夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2024年12月29日 | 映画(な行)
《な》
『何がなんでも!遺産でリッチ』(原題:Ricchi a Tutti i Costi)
2024年のイタリア作品。Netflixにて配信。
高校時代の同窓会に出席したアンナは、40年前の当時に恋人だったヌンツィオと再会。
劇場を所有するヌンツィオは、アンナの母親で女優のジュリアナを紹介してほしいと言う。
高齢のジュリアナにはとんと仕事の話などなかったから喜ぶに違いない。
ヌンツィオに感謝するアンナだったが、ある日、ジュリアナから家族に召集がかかり、赴いてビックリ。
アンナと夫カルロ、息子エミリオ、娘アレッサンドラの4人共、てっきり遺産相続の話だと思っていたのに、
ジュリアナは恋人ができたので結婚すると言う。しかもその相手は30歳以上も下のヌンツィオ。
遺産が狙われていると考えたアンナたちは、挙式のために訪れるスペインでヌンツィオを殺す計画を立てて……。
600万ユーロ(約9億5千万円)もの金を持っている婆ちゃんが死ぬのをみんな待っているのに、
その婆ちゃんがうんと年下のいかにも遊び人の男を連れてきたらどうしますか。
家族が今までにないくらい一致団結して殺害の計画を練る様子はあんまり笑えない。
結局、婆ちゃんは何もかもわかっていて、アンナにだけは打ち明ける。
ヌンツィオとの生活を始める前に600万ユーロはすべてアンナの口座に移すこと。
それをヌンツィオには言わずにおけば、彼は金目当てにジュリアナのそばに居続ける。
余生を楽しみたいからこうするのよと。
アンナは夫や子どもたちにもこの事実を伏せたままエンドロールへ。
さて、この先どうなるでしょうね。
お金を持ちすぎるのも考えものだなぁ。ちょうどいいのはいくらぐらい?
 
《に》
『日本で一番恐くない間取り』
2023年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
自殺や他殺、孤独死により、国内の物件のほとんどが事故物件になった近未来。
日本で唯一の「無事故物件」となった部屋の住人・山田(大坂健太)のもとへ、
さまざまなメディアがインタビューに訪れて山田は大迷惑。
職場にもひっきりなしに人が押しかけるせいで山田はクビになり、フリーターに。
そんな山田の部屋で金を儲けようとする不動産屋・根津(ヤマダユウスケ)は、
亡き夫の幽霊に怯える大富豪・富良野(広山詞葉)に売りつけることを思いつく。
家賃10万円で入居中の山田に退去費用として2,100万円を提示し、この部屋をオークションに出せば20億円で売れる。
しかし根津の思惑に気づいた山田は頑として退去しようとしない。
根津は社員の桧山(エアコンぶんぶんお姉さん)を使うなどして山田に嫌がらせを繰り返すのだが……。
唯一の無事故物件というのがいわゆる文化住宅の一室。
豪邸に住む富良野がこんな部屋に住めるのかどうかは疑問だけど、
世間はとにかく「誰も死んだことのない部屋」に住みたいと願うのですね。
バカバカしいと思いつつも、唯一の無事故物件の価値が高騰するという設定は面白い。
オチには意外な切なさもあり、ホントに意外。
鳴瀬聖人監督って知らなかったけど、『温泉しかばね芸者』(2018)も気になります。
 
《ぬ》
『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
これが長編商業デビュー作となる金子由里奈監督。脚本は実兄の金子鈴幸と共同で執筆。
父親の金子修介も映画監督という映画一家なんですね。
原作は大前粟生の同名小説で、立命館大学出身の金子監督が京都の大学を舞台に撮る。
七森剛志(細田佳央太)は入学した大学で麦戸美海子(駒井蓮)と出会って意気投合。
一緒に“ぬいぐるみサークル”なるものを見学に行く。
ぬいぐるみを作るサークルだとばかり思っていたが、実はぬいぐるみとしゃべるサークル。
誰かに聞いてほしい悩みや思いをぬいぐるみに向かってしゃべるのだ。
見学に来たものの、気味悪がってドン引きする新入生も多いらしいが、麦戸は肯定的。
かつて拾ったぬいぐるみを大切にしている七森も当然のごとく入部する。
ひとりでやってきた同じく新入生の白城ゆい(新谷ゆづみ)も入部を決めて……。
“ぬいサー”のルールは、それぞれがぬいぐるみに話している内容に聞き耳を立てないこと。
「男らしい」とか「女らしい」とか、恋愛感情についてもよくわからずにいた七森は、
高校時代に親しかった女性からコクられて振ってしまったことがトラウマ。
そんなことをつぶやいても咎められず、変だとも言われず、“ぬいサー”にいれば安心。
一方の白木はぬいぐるみにしゃべらない。自分がぬいぐるみになると思っています。
ゆるゆると進む「いい話」ではあるけれど、社会に出たときの彼らは心配。
 
《ね》
『ネルマ・コダマ:闇マネーの女王』(原題:Nelma Kodama: The Queen of Dirty Money)
2024年のブラジル作品。Netflixにて配信。
ブラジル人女性のネルマ・コダマと聞いたって私は初耳ですが、
南米史上最大の汚職事件と言われる“オペレーション・カー・ウォッシュ(洗車場作戦)”に関与したとされる闇ドル業者らしい。
闇ドル業者と聞いたところでまたまた私には何のことやらさっぱりわからないけれど、つまりは資金洗浄を請け負う人のようです。
歯科医の資格を持つネルマは経済的自由がほしい。
精肉業者の両親の会社で財務関係の仕事を受け持つうち、ドルを売れば儲かると知る。
社会的地位の高い人と知り合う機会に恵まれ、他人のお金を預かっては自分も儲けるように。
無類の靴好きで、1年間毎日ちがう靴を履けるほどの数を持っている。
また、車も7台所持していて日替わりで乗れるとドヤ顔。
宝石を身に着けない女性は裸でいるのも同然だと笑います。はい、そーですか。(^^;
驚くべきはこの事件で、議員やら判事やら、信じられない数の「偉い人」が関わっていて、金まみれ。
お金があるに越したことはないけれど、この人たち、じゅうぶんにお金持ちでしょうに。
ネルマが悪者にされたって全然同情はしませんが、男どもに上手く利用された感は否めません。
 
《の》
『NOCEBO/ノセボ』(原題:Nosebo)
2022年のアイルランド/イギリス/フィリピン/アメリカ作品。TSUYAYA DISCASにてレンタル。
子供服のデザイナーとして活躍するクリスティーン(エヴァ・グリーン)は、
ある日、ダニだらけの不潔で不気味きわまりない犬に襲いかかられる幻影を見る。
以降、手に震えが出るなど体調不良に見舞われ、キャリアは一旦ストップ。
そんなとき、フィリピン人の女性ダイアナ(チャイ・フォナシエ)が住み込みの家政婦としてやってくる。
雇った覚えはなかったが、物忘れの傾向もあるクリスティーンは、自分がいつのまにか約束したのだろうと納得。
夫のフェリックス(マーク・ストロング)は露骨に嫌な顔をし、一人娘のボブス(ビリー・ガズドン)もダイアナを無視。
しかし、超自然的な能力を持っているというダイアナから民間療法を施されると、クリスティーンの体調が明らかによくなる。
クリスティーンがダイアナに信頼を寄せる一方でフェリックスは不信感を募らせ、
学校では嫌われ者、両親にも不満を持つボブスはダイアナに心を開きはじめて……。
ダイアナの復讐劇であろうことは中盤に予測できますが、これがまた凄絶。
クリスティーンはかつてフィリピンの工場に子供服の縫製を注文していました。
安い給料で大量に頼むせいで、従業員たちは激務を強いられたうえに、
現地の人を信用していないクリスティーンは工場に鍵をかけて物を持ち出せないようにする。
ダイアナにはボブスと同じ年頃の娘がいたけれど、預ける場所も金もないから工場に連れてきていて、火事に遭ったという。
炎に包まれた娘を助けることができず、クリスティーンを激しく恨みます。
恨まれている当人は自分のせいで異国の縫製工場に災難が起きたことを覚えてもいない。
監督は『ビバリウム』(2019)のロルカン・フィネガン。不穏な空気を描くのが上手い。
虫が首にめり込むなど、相当不快なシーンがありますのでご注意を。

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『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』【前夜祭ライブビューイング上映】

2024年12月26日 | 映画(な行)
『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』
監督:藤森雅也
声の出演:高山みなみ,田中真弓,一龍斎貞友,関俊彦,大塚明夫,岡野浩介,
     間宮康弘,森久保祥太郎,代永翼,大西流星,藤原丈一郎他
 
公開日だった12月20日(金)の前日、舞台挨拶中継付きの上映がありました。
イオンシネマ茨木ではいつも1,100円で観られるのに、2,200円も払ってなぜ私はわざわざこんな回を観ているのか(笑)。
国民的人気らしいけど、一度も観たことがないんですよ、“忍たま乱太郎”。(^^;
 
何はともあれ、予約しちゃったんだから仕方がない。
舞台挨拶に登壇したのは藤森雅也監督と、乱太郎、きり丸、しんべヱ、土井先生の声を担当する5名と、
スペシャルゲストであるなにわ男子のメンバー、大西流星藤原丈一郎の2名。
私にとってお初の忍たまですが、舞台挨拶も含めてかなり楽しめました。
ちなみに原作者の尼子騒兵衛氏も当日MOVIX尼崎にて鑑賞されていたそうです。
 
忍術学園の生徒たちが慕う土井先生は、タソガレドキ忍者の諸泉尊奈門に果たし状を突きつけられ、
難なく勝利を収めたものの、その後、崖から滑落して川に落ちる。
土井先生が行方不明になったことを学園長をはじめとする学園関係者はひた隠しに。
 
土井先生の代わりに派遣されたのはタソガレドキの組頭・雑渡昆奈門。
そのあまりの厳しさに生徒たちは音を上げそうに。
一刻も早く土井先生に帰ってきてほしいと思っていた折、本当は土井先生の行方がわからず、
最悪の事態も考えられると大人たちが話しているのをきり丸が聞いてしまう。
 
その頃、ドクタケ忍者隊に冷徹な軍師・天鬼という者がいるという噂に、
土井先生がドクタケに捕らわれているのではと忍術学園側は推測し、様子を探ろうとする。
すると、天鬼こそが土井先生で、これまでの記憶をすっかり失っていることがわかり……。
 
初見でも話がわかりやすく、ついていけないどころかとても楽しい。
ただし、私は「忍たま」が何なのか知らなければ、乱太郎がどの子なのかも知らず。
しかも本作のメインはきり丸だから、どれが乱太郎なのよぉとずっと思っていました(笑)。
 
これは観たくなるアニメですねぇ。
って、そんな時間はとても作れそうにないんですが、一気に興味が湧きました。
土井先生も雑渡昆奈門も山田先生の息子もカッコイイじゃあないか!
 
しょっぱなの挨拶で大西くんの「歌わさせていただいて」という「さ入れ」を聞いたときはドテッとコケそうになったけど、
はい、観てよかったです。

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『ネットワーク』【町山智浩氏解説付き上映会】

2024年12月16日 | 映画(な行)
『ネットワーク』(原題:Network)
監督:シドニー・ルメット
出演:ウィリアム・ホールデン,フェイ・ダナウェイ,ピーター・フィンチ,ロバート・デュヴァル,
   ネッド・ビーティ,ウィリアム・プリンス,ビアトリス・ストレイト他
 
休日に会う約束をしていた友人から発熱したという連絡があってキャンセル。
んじゃあ映画とひとりごはんと決めて、まずは車でTOHOシネマズ西宮へ。
朝イチの時間帯、選択肢はいくつかあったのですが、
このさき観る機会がなさそうな本作を選択しました。“午前十時の映画祭”にて。
 
本編の前と後に映画評論家の町山智浩氏の解説映像があります。
これがとても面白くて、ほー、へーの連続でした。
 
1976年のアメリカ作品で、パディ・チャイエフスキーのオリジナル脚本シドニー・ルメット監督が映画化。
チャイエフスキーはそれまで主にTVドラマの制作を担当しており、
TV番組の裏側を描こうと脚本を温めていたところ、こんな作品ができたのだとか。
第49回アカデミー賞ではこれで脚本賞を受賞。
そのほか、主演男優賞をピーター・フィンチ、主演女優賞フェイ・ダナウェイ
わずか5分間の出演でビアトリス・ストレイトが助演女優賞を受賞しています。
ピーター・フィンチがノミネート直後に心不全で急死したことでも話題になりました。
 
大手ではあるけれど業界1位ではないテレビ局UBS。
報道番組で10年以上に渡ってキャスターを務めてきたハワード・ビル(ピーター・フィンチ)は、
視聴率の低下を理由に解雇されることが決まります。
ハワードの盟友で報道部長のマックス・シュマッチャー(ウィリアム・ホールデン)が気遣ったところで、
上層部の決定をくつがえすことはできません。だって実際視聴率を稼げないのだから。
 
おとなしく解雇を飲んだと思われたハワードですが、
その後の本番中に「来週この場で頭を撃ち抜いて自殺する」と宣言し、大騒動になります。
局には苦情の電話が殺到し、上層部は激怒。ハワードを即降板させるように言い渡します。
 
ところがハワードの自殺予告がメディアで採り上げられると凄まじい注目を浴び、
他番組のプロデューサー、ダイアナ・クリステンセン(フェイ・ダナウェイ)は
このチャンスを逃す手はないとUBSの大株主CCAの役員フランク・ハケット(ロバート・デュヴァル)に進言。
 
おかしなことを口走るようになったハワードは預言者として世間から信奉されるようになり、
ハワードの精神状態を心配するマックスは降ろされて、代わりにダイアナが番組を担当することに。
 
という話なのですが、本当に時代を予見していたような作品でいろいろとビックリ。
当時はまだ報道番組のバラエティ化などはなかったそうで、今はそんなのばっかりです。
 
ダイアナはテロリストに犯行現場をカメラに収めさせてそれで視聴率を稼ごうとする。
大衆は暴力を好まないと言う人がいても、映せば観る人がいっぱいいます。
 
本番中の自殺予告や強盗犯の実況映像などは実在の事件にヒントを得ているのですね。
また、『ジョーカー』(2019)をはじめとするさまざまな作品が本作にオマージュを捧げているとのこと。
私は何も知らなかったから、町山さんの解説を聴いて目からウロコでした。
 
それにしたって、マックスがダイアナに惹かれて不倫に走る理由がようわからん。
浮気して本気になって結局妻のところに戻るのもダイアナの脚本通りってか。
マックスの妻を演じるのがビアトリス・ストレイトで、5分間のまくし立ては確かに迫力があります。
妻にバレたわけでもないのに正直にダイアナのことを打ち明けると、
25年連れ添ってきた妻は「私に情熱を向けなくてもいいけれど、尊重はして」みたいなことを言うんですね。
浮気はしたとしても相方を尊重する。それは大事じゃないかなと思いました。
あ、これは作品の本筋からは離れた話か。(^^;

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『虹、結』

2024年12月11日 | 映画(な行)
『虹、結』
監督:大原誠弍
出演:髙木七海,海道力也,中野良美,鈴木タカラ,森由佳,小槙まこ,藍星良,春風亭昇太,
   市山貴章,米﨑亮,佐々木綾香,藤川学,藤川光代,仲田幸子,ひーぷー,TOMOKI他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
2022年に沖縄本土復帰50年を記念して製作されたのが『風が通り抜ける道』という作品。
本作はそのスピンオフに当たる作品なのだそうです。
客はもしかすると私ひとりかと思ったけれど、昔から沖縄絡みの作品はよく客が入っていて驚く。
沖縄の人は故郷をこよなく愛しているのだろうなぁといつも思います。
 
『風が通り抜ける道』を観る機会がなかったので、登場人物の人間関係も背景もまったく知らないまま鑑賞しました。
 
大阪市此花区の実家を出た月皐(つきさつき)(髙木七海)は東京でOLに。
上司(春風亭昇太)から言われた仕事はすべて完璧にこなし、同僚たち(森由佳&小槙まこ)の尻拭いもしてきた。
しかし自ら意見を述べることは皆無なせいで、向上心がないなどと言われている。
 
あるとき、同僚が手配した合コンの場に向かうと、相手はイケメンじゃないうえに金もなさそう。
同僚は用事ができたことにして即帰ろうと言い、それはあまりに失礼だと非難した皐は翌日同僚から嫌がらせを受ける。
上司も味方になってはくれず、理不尽に感じた皐は仕事を辞め、大阪へと帰る。
 
実家の前までは来たものの、厳しかった父親・幸蔵(海道力也)に会うのは怖い。
どうしたものかと迷って公園で佇んでいたところ、旧友・新垣香澄(佐々木綾香)に遭遇。
香澄の家に招かれた皐は、彼女の夫・将司(福地清)が沖縄出身だと知る。
 
香澄と将司に悩みを聴いてもらったのち、将司から沖縄の人の温かさを聞き、皐は沖縄へ行くことを決意して……。
 
こんなことを言うのは本当に申し訳ないのですが、ご当地ムービーにありがちなのは、
出演者に素人も多いから、なんとなく作品全体が素人くさくなる。
さらに、ヒロインよりも同僚たちのほうが美人だったりして、
なのにヒロインのことを別嬪だとか綺麗だとかもてはやす台詞はどうかと思うんです。
皐ちゃんの化粧は相当濃くて、そのまつげはどうなんだとも思いますしね。
 
父親の幸蔵はいったいなんの仕事をしている人なんですか。
龍模様のスカジャンどころか、ジーパンにも同じ模様が入っているし。
妻を亡くして娘をちゃんと育てなきゃいけない一心で厳しくしていたっぽいけれど、かなりモラハラ入ってます。(^^;
再婚相手の美里(中野良美)はとても優しくて良い人で、皐が彼女を初めて「お母さん」と呼ぶときは感動的だけど、
あんなに「ここで泣け」と言わんばかりの展開だと、私はちっとも泣けないんです。
 
たくさんの人がこの作品を撮るために参加して、苦労もしながら楽しんで、そこに連帯感が生まれる。
沖縄の素晴らしさは十二分に伝わってきますしね。
大正区に沖縄の店が多い理由も知ることができました。
 
観ますよ、ご当地ムービーを。これからも。

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『ノーヴィス』

2024年11月20日 | 映画(な行)
『ノーヴィス』(原題:The Novice)
監督:ローレン・ハダウェイ
出演:イザベル・ファーマン,エイミー・フォーサイス,ディロン,ジェニー・ロス,
   シャーロッテ・ウベン,ジョナサン・チェリー,ケイト・ドラモンド他
 
週初めの仕事帰りに梅田まで行くのはキツイのですが、
早いうちに観ておかないと上映が終わってしまいそう。
観たいでしょ、これ。だってイザベル・ファーマン主演ですよ。
『エスター』(2009)の衝撃から時が経ち、彼女は27歳になりました。
撮影当時はまだ10歳かそこらだったのではないでしょうか。
あんな役を演じてよくここまで成長したものです。
というわけで、彼女を見たくてテアトル梅田へ。
 
監督はハリウッド大作で音響を担当してきたローレン・ハダウェイ。
長編映画を撮るのはこれが初めてなのだそうです。
ハダウェイ監督自身が大学時代にボート部に所属していた体験を基にしているとのこと。
 
極めて優秀な成績で大学に合格したアレックス・ダルは物理を専攻。
最も苦手とする科目であるにもかかわらずわざわざそれを選び、
授業では納得いくまで解答を見直し、つきあわされる教員もほとほと困っている。
 
そんなアレックスが入部したのは女子ボート部。
友人のジェイミー・ブリルはスポーツ奨学金を獲得するためにボート部に入り、
コーチや先輩たちから早くも逸材と言われているのを聞いて焦る。
強迫観念に駆られたアレックスは、狂気を感じるほどの練習を始めて……。
 
同じボート競技の話でも、先日観たばかりの『がんばっていきまっしょい』とはエライ違い。
実はアレックスは大統領奨学金なるものをすでに得ているのに、
他人が褒められると絶対に負けたくない、相手を超えなければと思う。
けれどそれを露わにして相手にぶつけるわけではなくて、ひとりで黙々と訓練に励みます。
それはもう負けず嫌いなどというものを通り越し、自分を追い込んで傷つけているだけ。
 
雨天のもとでボートを漕ぐのは問題ないが、雷のもとでは絶対駄目。
そんなルールも無視して嵐の中を漕ぐアレックスの表情が凄まじい。
 
“エスター”のイメージが強すぎて、こんな狂気の女性を演じても普通に見えなくもない。
まだ30歳前の彼女が今後どんな女優になっていくのかちょっと楽しみです。

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