『温泉シャーク』
監督:井上森人
出演:金子清文,藤村拓矢,中西裕胡,内藤正記,椎名すみや,高樹澪他
テアトル梅田で前述の『呪葬』を観終わって退場したら、外にはなんだか人がいっぱい。
同シアターで次に上映される本作の開場を待っている人たちでした。
20時半近くからのレイトショーでしたが、8割ほどの客で埋まっています。すごっ。
確かにサメに襲われるパニックアクション映画は数あれど、日本発はなかった。
けどどう考えてもB級、なんならC級確定でしょ(笑)。
架空の市だけどきっと熱海市全面協力の暑海(あつみ)市。
多くの観光客が訪れるこの温泉地でさらに儲けようと、
市長・万巻貫一(藤村拓矢)の主導で複合型巨大観光施設の建設を進めている。
一方、暑海市では温泉客が忽然と姿を消す事件が連続して発生。
いずれの被害者もサメに襲われた痕跡があることから、
警察署長・東伝兵衛(金子清文)は観光客に注意を促すよう万巻に求めるが、
儲けることにしか興味がない万巻はまったく聞く気なし。
このままでは危険だと招聘された海洋生物学研究者・巨勢真弓(中西裕胡)は、
太古の昔から蘇る獰猛なサメが温泉の地中を自在に動き回っていることを突き止め……。
歩いているところの下をサメがスルスルと泳いでいるのです。
したがって、海に入らなければ襲われないわけではなく、
自宅で入浴中にも浴槽を突き破ってサメが出現する。ワラける(笑)。
特撮ものではあるけれど、ちゃちいといえばちゃちい。
ハリウッド映画に登場するサメのようなリアリティは皆無で、そこがなんとも憎めない。
めちゃくちゃ可笑しくて笑った笑った。
最近観た作品のなかで、観客の雰囲気がよかった映画ナンバーワン間違いなし。
みんなでブハッと大笑い、ウソやろみたいな感じがたまらない。
こんなふうに客席に笑いが連鎖して流れてゆく作品はなかなかないものです。
監督はお笑いコンビ“そんたくズ”の井上森人とのこと。
そんたくズを知らなくて申し訳ないけれど、
本作のヒットでお笑い芸人としてよりも映画監督としての仕事のほうが増えそうですね。
なお、「きっと熱海市全面協力」と書きましたが、
それどころか熱海市の地域活性化を目指して特撮と温泉をテーマにしたプロジェクトなのだそうです。
日本発のサメ映画を撮ろうなんて、目の付け所がいいなぁ。楽しいなぁ。
この客入りだとひそかにロングランになりそうです。
めっちゃ応援したい。
ちなみにマッチョ役の椎名すみやは元海上自衛官とのこと。
「初代自衛隊プレミアムボディ総合優勝」と経歴にありますが、なんすかそれ。
彼のことも応援!