夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『恋愛終婚(レンアイオワコン)』

2024年10月31日 | 映画(ら行)
『恋愛終婚(レンアイオワコン)』
監督:岡本雄作
出演:秋月三佳,濱正悟,北原里英,芹澤興人,辻川慶治,吉澤メイ,野島健矢,粟森涼,
   秋山ゆずき,河野通晃,中川知香,鮎川桃果,松村清美他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『徒花 ADABANA』の次に。
 
岡元雄作監督の作品を観るのもお初です。
監督自らの婚活体験を通じて得た気づきを基に撮り上げた作品とのこと。
 
まもなく三十路に突入するOLの永田遥(秋月三佳)は良い相手を捕まえて早く結婚したい。
親友の天野美月(北原里英)に付き添ってもらって婚活パーティーに出向くと、同僚の桂木一輝(濱正悟)と遭遇。
およそ結婚に興味のなさそうな一輝がなぜこんなところにいるのかと問うと、「遊びに決まってる」。
一輝曰く、恋愛はオワコン=終わっているコンテンツで、結婚には不要。
恋愛を夢見てはいるものの、とにかく結婚できるならばと、遥は一輝にアドバイスを求める。
 
一方の美月は結婚に無関心。効率の良いパパ活でひたすら貯金してひとりで生きて行くのが夢。
ある日、彼女の盗撮を試みた武志(芹澤興人)を捕まえて金を要求。
マザコンの武志は母親のために結婚したいのだと言い、結婚相手を見つけられるように美月のレッスンを受けることに。
 
広告代理店に勤務する東大卒のマーケター、井上悠人(辻川慶治)は何でもリサーチ。
数字に現れる結果に基づけば、自分に最もふさわしい結婚相手が見つかると信じ、
それによれば同僚でお嬢様の三ツ峰麻衣(中川知香)が最適。
しかしアプローチの仕方がわからず迷っていたところ、女子高生の佐藤乃愛(吉澤メイ)が教えてくれることに。
 
役者の小泉広海(野島健矢)はゲイで、ライターの桂木匠(粟森涼)と同棲中。
幸せな日々を送っているが、一緒に暮らしはじめて1年になるというのに、匠が一切触れてこないのが悩み。
 
こんな4組の恋愛群像劇です。
 
匠と輝樹は兄弟だし、乃愛と広海は同じカフェのバイト仲間。
また、広海と麻衣は役者仲間で、広海は匠のことを麻衣に相談することも。
遙と婚活相手がデートに使ったり、美月が武志にレクチャーする場だったりするのが乃愛と広海が働くカフェ。
というように、それぞれ少しずつ繋がっています。
 
この手の作品としては長尺の2時間超。
しかもビミョーに美人やイケメンからは外れていて、大画面では見たくないキャストも何人か。
性格的にもこの人は好きだと思える人がいなくて、ちょっぴりイラッ。
 
しかし終わってみれば楽しかった。
大画面では絶対に見たくない(失礼ですみません(^^;)芹澤興人のマザコンぶりがずっと気持ち悪かったのに、
最後は彼にすべて持って行かれた感じで、ちょっとホロリとするほどです。
 
恋愛結婚よりお見合い結婚のほうが別れる率が圧倒的に少ないってご存じでしたか。
恋愛抜きで結婚相手を探すほうが幸せになれると言いつつ、結局みんな恋をする。

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『徒花 ADABANA』

2024年10月31日 | 映画(あ行)
『徒花 ADABANA』
監督:甲斐さやか
出演:井浦新,水原希子,三浦透子,甲田益也子,板谷由夏,原日出子,斉藤由貴,永瀬正敏他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
長編デビュー作だった『赤い雪 Red Snow』(2017)で注目された甲斐さやか監督による第2作。
しかし私はそのデビュー作を未見なのでお初ということになります。
 
未知のウイルスが蔓延している近未来。
ごく限られた上層階級の人間だけが自分と全く同じ外見の“それ”を持つことが許されている。
育てられた“それ”の命をもらえるようにする延命治療のひとつ。
 
病に侵されて療養中の新次(井浦新)も“それ”を持つうちのひとり。
裕福な家庭に育ち、妻子にも恵まれて順風満帆な人生を送ってきたはずだが、余命はわずか。
臨床心理士のまほろ(水原希子)が彼の担当となり、カウンセリングに努める。
 
“それ”に会うことは基本的に禁じられているところ、新次は会ってみたいと切望。
医師(永瀬正敏)が特例を認め、新次は自分の“それ”(井浦新の1人2役)と面会する。
 
すると、見た目は自分とまったく同じであるにもかかわらず、
“それ”は想像以上に知的で、自分よりもずっと純粋な心を持っている。
面会を重ねるうち、新次は“それ”の命を奪うことについて考えはじめ……。
 
静謐な雰囲気に石井岳龍監督の『シャニダールの花』(2012)を思い出しました。神秘的。
だけど話があちこちに飛ぶせいか、こちらの注意力も散漫になります。
斉藤由貴演じる母親とのエピソードや三浦透子演じる女性と海辺で出会ったときのエピソードなど、
雰囲気づくりに借り出されたみたいな感じで、よくわからないから眠くなる。
 
会話の中で「それ」が出てくると、“それ”なのか「それ」なのか一瞬わからなくなって迷う。
すぐに「あ、これは“それ”のことね」と思うけれど、こんな迷い方は無駄だ。(^^;
 
結局雰囲気だけに魅せられてうとうとしそうになっている間に終わってしまった感じです。
ずっと夢見心地。そのわりに後味はよくありません。

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『まる』

2024年10月30日 | 映画(ま行)
『まる』
監督:荻上直子
出演:堂本剛,綾野剛,吉岡里帆,森崎ウィン,戸塚純貴,おいでやす小田,
   濱田マリ,柄本明,早乙女太一,片桐はいり,吉田鋼太郎,小林聡美他
 
109シネマズ大阪エキスポシティに行ったら客は私ひとりでした。
えーっ、堂本剛主演なのに? 綾野剛も出演しているのに? 荻上直子監督作品なのに?
わりと広めのシアターが割り当てられていたのに、今年9度目の“おひとりさま”
 
美大を卒業して画家になる日を待ちつつもまだ身を立てることは叶わない沢田(堂本剛)。
人気現代美術家である秋元(吉田鋼太郎)のアシスタントで生活費を稼いで4年。
同じくアシスタントの田中(戸塚純貴)は2日目にしてもう辞めたいとぼやいているし、
矢島(吉岡里帆)は秋元にアイデアをパクられ続けても文句ひとつ言わない沢田にモヤモヤしている。
 
ある日の仕事帰り、空を眺めながら自転車を漕いでいた沢田は転倒。
利き腕を骨折して秋元から解雇を言い渡される。
ぼろアパートの自室で1匹の蟻が這うのを目で追いかけ、ふと蟻を囲むように左手で「○(まる)」を描く。
金に困ると毎度立ち寄る古道具屋にその絵も持ち込むと、店主(片桐はいり)が怪訝な顔。
 
すると数日後、土屋(早乙女太一)という男が訪ねてきて、まるの絵を1枚100万円で買い取りたいと言う。
ただし、まるなら何でも良いわけではなく、土屋が認めたまるにだけ100万円払うと。
 
訳がわからず古道具屋を再訪すると、沢田のまるの絵を買って行った奴がいると言う。土屋だ。
さらには通りすがりの画廊にあのまるの絵が飾られているではないか。
画廊オーナーの若草(小林聡美)に自分が作者だと名乗ると、「さわだの○」がとんでもないことになっていると言われ……。
 
荻上監督の作品は基本的ほんわかゆるり。
そんな中でも白い荻上さんと若干黒い荻上さんがいらっしゃるように思います。
『かもめ食堂』(2005)や『レンタネコ』(2011)は白いけど、『波紋』(2022)は黒い。
この『まる』も黒いほうに感じます。
 
住んでいるアパートは傾いていて、それが脳波に影響を及ぼすのか眠れない。
隣室の横山(綾野剛)は明らかに精神に異常を来している様子で、ついには壁に蹴りを入れてぶち抜きます。
人の役に立つ人間になりたいのになれないんだとぼやく横山が「働かない2割の蟻」の話に対して、
沢田が2割の蟻も必要だと答えるのが印象的。
また、叶わない夢ならあきらめちゃいけないのかと話すのも印象に残っています。
 
骨折した沢田が繋ぎのつもりで始めたコンビニのバイト。
森崎ウィン演じるミャンマー出身のバイト青年の境遇もつらい。
それでも怒らず焦らず、何でも丸くと微笑む彼の姿が切ないです。
 
偉そうだったのに、沢田が売れ出すと急に態度を変える人々。
大家(濱田マリ)とか元同級生(おいでやす小田)とか。人間の「欲」って、なんと醜い。
一方、欲とは無縁に思える謎の先生(柄本明)の存在が面白い。
 
いろいろと考えさせられて結構面白かったけれど、人には薦めづらい作品です。
相当好き嫌いがありましょうし、なんと言っても客は私ひとりだったのですから。

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3回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』はParty Edition版を。

2024年10月30日 | 映画(さ行)
ファンじゃなかったはずなのに、『JUNG KOOK: I AM STILL』を観たらジョングクが可愛くて仕方ない。
1回で済むどころかすでに2回観てしまい、ついには3回目。
 
この日は朝からが入所中の施設で秋祭りがあり、それを観に行く。
前日施設から徐脈だと連絡があっていよいよを追いかけるのかと思ったら回復。
「キミ(=私)以外はみんな先に死んじゃって、オレだけが残ってもったいない。
もういいと思っているのに」と涙ぐむ父でしたが、「あと3年は大丈夫だ」だそうです。(^^;
 
施設には“走るデパ地下”と銘打って阪急百貨店のスイーツ販売あり。
昔、父が四国へ出張するたびに買ってきてくれた母恵夢もあったから、
「お父さん、これいっつも買ってきてくれてたやつ」と言うと「おぉ、そうか。それにしよう」。
もっともその頃は今回買ったスイートポテト味なんてなかったですけどね。
家族の北海道旅行なども思い出しながら、柳月の三方六も購入しました。
 
父に「またね」と声をかけて109シネマズ大阪エキスポシティへ。
毎日出勤する万博記念公園ですが、休日は混むので近寄らないようにしています。
でもジョングク観たいし。満車の駐車場の列に並び、なんとか入庫。
 
2回目を観たときに、これまでに観たK-POPアイドルのドキュメンタリーでいちばん良いと思いました。
3回目を観たらさらにその思いは強まります。
ジョングクのソロアルバム“GOLDEN”に収録されている曲のステージを堪能できるほか、
彼の素顔、文字通りすっぴんのときの様子が収められているそのバランスがめちゃくちゃイイ。
ヘアメイクをほどこして色気あるイケメンの彼も良いけれど、
「12時間寝ました」と寝癖のついた状態の彼とか、ライブ後に布団に飛び込み、
その日の模様をスマホで見る彼を後ろから撮った図が最高。脚をパタパタさせていてめちゃカワイイ。
そんなこんなで、早く上映が終わってくれないと、また観に行ってしまいそうなんです。
 
ちなみに10月18日から公開されている“Party Edition”は本編終了後に約15分のオマケ映像付き。
ソロの曲のMVが何曲も映し出され、最後はBTSの“Euphoria”のMVで〆。お得感あるよ~。

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2回目の『室井慎次 敗れざる者』

2024年10月29日 | 映画(ま行)
シアタス心斎橋で前述の『破墓/パミュ』を観終わったのが20:40頃。
シュッと車に乗って帰れば21:10から箕面で上映の映画に間に合うかなと思ったけれど、ちょっとしんどそう。
じゃあもう帰るかとも思うけど、ミナミで駐車場に入庫しているのに最大料金を払って映画1本だけというのはもったいないやん。
というわけでこれしか選択肢なく、2回目の『室井慎次 敗れざる者』を観る。
どっちみちもう1回は観るつもりだったからいいのです。
 
以前にも書いたことがあるかもしれませんが、“踊る大捜査線”シリーズの大ファンでした。
死ぬときに「いちばん思い入れのあるドラマは何か」と聞かれたら、これと答える可能性もあります。
まだDVDがさほど普及していなかった時代、発売されたVHSビデオを全巻購入。
当時の私としてはものすごく高価な買い物だったと思いますが、どうしてもほしくて。
今それがどうなったかというと、家を片付けた折に処分しちゃいました。
だってどうせもうビロビロに伸びているし、そもそもビデオデッキもぶっ壊れたし。
 
室井さんとタカが、タカの母親を殺した犯人に面会に行くシーンが良いですよね。
アンタみたいな大人を知ってるよ。だけどそうじゃない大人も僕は知ってる。
その言葉を聴いているギバちゃんの表情に涙が出そうになります。
 
昔のシーンがこんなに登場しなければ、2回観ようとは思わなかったかもしれないけれど、
織田裕二深津絵里もいかりや長介も、そしてやっぱりに似ていると思うユースケ・サンタマリアも出てくるから、
3回目も観てしまうかもしれないよ。
 
“踊る大捜査線”シリーズを一挙劇場公開して応援上映も、なんて企画はないかなぁ。

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