『天の茶助』
監督:SABU
出演:松山ケンイチ,大野いと,大杉漣,伊勢谷友介,田口浩正,玉城ティナ,
今野浩喜,オラキオ,RYO(ORANGE RANGE),寺島進他
毎度のごとく土曜日の晩に飲み過ぎて二日酔い気味。
しかし酔っぱらう前に日曜日の8:50の回を予約。
予約しておけば、とにかく起きて這ってでも劇場へ向かいますから。
だけどこの疲れた体にはなんば駅から遠いぜ、なんばパークスシネマ。
どんな作品を撮ろうとも、私がどうしても憎めない監督ふたり。
ひとりが三池崇史監督、そしてもうひとりがSABU監督です。
ちょっと久しぶりな気がすると思ったら『うさぎドロップ』(2011)以来。
それで気に入ったのか、今回も松山ケンイチを主役に起用して。
空の上の世界、すなわち天界で茶番頭を務める茶助(松山ケンイチ)。
彼の役目は「脚本家」にひたすら茶を配ること。
脚本家とは、下界の人間の人生のシナリオを書く者。
天界には実に多くの脚本家がいて、それぞれに担当する人間がいる。
脚本家たちは人間ひとりひとりのシナリオを書き続けているのだ。
ある日、平凡すぎる脚本に斬新さを求める脚本家からアイデアを求められた茶助は、
その場しのぎに適当なことを言ってしまう。
それを真に受けた脚本家がもとの脚本を書き換えたところ、
茶助がずっと気にかけていた口のきけない女性・ユリ(大野いと)の身に不幸が起こる。
ユリの人生を担当していた別の脚本家からの依頼で、茶助は下界へ。
なんとかユリを救おうとする茶助のため、
ほかの脚本家たちもそれぞれの脚本に手を入れて援護する。
まずは下界に叩き付けられた茶助の前に種田(大杉漣)という男が登場。
なぜか茶助を放っておけないのだと言って世話を申し出る。
種田が連れて行ってくれたラーメン屋の店主・彦村(伊勢谷友介)も
わざわざ店を閉めて茶助の後を追いかけてくる。
ふたりの援護もあって、茶助はユリを救えたかに見えたのだが……。
白装束の脚本家たちがザザーッと並んで筆で脚本を書くシーンはなかなか壮観。
原作はSABU監督自身でアイデア抜群、掴みはバッチリに思えたのですけれども。
いちいち説明が長いんです。
ずっと天界から下界を見てきた茶助は、下界の人間のことをよく知っています。
こいつは脚本家の誰某が担当する誰某で、どんな人生を送ってきた人間かということを
茶助のナレーションによって延々と説明。もうええっちゅうねんというほど。
それでも笑ってしまったのは、とにかく主人公を走らせてきたSABU監督、
今回も松山ケンイチをそこそこ走らせます。
それと、ヤクザの親分役で登場するのはSABU監督作品の常連である寺島進。
『POSTMAN BLUES ポストマン・ブルース』(1997)は
そうとは知らずにヤクザの指を運ばされるはめになる郵便局員の話でしたが、
本作では寺島進の指がスパスパ飛ぶ飛ぶ。
SABU監督のファンであれば、こうした過去の作品を思い出してちょこちょこ笑えることでしょう。
下界の人間たちの病を治して天使様と崇められるようになる茶助。
病人が次々と茶助のもとを訪れて、とにかく我先に診てもらおうと必死になります。
感謝の気持ちはどこへやら、次第に茶助に怒りはじめる人間の姿が恐ろしい。
そういう人間のどす黒い部分を重くなりすぎずに上手く描いてはいるけれど、
笑えないギャグも多くて、SABU監督のことがちょっと心配。
また切れ味のいい作品を撮ってくれるよう、今後に期待します。
人間の心の持ちようが良ければ、天界の脚本家たちはその人間の人生をよりよきものにしようとする。
運命なんてくそくらえ。
監督:SABU
出演:松山ケンイチ,大野いと,大杉漣,伊勢谷友介,田口浩正,玉城ティナ,
今野浩喜,オラキオ,RYO(ORANGE RANGE),寺島進他
毎度のごとく土曜日の晩に飲み過ぎて二日酔い気味。
しかし酔っぱらう前に日曜日の8:50の回を予約。
予約しておけば、とにかく起きて這ってでも劇場へ向かいますから。
だけどこの疲れた体にはなんば駅から遠いぜ、なんばパークスシネマ。
どんな作品を撮ろうとも、私がどうしても憎めない監督ふたり。
ひとりが三池崇史監督、そしてもうひとりがSABU監督です。
ちょっと久しぶりな気がすると思ったら『うさぎドロップ』(2011)以来。
それで気に入ったのか、今回も松山ケンイチを主役に起用して。
空の上の世界、すなわち天界で茶番頭を務める茶助(松山ケンイチ)。
彼の役目は「脚本家」にひたすら茶を配ること。
脚本家とは、下界の人間の人生のシナリオを書く者。
天界には実に多くの脚本家がいて、それぞれに担当する人間がいる。
脚本家たちは人間ひとりひとりのシナリオを書き続けているのだ。
ある日、平凡すぎる脚本に斬新さを求める脚本家からアイデアを求められた茶助は、
その場しのぎに適当なことを言ってしまう。
それを真に受けた脚本家がもとの脚本を書き換えたところ、
茶助がずっと気にかけていた口のきけない女性・ユリ(大野いと)の身に不幸が起こる。
ユリの人生を担当していた別の脚本家からの依頼で、茶助は下界へ。
なんとかユリを救おうとする茶助のため、
ほかの脚本家たちもそれぞれの脚本に手を入れて援護する。
まずは下界に叩き付けられた茶助の前に種田(大杉漣)という男が登場。
なぜか茶助を放っておけないのだと言って世話を申し出る。
種田が連れて行ってくれたラーメン屋の店主・彦村(伊勢谷友介)も
わざわざ店を閉めて茶助の後を追いかけてくる。
ふたりの援護もあって、茶助はユリを救えたかに見えたのだが……。
白装束の脚本家たちがザザーッと並んで筆で脚本を書くシーンはなかなか壮観。
原作はSABU監督自身でアイデア抜群、掴みはバッチリに思えたのですけれども。
いちいち説明が長いんです。
ずっと天界から下界を見てきた茶助は、下界の人間のことをよく知っています。
こいつは脚本家の誰某が担当する誰某で、どんな人生を送ってきた人間かということを
茶助のナレーションによって延々と説明。もうええっちゅうねんというほど。
それでも笑ってしまったのは、とにかく主人公を走らせてきたSABU監督、
今回も松山ケンイチをそこそこ走らせます。
それと、ヤクザの親分役で登場するのはSABU監督作品の常連である寺島進。
『POSTMAN BLUES ポストマン・ブルース』(1997)は
そうとは知らずにヤクザの指を運ばされるはめになる郵便局員の話でしたが、
本作では寺島進の指がスパスパ飛ぶ飛ぶ。
SABU監督のファンであれば、こうした過去の作品を思い出してちょこちょこ笑えることでしょう。
下界の人間たちの病を治して天使様と崇められるようになる茶助。
病人が次々と茶助のもとを訪れて、とにかく我先に診てもらおうと必死になります。
感謝の気持ちはどこへやら、次第に茶助に怒りはじめる人間の姿が恐ろしい。
そういう人間のどす黒い部分を重くなりすぎずに上手く描いてはいるけれど、
笑えないギャグも多くて、SABU監督のことがちょっと心配。
また切れ味のいい作品を撮ってくれるよう、今後に期待します。
人間の心の持ちようが良ければ、天界の脚本家たちはその人間の人生をよりよきものにしようとする。
運命なんてくそくらえ。