『スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち』(原題:Small Apartments)
監督:ジョナス・アカーランド
出演:マット・ルーカス,ジェームズ・カーン,ジョニー・ノックスヴィル,
ビリー・クリスタル,ジェームズ・マースデン,ピーター・ストーメア他
今月上旬にレンタルが開始されたアメリカ作品、日本では未公開。
『モンスターズ・ユニバーシティ』のマイクの声を担当したビリー・クリスタルも出演。
声だけ聞いていると年を取ったとは思いませんでしたが、
こうして見ると『恋人たちの予感』(1989)の頃が嘘のよう、ジイさんの域です。
タイトルからアパート居住者の群像劇を想像していたら、ちと違いました。
ロサンゼルスのおんぼろアパート。
犬と暮らす色白ふとっちょ、ニートのフランクリン。
部屋にアルペンホルンを持ち込んで吹き鳴らす。
ここはスイスちゃうっちゅうねんと、アルペンホルンの音色に腹を立てるのは、
向かって左隣の部屋に住む中年男トミー。
毎日なにかひとつ目標を打ち立て、クリアせねば気が済まない。
実はインテリだったのに……という趣はあるが、ただのヤク中か。
やはりアルペンホルンが鬱陶しくてたまらず、しょっちゅう文句を垂れにくるのは、
右隣の年寄り男、画家のオールスパイス。
フランクリンに文句を無視され、オールスパイスは相当気が立っている。
トミーもオールスパイスも気づいちゃいないが、
フランクリンの部屋の中には横たわる男。これはいけ好かない大家のアルバート。
数日前、アルバートは家賃を取り立てにフランクリンの部屋へ。
ところがそこで事故が起き、アルバートは死んでしまったのだ。
ない知恵をひねり出すフランクリン。
アルバートのポケットには彼の自宅やら車やらの鍵。
それを携え、死体を夜中に運び出すと、アルバートの自宅へと向かう。
自殺を装えば、自分に疑いはかからないはず。
しかし、銃が暴発、テレピン油に引火などなど、
想定外のことが次々に起こり、自殺とは到底思えない状態に。
それでも満足したフランクリンは、そのまま帰宅する。
死体が半分燃えていたことから、警察の火災担当調査官バートに連絡が入るのだが……。
かなり悪趣味なシーンも多く、あまり気持ちのいいものではありません。
と思って観ていたら、ラストは意外に良い具合。
知的障害を思わせるフランクリンは、いじめられっこでみんなに馬鹿にされ、
大家からも酷い扱いを受けていました。
けれども彼を守ろうとしてくれた唯一の人間が兄のバーナード。
自身が病魔に冒されていると知ったバーナードは、
死後もフランクリンを守ろうとし、守り抜きます。
バーナードの件では、ロバード・デ・ニーロが超能力者を演じた『レッド・ライト』(2012)を思い出しました。
超能力によって、病気ではないとか治癒したとか言われた人がいたとして、
のちに本当は病気だったとわかり、手遅れだったらどうするかという話。
本作ではバーナードを狂人よばわりしたメノックス博士に
フランクリンがサラリと事実を突きつける姿が痛快でした。
悪趣味なはずが、何でしょ、この爽やかさは。
監督:ジョナス・アカーランド
出演:マット・ルーカス,ジェームズ・カーン,ジョニー・ノックスヴィル,
ビリー・クリスタル,ジェームズ・マースデン,ピーター・ストーメア他
今月上旬にレンタルが開始されたアメリカ作品、日本では未公開。
『モンスターズ・ユニバーシティ』のマイクの声を担当したビリー・クリスタルも出演。
声だけ聞いていると年を取ったとは思いませんでしたが、
こうして見ると『恋人たちの予感』(1989)の頃が嘘のよう、ジイさんの域です。
タイトルからアパート居住者の群像劇を想像していたら、ちと違いました。
ロサンゼルスのおんぼろアパート。
犬と暮らす色白ふとっちょ、ニートのフランクリン。
部屋にアルペンホルンを持ち込んで吹き鳴らす。
ここはスイスちゃうっちゅうねんと、アルペンホルンの音色に腹を立てるのは、
向かって左隣の部屋に住む中年男トミー。
毎日なにかひとつ目標を打ち立て、クリアせねば気が済まない。
実はインテリだったのに……という趣はあるが、ただのヤク中か。
やはりアルペンホルンが鬱陶しくてたまらず、しょっちゅう文句を垂れにくるのは、
右隣の年寄り男、画家のオールスパイス。
フランクリンに文句を無視され、オールスパイスは相当気が立っている。
トミーもオールスパイスも気づいちゃいないが、
フランクリンの部屋の中には横たわる男。これはいけ好かない大家のアルバート。
数日前、アルバートは家賃を取り立てにフランクリンの部屋へ。
ところがそこで事故が起き、アルバートは死んでしまったのだ。
ない知恵をひねり出すフランクリン。
アルバートのポケットには彼の自宅やら車やらの鍵。
それを携え、死体を夜中に運び出すと、アルバートの自宅へと向かう。
自殺を装えば、自分に疑いはかからないはず。
しかし、銃が暴発、テレピン油に引火などなど、
想定外のことが次々に起こり、自殺とは到底思えない状態に。
それでも満足したフランクリンは、そのまま帰宅する。
死体が半分燃えていたことから、警察の火災担当調査官バートに連絡が入るのだが……。
かなり悪趣味なシーンも多く、あまり気持ちのいいものではありません。
と思って観ていたら、ラストは意外に良い具合。
知的障害を思わせるフランクリンは、いじめられっこでみんなに馬鹿にされ、
大家からも酷い扱いを受けていました。
けれども彼を守ろうとしてくれた唯一の人間が兄のバーナード。
自身が病魔に冒されていると知ったバーナードは、
死後もフランクリンを守ろうとし、守り抜きます。
バーナードの件では、ロバード・デ・ニーロが超能力者を演じた『レッド・ライト』(2012)を思い出しました。
超能力によって、病気ではないとか治癒したとか言われた人がいたとして、
のちに本当は病気だったとわかり、手遅れだったらどうするかという話。
本作ではバーナードを狂人よばわりしたメノックス博士に
フランクリンがサラリと事実を突きつける姿が痛快でした。
悪趣味なはずが、何でしょ、この爽やかさは。