夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『沈まぬ太陽』公開で、渡辺謙が福本豊の日に乱入。

2009年10月30日 | 映画(番外編:映画とスポーツ)
ABCラジオで平日の夕方に放送している、
『元気イチバン!!ぶっちぎりプレイボール』。
仕事の帰りがちょうどこの時間帯になるため、
ほぼ毎日かかさず聴いています。

プロ野球シーズン中は18:00からはナイター中継になりますが、
ペナントレースが終わると、約1時間半の通常番組に。
アナウンサーの芦沢さんとアシスタントの小川さん、
そしてプロ野球解説者が日替わりでパートナーとして加わります。

もう1週間以上前のことになりますが、その日は木曜日。
パートナーは敬愛する福本豊(敬称略、お許しを)でした。
番組の途中、スタジオ内が突然ざわざわし始め、
アナウンサーが驚いた声で、「ワタナベケンさんです」。
ワタナベケンという有名人は、渡辺謙しか知りませんが、
このワタナベケンはすごい関西弁。
何ですか?このしゃべりっぷりは。

ホントにあの渡辺謙でした。
『沈まぬ太陽』の公開に際して大阪入りしたらしく、
福本とは大の仲良しだそうな。
しかし、何の前振りもなく、正真正銘の突然乱入だったようです。

完璧な関西弁のイントネーションでした。
「渡辺謙さんのこんなベタベタの関西弁を聞く機会は
めったにないでしょう」とアナウンサーが言っていましたが、
私は初めてだったので、めちゃびっくり。
あれで関西人じゃないなんて。

ほとんどアホな話ばかりしていましたが、映画の宣伝も少し。
202分に及ぶ大長編で、10分間の休憩があることも話題になっていますが、
「トイレに行っていただくのはもちろんかまいませんが、
その10分間に場内に流れる曲は、
あの事故でお亡くなりになった方のお嬢様によるバイオリン演奏です。
それを聴いていただければ」とのことでした。

野球の話は関西弁、映画の話は標準語。
そのギャップも楽しかったです。お見事。

余談ですが、渡辺謙の退席後、
ゲストとしてやって来たのは、オリックスの坂口選手。
以前から坂口のことを福本は絶賛していましたが、
今年は打率2位という立派な成績でした。
この日は練習を終えて、一旦帰宅し、着替えてからやって来たという坂口に、
福本は、突然立ち寄った渡辺謙と比較して、
「なんで一旦家に帰るねん。前から今日ゲストって決まってたんやろ?
練習終わったらそのまま来たらええやん」。
坂口が「綺麗にしてこなあかんかなと思って」と言うと、
福本は「それ、綺麗なん?」。
こんな福本と坂口のやりとりも可笑しかったです。

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『あなたは私の婿になる』

2009年10月27日 | 映画(あ行)
『あなたは私の婿になる』(原題:The Proposal)
監督:アン・フレッチャー
出演:サンドラ・ブロック,ライアン・レイノルズ他

メグ・ライアンがデニス・クエイドと離婚したとき、
その原因はラッセル・クロウとの不倫だと噂されました。
ふたりが共演した『プルーフ・オブ・ライフ』(2000)を観て、
彼女が彼にぞっこんになってしまったのもわかると思いましたが(笑)、
本作を観ると、スカーレット・ヨハンソンがライアン・レイノルズに決めたのも納得。
というわけで、「ヨハンソンの旦那」と呼ばれるのを
回避できそうな勢いのレイノルズ。

邦題には賛否両論あるかと思いますが、
前述の『ラブ・ダイアリーズ』のようなありがちなものよりも、
こっちのほうがインパクトがずっと強くて○。

NYの大手出版社で編集長を務める、40歳のマーガレット。
陰では魔女と呼ばれ、部下全員に恐れられている。

彼女のアシスタントは28歳のアンドリュー。
本をこよなく愛し、いずれは自分も編集者になりたいと願い、
なかばテロリストのような要求ばかりするマーガレットのもと、
毎朝、彼女のコーヒーを買いに走るところから一日が始まり、
休暇をまったく取れない状況にも耐えている。

ある日、マーガレットは会長室に呼び出される。
カナダ人である彼女のビザ更新が却下されたとのこと。
このままでは国外退去処分となり、
いくら有能でも不法滞在者を雇っているわけにはいかないと。

困ったマーガレットは、咄嗟のひらめきで、
実はアンドリューと婚約中だと公言。
会長は唖然とするものの、合法的に国内に残れるなら文句なし。
アンドリューは断固として拒否するが、
編集者への昇格を取引条件として提示され、ぐらり。

さて、移民局を訪れたふたりは
偽装結婚の可能性ありとして、調査を受けることに。
週末、アンドリューの実家でおこなわれる祖母の誕生パーティーに
マーガレットも同行を余儀なくされるが、
なんと彼の実家はアラスカで……。

実年齢は45歳のサンドラ・ブロックは、魔女と呼ぶには可愛すぎ。
いくつになろうが、やはりロマコメが似合います。

結婚は単なる取引だったはずなのに、
ドタバタの4日間を過ごすうちに気持ちが変わり、
最後は良心がとがめた彼女がみんなに事実を打ち明けてサヨナラ。
それを彼が追いかけてハッピーエンド。
観る前からわかるようなストーリー展開ですが、
このオチだから安心できて、このオチだからこそ観たくなる。
誰がなんと言おうと好き!

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『ラブ・ダイアリーズ』

2009年10月23日 | 映画(ら行)
『ラブ・ダイアリーズ』(原題:Definitely, Maybe)
監督:アダム・ブルックス
出演:ライアン・レイノルズ,アイラ・フィッシャー,アビゲイル・ブレスリン,
   エリザベス・バンクス,レイチェル・ワイズ,ケヴィン・クライン他

日本では劇場未公開のレンタル新作。
主たる役どころの出演者を見ると、昨年はまだ知名度イマイチで、
ビデオスルーされたのも納得ですが、まさに今、話題の人ばかり。
主役は、公開中の『あなたは私の婿になる』の婿役で、
その娘役は、同じく公開中の『私の中のあなた』の娘役。
彼女役は、一昨日からレンタル開始の『お買いもの中毒な私!』の主役。

妻子と別居中で、離婚が決まっているウィル。
週に2日は娘のマーヤを幼稚園へ迎えに行って一緒に過ごす。

ある日、幼稚園へ行くと、園児たちが異常な興奮状態。
どうやら性教育の時間があったらしい。
子どもに問い詰められて親たちはしどろもどろ。
自分が生まれるに至った経緯を聞きたがるマーヤに、
ウィルは恋愛遍歴について話し始めるのだが……。

ウィルの話に出て来る女性は、
エミリー、サマー、エイプリルの3名。
誰が母親かすぐにはわからぬように、
ウィルは偽名で話を進めます。

学生時代にぞっこんだったエミリー。
大統領になることを本気で夢みていたウィルは、
取っかかりとしてクリントンの選挙事務所で働くため、
エミリーのもとを離れて田舎から都会へ。
太田裕美の『木綿のハンカチーフ』の世界です。

その都会に住むエミリーの友だち、サマー。
ウィルはエミリーから頼まれた包みをサマーに届けます。
知的な美人大学院生である彼女は、熟年の大学教授と同棲中。
彼女に不意にキスされて、どぎまぎするウィル。

選挙事務所のコピー係、エイプリル。
彼女とはなんとなくウマが合い、お互いに気になる存在でありながら、
友情は友情のまま育てようとします。

ウィルの話に鋭い突っ込みを入れながら聞くマーヤ。
この人がママであってほしいという願いもあるけれど、
まだ幼稚園児なのに、一女性としてウィルの行動に駄目出し。
それがとても効果的。

こんなオチかよとがっかりしたら、まだ続きが。
鮮やか、爽やかなラストに思わずニッコリ。
かなり安直な邦題がもったいない。
原題は、素敵なシーンで登場する台詞、“Definitely, Maybe”です。

ライアン・レイノルズはこんな純朴ななりをして、
No.1セクシー女優のスカーレット・ヨハンソンと結婚していたとは。
やるなぁ。

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『トワイライト 初恋』

2009年10月20日 | 映画(た行)
『トワイライト 初恋』(原題:Twilight)
監督:キャサリン・ハードウィック
出演:クリステン・スチュワート,ロバート・パティンソン,ビリー・バーク他

好きになった人がヴァンパイアだったら?
キャッチコピーは「これ以上好きになると、君の命まで奪ってしまう」。
同名小説の映画化で、3部作の第1部。

太陽が燦々とふりそそぐアリゾナ州フェニックスで、
母親と暮らす内気で美しい高校生ベラ。
母親が野球選手と再婚することになり、
本当は彼に付き添って各地を移動したい母親の思いを推し量り、
ベラは父親のもとへ行くことを選ぶ。

雨と霧に包まれるワシントン州フォークス。
父親はベラとどう接してよいのかわからず、
当惑の表情を浮かべつつも、内心は嬉しくてたまらない。
友人から買い取った車を贈ると、ベラは大喜び。

その中古車で転校先に初登校したベラ。
好気のまなざしを向けられて居心地の悪さを感じるが、
気の良い数人の男女生徒に歓迎され、それなりの高校生活が始まる。

食堂で見かけた異色の5人の集団について尋ねると、
彼らは外科医カレンの里子たちで、いつも一緒にいるらしい。
その中でとりわけゴージャスなエドワードには、
誰も近寄れず、彼女になりたくてもなれないとのこと。

生物の授業で、ベラはエドワードの隣の席になるが、
彼は気分が悪いと退出してしまう。
以後も、どうやらベラを避けている様子。
しかし、ある日、車に当たられそうになったベラを
どこからともなく現れたエドワードが助けて……。

ヴァンパイアには、血を吸いたいという自制心を
抑えられるタイプと抑えられないタイプがいるんだそうです。
エドワードが属するのは前者。
なのに、ベラの匂いだけはエドワードの自制心を狂わせます。
なぜだかたまらなく惹きつけられ、
襲いたい気持ちに駆られるけれど、傷つけたくない。
そんな想いがひしひしと伝わってきます。

エドワードの正体を知ったベラが、
カレン一家に挨拶する場面はユーモアたっぷり。
雷の鳴る日に一家が草野球に興じる姿もご愛嬌。

好きな人を想う気持ち。それは恋人であったり家族であったり、
本作にはそんな気持ちが溢れていて、
とにかく主たる人物がみんな悲痛な面持ちなのですが、
青春・学園・恋愛・ファミリー・サスペンス・ホラーと、
いろんな要素てんこ盛りで、痛快な娯楽作品に仕上がっています。

“Where else am I gonna go?”の字幕は素敵な翻訳。
「僕の場所は、君のそばしかない」。

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『パークアンドラブホテル』

2009年10月16日 | 映画(は行)
『パークアンドラブホテル』
監督:熊坂出
出演:りりィ,梶原ひかり,ちはる,神農幸,津田寛治,光石研他

「その街のラブホテルの屋上には小さな公園がありました」。
大阪は十三の第七藝術劇場で公開され、
行こう行こうと思っているうちに終映。DVD化を待っていました。

新宿の古びたラブホテル「流水」。
休憩のみ、宿泊には対応せず。休憩3時間2,500円なり。
オーナーの艶子がフロントから清掃まで一人でこなす。

大きなリュックを背負った銀髪の少女、美香は
たまたまこのホテルの前を通りかかり、
ラブホとは無関係と思える老人や小学生が次々と入って行くのを見かける。
美香もそれに続いてみると、一行は屋上へ。
扉を押し開けると、そこは遊具やベンチが設置された公園となっていた。

ラブホの屋上に広がる憩いの場。
日が暮れるまで人びとは気ままに語らい、遊び、
月が姿を現すと家路につく。

帰るところがない美香は、屋上に建てられた小屋に潜むが、
艶子に見つかってこっぴどく叱られる。
しかし、艶子は美香を追い出すでもなく、食事と寝床を用意する。
家庭の問題で揺れる美香は、次第に気持ちが和らぐのを感じる。

美香が出て行ったあと、艶子のもとを訪れるのは、
毎日この付近をジョギングで通りかかっていた主婦、月。
16年間、艶子とは挨拶を交わすだけの仲だったが、
ある日突然、ここで働かせてほしいと申し出る。

艶子に代わってフロントにすわる月。
やってきた客は若い女性、マリカ。
彼女はここの常連客で、毎回ちがう男性を連れてくる。
なぜか銀色のアタッシュケースを持ち歩き、いつも不機嫌な態度。
艶子とマリカは顔を合わせれば喧嘩しているが、
マリカは決してほかのラブホへ行こうとしない。

こんな女主人と3人の女性との心の交流を描いています。
すっぴんでぶっきらぼうな艶子を演じるりりィは圧倒的な存在感。
懐かしいですね、1974年の大ヒット曲『私は泣いています』。

ラブホテルを舞台にしながら、ドロドロ感がまったくないのが、
本作の良いところでもあり、物足りないところでもあり。
やはりピンサロ街にある七藝で観たほうが情緒があったかな。

DVDに収録されているオマケの短編『珈琲とミルク』。
小学生カメラマンの「ミルク」が
12歳年上の喫茶店の女店主「珈琲」に恋をします。
聾唖の珈琲になんとか「音」を伝えたいと、
ミルクは音が聞こえそうな写真を撮り始めるのですが……。
私はこのオマケのほうにキュン。

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