしれない(笑)。バブル期に学生だった者としてはこんな就活はやっぱりムリ。お疲れさまです。
読了日:11月24日 著者:浅倉 秋成
https://bookmeter.com/books/21091110

■侠飯10 懐ウマ赤羽レトロ篇 (文春文庫 ふ 35-14)
今回の主人公は売れないWebライター青年。オーナーが元ヤクザだという噂のゲストハウスに宿泊して、いつ取材を申し込もうかと思っていたら柳刃と火野登場。オーナーのことを「おじき」と呼んで慕うふたりを現役のヤクザだと勘違い。で、柳刃がつくる料理に魅入られる。ま、毎度のパターンに変わりはないのですが、だからこそ安心して読めます。しかし今回の事件は今まででいちばんハラハラしたような気も。裏社会に柳刃と火野の正体が広まりつつあるとのくだりがあり、そろそろこのシリーズも終焉を迎えそうで寂しい。だけど、人生に詰みはない。
読了日:11月28日 著者:福澤 徹三
https://bookmeter.com/books/22124735

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2024年10月に読んだ本

2024年11月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年10月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1543ページ
ナイス数:907ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/10

■しでむし
先月、大阪・十三の映画館で『うんこと死体の復権』を観て舘野鴻さんのことを知りました。とても有名な絵本作家でいらっしゃるのに、今まで存じ上げずすみません。映画のメインはどちらかといえば野糞をするために山を買ったという「糞土師」の伊沢正名さんですが、舘野さんが絵本作家として食べてゆくことを考えたときに動物の死体につく虫を対象に選んだ話を聞くと、生きるために死にまつわるものを描いているんだなぁとしみじみ思う。死出虫を如何に美しく描くか。舘野さんの言葉どおり美しい。映像で観たばかりの肉だんご、この絵のまんまです。
読了日:10月01日 著者:舘野 鴻
https://bookmeter.com/books/159048

■社員食堂に三つ星を (角川文庫)
何年か前にどハマりして大人買いをした作家です。相変わらず落ち着くし、何よりもこの作家の話には元気を貰えます。管理栄養士の主人公みなほが理不尽に田舎の家具メーカーの社員食堂に飛ばされる。その先には誰も楯突けないお局パート調理員がいて、みなほ以前に着任した栄養士はみんな耐えきれずに退職。だからこそ自分は絶対に辞めたくない。根っから意地悪な人も世の中にはいるでしょうが、よく知ってみればいい人というのが本の中。懐かしのアヒルバスが出てくるのも嬉しい。擬人化されたミゼット2にはちょっと引くけれど。瀬里奈ちゃん推し。
読了日:10月07日 著者:山本 幸久
https://bookmeter.com/books/22115961

■幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下) (ハルキ文庫 た 19-32)
ついにホントの最終巻。気になるのはなんと言っても結がその後どうしていたのかということでしょう。いけずな私は、最終巻で結と幸が涙のうちに仲直りなんてことは望んでいませんでした。そんな結末をもしも迎えるのなら白々しくて冷めてまうがなと思っていたら、結が我が娘にできすぎた姉の姿を見るとは。幸はいったい何度結婚して、相手の生死を問わないとしても何度別れるのだろうと最初の頃は唖然としていましたけれど、今となってはどの出会いと別れも必要だったと思えます。『みをつくし料理帖』も『あきない世傳』も忘れ得ぬ話となりました。
読了日:10月09日 著者:髙田 郁
https://bookmeter.com/books/21715990

■すみせごの贄 (角川ホラー文庫)
出たら直ちに読みたいシリーズなのに、半年以上も出版に気づかなかったとは不覚。気持ち悪くないですか、この表紙の絵。粒々ぶつぶつ、それだけで怖さが増すよと思いながら頁を開く。もとはホラーが苦手な私にはちょうど良いおぞましさで、時には切なくもある澤村さんの話が好きです。本作では特に「火曜夕方の客」が悲しくて、ネグレクトを受けていた子どもたちのことを思うと居たたまれず。「たなわれしょうき」を読み終わった直後に「鍾馗」という名前のラーメン屋の前を通り、その偶然にちょっとドキッとしました。そろそろ長編をお願いしたい。
読了日:10月15日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/21813562

■作家ごはん (講談社文庫 ふ 87-3)
てっきりエッセイだと思っていたら、めっちゃ小説でした。“侠飯”シリーズのファンならば誰でも好きになりそう。もう何年も新作を書いていないベテラン作家とその担当となった新米編集者、そして2作目を書けずにいる新人作家。ベテラン作家に焦る様子は皆無で、毎度旨い料理と酒で一杯やることに。確かに食事はいくらでも簡素にできるものだし、読書はしなくたって生きられる。だけど、そういった無駄こそが人生を楽しくするのですよね、竹林先生。本作に登場する商品どれも実際に入手可能なのが嬉しい。全品そろえて作ってみます。いざ、宴会だ♪
読了日:10月21日 著者:福澤 徹三
https://bookmeter.com/books/18807933

■嗤う淑女 二人 (実業之日本社文庫)
ひとりを死に追いやる程度では面白みを感じなくなったとおぼしき彼女。ついには大量殺人の決行ですと。しかも自分ではあくまで手を下さず、彼女の言いなりになって動く人間を見つけるのだからさすがです。七里センセの他作品に登場する面々があちこちに見えて楽しすぎる。御子柴弁護士ってこんなに饒舌だったかしらと思ったりも。美智留はこの先もまだまだ死にそうにないですから、続編があるのでしょうね。そろそろ裏で糸を引くところばかりではなくて、第1弾のように彼女自身の姿ももっと見たいような気もします。見えないから良いのでしょうか。
読了日:10月24日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/21970140

■【単話】ファミレス行こ。 第2話 (ビームコミックス)
今月は映画館で40本観ました。で、映画にばかり時間を注ぎ込んでいたら、ちぃとも本を読む時間がなくなって、冊数稼ぎに走る。これだって映画『カラオケ行こ!』からの流れですが、kindleに慣れていないせいでなんとなく選択を誤った模様。『ファミレス行こ!』の上巻は読んだけど、下巻はまだ出ていませんよね? そして0話からあるのは何ですか。0話と1話を飛ばして2話から入ってしまいました。どこから読んでも違和感がないのが逆に困りもの。遡るべきかどうか迷っている途中です。面白いけど。すぐ読めるけど。どうすりゃええのか。
読了日:10月29日 著者:和山 やま
https://bookmeter.com/books/21764921

■【単話】ファミレス行こ。 第3話 (ビームコミックス)
2話からそのまま3話へ突入したけれど、0話と1話はすっ飛ばしたままで今から遡るかどうか迷ったまんま。聡実が狂児にたまに使うタメ口を聞いてはニタッと笑ってしまいます。読みながらついつい映画『カラオケ行こ!』を思い出し、今は聡実くん役の齋藤潤くんを『室井慎次 敗れざる者』で見られることが嬉しい。彼が演じるタカとギバちゃん演じる室井さんの会話にしばしば目が潤む。って、この本の感想とちゃうやんか。すみません。
読了日:10月29日 著者:和山 やま
https://bookmeter.com/books/21764922

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