夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』

2025年02月28日 | 映画(か行)
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(原題:Captain America: Brave New World)
監督:ジュリアス・オナー
出演:アンソニー・マッキー,ダニー・ラミレス,シラ・ハース,カール・ランブリー,ゾーシャ・ロクモア,ヨハネス・ヘイクル・ヨハネソン,
   平岳大,リヴ・タイラー,ジャンカルロ・エスポジート,ティム・ブレイク・ネルソン,ハリソン・フォード他
 
キノシネマ心斎橋にて『コメント部隊』を鑑賞した後、シアタス心斎橋に移動して。
 
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で終わったはずなのに、あの手この手で引っ張り続ける“アベンジャーズ”
好きなシリーズではあったけれど、1回ずつしか観ていないし、別に思い入れがそんなにあるわけでもないから、
いろいろ出てこられてもわからないんですよぉ。
 
しかも“キャプテン・アメリカ”といえば白人のクリス・エヴァンスでしょ?
いつのまに黒人のアンソニー・マッキーに変わったのか、全然わからん。
アンソニー・マッキーはもともと“ファルコン”だったのですよね。
そのファルコンは今はダニー・ラミレスに変わっているじゃあないか。『トップガン マーヴェリック』(2022)のファンボーイ役だった彼!
 
と、違和感バリバリで観はじめました。
初代ファルコンだったサム・ウィルソンが二代目キャプテン・アメリカを引き継ぎ、
二代目ファルコンとなったのはホアキン・トレス。
 
ハリソン・フォード演じる大統領サディアス・ロスとアベンジャーズとの間には確執があるようだけど、詳細は私には不明。
とにかく、ウィルソンがトレスを弟子入りさせたイザイア・ブラッドリーは、ロスのせいで30年間刑務所にいた模様。
しかし、ウィルソンの取り持ちによってロスとブラッドリーは和解。
ウィルソンとトレスの活躍を褒め称えようとロスがホワイトハウスにふたりを招いたさい、ブラッドリーも共に招待されます。
 
ところが、ブラッドリーが突然銃をぶっ放し、ロスを殺そうとします。
招待客の何人かも同様の行動に走り、ホワイトハウスは騒然。
ブラッドリーたちは拘束されて収監され、もはや死刑となるのは確実。
 
ウィルソンはブラッドリーをなんとか救出しようと、トレスに命じていろいろと調べます。
すると、ブラッドリーたちが何者かに洗脳され、ある音楽をきっかけに操られて暴走したことがわかるのでした。
 
どうなってんだと思いつつも、ついて行けないことはなく、じゅうぶんに面白い。
最初はこいつも悪役のグルなのかと思ったシークレットサービスのレイラ・テイラーが女だてらに格好いい。
 
まぁ、しかし、大統領が黒幕に薬を盛られてハルクと化すのには笑った。
ハルクというのか、ハリソン・フォードが巨大化して暴れるわけですから。
こんな歳になって何やらされてるねんと思いました(笑)。
 
お久しぶりのリヴ・タイラーが若干遠目で一瞬しか写らず、大写しできない理由が何かあるのかと勘ぐる。
邪推ですよね。きっと今も綺麗なままであってほしい。(^^;
 
アメリカの戦争相手が日本という設定に驚きました。
日本の首相役が身長183cmの平岳大で、ハリソン・フォードよりずっとシャキッとしているのはありがたいような気が。
だって見た目からしてアメリカ大統領に劣るようなら、なんとなく日本がナメられているのかと思うから。
しかしそうではないのは配慮? あるいはちょっとしたゴマすり? ゴマなんてする必要もない?

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『コメント部隊』

2025年02月27日 | 映画(か行)
『コメント部隊』(英題:Troll Factory)
監督:アン・グクジン
出演:ソン・ソック,キム・ソンチョル,キム・ドンフィ,ホン・ギョン,イ・ソファン,
   チェ・ドクムン,キム・ヒウォン,イ・デヴィッド,キム・ジュンハン他
 
ほかに寄れそうな劇場では上映していませんもんね。ここへ行かなしゃあない。
 
『犯罪都市 THE ROUNDUP』(2022)で世にも恐ろしい殺し屋を演じたソン・ソック主演ということに惹かれました。
ほぼ実話だというテロップが冒頭で流れ、へ〜っ、韓国でこんなことがあったのかと思いながら観はじめる。
 
パソコン通信のあった時代。
世の中のオタクたちはそれを駆使して日々を楽しんでいたのに、突然パソコン通信が有料化される。
有料化したインターネットを独占して金を儲けようと企んだのはマンジョンという企業。
 
年月が経ち、巨大企業となっていたマンジョンはとにかく汚いことをやっている。
新聞記者のイム・サンジンはマンジョンの悪行を突き止めて記事にするが、それが誤報だったとされ、
マンジョンからサンジン個人が訴えられそうになり、休職を言い渡される。
 
休職期間は半年だったはずなのに、1年以上経っても復職が認められず。
いつのまにかサンジンにいずれ復職を言い渡した新編集長が異動したらしく、
後任の編集長は話に取り合ってくれないから、会社に戻るすべがない。
悶々とするサンジンにある青年が接触してくる。
 
その青年によれば、サンジンが書いたことは誤報などではなく真実。
マンジョンにはSNSなどを駆使して情報を操作する部署が存在するのだと聞かされる。
青年への取材を重ねたサンジンは、汚名返上、名誉挽回のため、再びマンジョンの記事を書くのだが……。
 
サンジンに接触する青年にキム・ドンフィ。めちゃめちゃ上手い。
彼の仲間にキム・ソンチョルとホン・ギョン。
 
大部分スリリングで楽しく観たのですけれど、最後は「えっ、そこで終わり!?」。
しかも実話が基だと信じて観ていたのに、「フィクションです。全部架空です」。
最初から騙す気満々で「実話だよ」って、悪趣味じゃないですか。
 
ろうそくデモの始まりの話もまったくの嘘ってことなのかしら。
一生懸命に話を聴いていたのに全部嘘ですよ、信じたんかいと笑われている気分。
 
世論操作の話は面白いですけどね。『新聞記者』(2019)と併せて観たい。

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『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』

2025年02月09日 | 映画(か行)
『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』(原題:金手指)
監督:フェリックス・チョン
出演:トニー・レオン,アンディ・ラウ,シャーリーン・チョイ,サイモン・ヤム,カルロス・チェン,
   マイケル・ニン,フィリップ・クン,アレックス・フォン,タイ・バオ,チン・ガーロウ,アニタ・ユン他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
20:45上映開始だったので、その前にもう1本観ようかと思ったけれど、観るものがありませぬ。
『グランメゾン・パリ』はすでに2回観ているし、『サンセット・サンライズ』も前週観たところ。
ほかの上映作品もすでに鑑賞したものばかりで、無理に観るなら『ライオン・キング:ムファサ』の吹替版か。
おかげでこれを最後の数頁を残すところまで読めました。
 
そのシリーズ3作目が製作された2003年以来の共演となるそうです。絶対観るでしょ。
監督はシリーズで脚本を執筆したフェリックス・チョン。
モチーフとなっているのは1983年に起きた佳寧案(キャリアン)事件。
 
1980年代の香港は、イギリスによる植民地支配がそろそろ終焉を迎える頃。
福建省出身の建築技師チン・ヤッイン(トニー・レオン)は職にあぶれ、勝負をかけてこの地へやってきた。
土地の売買で困っていたツァン・ギムキウ(サイモン・ヤム)と偶然知り合い、
富豪のふりを頼まれたのをきっかけに、これは金になるのではと思いつく。
 
チンは違法な取引を繰り返して資産を築き、株式ブームの波に乗る。
世界中に会社を持つ巨大金融グループの立ち上げに成功すると、富豪たちと組んで大規模な詐欺を画策。
ICAC(汚職対策独立委員会)のエリート捜査官ラウ・カイユン(アンディ・ラウ)は、
なんとかチンの尻尾を捕まえて逮捕しようとするのだが……。
 
凄く期待して鑑賞に臨んだのですが、イマイチ満足感なし。
そもそも私は金融のシステムに疎すぎて、どういう詐欺なのかも理解しきれていません。
ただ、こういう大がかりな詐欺で儲けに儲けた人がいるんだなぁと思うだけ。
 
そしてたぶん私に満足感がない理由は、アンディ・ラウが「正しすぎる」から。
彼は確かに二枚目でイケオジだけど、正論ばかりふりかざしているように思えて好きになれない役。
ラウが善人、チンが悪人の役なのに、チンのほうを応援してしまうのでした。
 
私が香港映画にハマっていた頃、ラブコメの女王だったアニタ・ユンが友情出演。
どの役で!?と興味津々で探していたら、裁判長の役でした。
現在53歳の彼女は、そりゃ歳は取ったけど、顔を見ればすぐわかる。懐かしくて嬉しい。       

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『機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning』

2025年02月05日 | 映画(か行)
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning』
監督:鶴巻和哉
出演:黒沢ともよ,石川由依,土屋神葉,川田紳司,名塚佳織,新祐樹,杉田智和他
 
これも“初音ミク”同様にスルーするつもりだったのですが、ほかに観るものがなくて、ついでに。
昨年観た『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(2024)にまったくついて行けず、
ガンダムだけはもう二度と観るまいと思っていたのに。同じく109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
ガンダムシリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のTV放送が始まるそうです。
放送時期については未発表ですが、それに先駆けて一部を劇場用に再構築したとのこと。
TVで放送する前に最初のとこだけ見せちゃうよというのは最近の流行りなんですかね。
 
これもまったく何も知らないまま観はじめました。
どうせ寝るやろと思ったら、意外に面白くて睡魔に襲われず。ガンダムで寝なかったのは初めてだ(笑)。
 
とはいうものの、話をちゃんと理解したわけではありません。
シャアのことすらほとんど知らない私ですから。(^^;
 
地球連邦政府の軍と独立を狙う国家ジオンの軍が戦争中。
ジオンの機動隊隊長のシャア・アズナブルはシャリア・ブルと組んで戦っていたが、行方不明となってしまう。
 
2行で終わるような話じゃないですが、ここで話はいったん終わった印象。
以下、場面変わって、それから年月が経っています。
 
“赤い彗星”と呼ばれていたシャアはいまや都市伝説という人もいるが、
シャリア・ブルはシャアが必ずどこかで生きていると信じている。
 
女子高生のアマテはある日の帰り道、同年代女子ニャアンにぶつかられる。
ニャアンは警察に追いかけられて逃げているようで、彼女が落としたものをアマテが拾うと、
それはモビルスーツのための戦闘機能インストーラーだった。
ニャアンは難民で、この違法なインストーラーの運び屋で日銭を稼いでいるらしい。
 
同じ頃、かつてシャアが操縦していた赤いガンダムを見かけたシャリア・ブルは、
最新鋭のモビルスーツ“ジークアクス”を使っていちばん優秀な部下に赤いガンダムを追わせる。
 
このジークアクスと赤いガンダムがアマテの前に現れたとき、
彼女はちょうどニャアンと共に難民地区を訪れていて、地下格闘“クランバトル”の存在を知ったばかり。
警察のモビルスーツに追われてジークアクスが隠れていたところをアマテが発見。
なんとシャリア・ブルの部下が操縦に困っていたジークアクスをアマテは乗りこなして見せる。
 
私の理解の範囲では大雑把にはこんな感じなんですけど、合ってます?
 
アマテが登場する後半は、ガンダムに慣れていなくてもついて行ける。
ちょっとワクワク感もあったりして、ええやんガンダムと思ってしまいました。
が、これ、今までのガンダムファンとしてはどうなんですか。
私は続きが観たい。

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『#彼女が死んだ』

2025年01月29日 | 映画(か行)
『#彼女が死んだ』(英題:Following)
監督:キム・セフィ
出演:ピョン・ヨハン,シン・ヘソン,イ・エル,パク・イェニ,ユン・ビョンヒ,パク・ミョンフン他
 
前述の『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』の次に、同じくキノシネマ心斎橋にて。
よその劇場ではなかなかかからない韓国作品を上映してくれるのは、前身のシネマート心斎橋と同じで嬉しい。
新調された座席は少し後傾していて以前よりも観やすくなっています。
 
監督は本作が長編デビューとなるキム・セフィ。
主演のピョン・ヨハンは『太陽は動かない』(2020)にも出演していた俳優だけど、
TVドラマで主に活躍している人らしく、私の頭の中には残念ながら記憶なし。
 
韓国には不動産公認仲介士という国家資格があるのですね。
「韓国には」と書きましたが、不動産業について何も知らない私は、類似資格が日本にもあるのかどうか知りません。
ただ、聞いたことのない資格の名前だったので、韓国特有のものなのかなと思っただけです。
とにかく、この資格がなければ不動産取引の仲介ができないらしい。
 
本作を観るかぎりでどんなことをする資格なのかを推察すると、
たとえば自分が所有している物件を誰かに貸したいとき、この不動産公認仲介士なる者を通して貸します。
↑これだけが理解に至ったことですが、鑑賞後にネットで調べたら、この仲介手数料がかなり高額で、
公認仲介士の資格を取って数件仲介すれば、大企業に勤務する人と同程度の年収が稼げるそうな。
 
さて、本作の主人公ク・ジョンテ(ピョン・ヨハン)はそんな不動産公認仲介士。
いま若者たちに人気のこの資格について指南する彼のホームページも大人気。
 
そんな彼の決して人に言えない楽しみは、仲介した部屋の大家から預かった鍵を使って住人の留守中に忍び込むこと。
私生活を覗き見した代わりに、ネジの緩んだ箇所を締め直したり水道の詰まりを直したりして退室する。
また、部屋の中を見回してどう考えても不要であろうものをひとつ頂戴してコレクションにしている。
 
おかげで仲介物件の住人のことはたいてい知っているジョンテだったが、まだ何の情報も得ていない気になる女性が近所にいる。
彼女はインフルエンサーのハン・ソラらしく、彼女の私生活が知りたくてたまらない。
どうにか部屋に忍び込む方法がないかと考えあぐねていたところ、なんと彼女のほうからジョンテの事務所にやってくる。
 
ソラが言うには、仕事の都合で町を離れることになったから、部屋を賃貸に出したいと。
大家の了解は得ているのでこの場でジョンテに鍵を渡して後は任せると。
躍りたいほど嬉しい気持ちを隠して鍵を預かったジョンテは、その日からソラの留守を狙って数度侵入。
彼女の私生活に触れて満足感を味わう。
 
ある日、いつものように覗き見のためにソラの部屋に入ると、ソファに横たわったソラが惨殺されていた。
すぐに警察に通報すべきだが、そうすれば自分の不法侵入がバレてしまう。
慌ててその場を去ったジョンテは、賃貸物件を探している途中のカップルに直ちに連絡。
内見に案内するふりをしてそのカップルを先に部屋に入らせ、ソラの遺体を発見させようとするが、
血まみれだったソラの遺体が綺麗さっぱりなくなっているではないか。
 
同じ頃、ソラの親友だというやはりインフルエンサーのホルギが警察へ出向き、ソラと連絡が取れなくなっていることを告げる。
担当した刑事のオ・ヨンジュがソラの部屋を訪れてみると、ソファの下にわずかな血痕が。
事件としての捜査が始まり、ソラの部屋を仲介するジョンテのもとへもヨンジュがやってきて……。
 
以下ネタバレです。
 
とても面白かったですが、気持ちのよい話ではありません。
『ターゲット 出品者は殺人鬼』(2023)でつけ狙われるヒロインを演じたシン・ヘソンが、
本作でもストーキングされる側と見せかけてその実、身も凍りそうな殺人鬼
 
インフルエンサーとしてもてはやされたいがために、食べてもいない「映えるもの」を食べているように見せかけ、
行ってもいないところに行っているように、持ってもいないものを持っているように撮ってSNSに挙げる。
犬や猫の保護に努めているふりをして募金を促しているけれど、見せる役目が終わった動物は無残に殺すという冷酷さ。
自分の悪行をジョンテに見られたと思い込むソラは、彼を罠にはめることを思いつくわけです。
 
ソラのおこないはもちろんおぞましいけれど、覗き見の趣味があるジョンテだって褒められたものではありません。
応援したくなるのはイ・エル(美人!)演じる女刑事のヨンジュぐらいですかねぇ。
彼女は志願して刑事部に配属されたのに、女だからと仕事を振ってもらえない。
逮捕のお膳立てまではさせられても、手柄は全部男どもに持っていかれます。
行方不明のインフルエンサー探しもたいしたことのない話だろうと思っていたら、これがこんな事件で。
濡れ衣を着せられるところだったジョンテがお礼を言いに来たとき、彼に放つヨンジュの言葉が刺さります。
 
自分は被害者ではないということを肝に命じよ。

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