『プー あくまのくまさん』(原題:Winnie-the-Pooh: Blood and Honey)
監督:リース・フレイク=ウォーターフィールド
出演:マリア・テイラー,ニコライ・レオン,ナターシャ・ローズ・ミルズ,アンバー・ドイグ=ソーン,
ダニエル・ロナルド,ナターシャ・トシーニ,パウラ・コイズ,メイ・ケリー他
シネ・リーブル梅田で3本ハシゴの〆。
みんなが知ってる『クマのプーさん』。
アメリカで著作権保護期間が終了してパブリックドメイン化されたことから、いろんなことをし放題に。
羽生結弦もこよなく愛するプーさんをまさかの極悪キャラクターに仕立て上げるとは。
アメリカの某映画評論サイトでは、「史上最低評価の映画100」にランクインしたそうです。
それに大納得しそうな作品なのですが、客の入りは上々。
高校生以上の男子数人組がやたら多くて、なんか汗臭いやん今日の劇場、と思うほどでした。
こういうバカバカしそうなスプラッタムービーって、若者に人気があるのかしらん。
監督、誰ですか、リース・フレイク=ウォーターフィールドって、知らんし。
出演俳優、誰ですか。ひとりも知らないんですけど。
ウィキペディアで調べても、俳優だれひとりとして英語版にさえリンクがないところが凄い。
ちなみに素顔を見せることはないプー役にはクレイグ・デヴィッド・ドーセット。
ピグレット役はクリス・コーデルが演じています。どっちも知らんっちゅうのよ。
みんなギャラ、安かっただろうなぁ。ロケ地もほぼ移動なしだからカネかからんし。
でもそうして考えると、出演者はそれなりに楽しかったのではないでしょうかね。
初めてのメジャー出演作が良くも悪くも話題になり、出来に反して結構なヒットになりそうだし。
人間の言葉を話せるクマのプー、コブタのピグレット、ロバのイーヨーたちは、
クリストファーと共にずっと森で過ごすはずだった。
しかしそれから数年後、クリストファーは大学進学のために旅立ち、森へ戻ることはなくなる。
大人になったクリストファーは、婚約者のメアリーを連れて森を訪れる。
プーたちのもとを離れたいと思っていたわけではないのに離れてしまった。
離れてからも森での日々を忘れたことはなかったのだとプーに伝えたい。
大好きだったプーにメアリーを紹介して、旧交を温めたい。
そんな思いを胸にワクワクしながら森へとやってきたのに、目の前には殺気すら感じる廃屋しかない。
怯えつつもクリストファーとメアリーが進み入ると、そこに現れたのはプーとピグレット。
ふたりにはもはや昔の面影はなく、恐ろしい殺人鬼へと変貌していて……。
プーたちがこんなふうになっちゃったのには一応ちゃんと理由があるのですよね。
クリストファーに置いて行かれたせいで、厳冬に飢え死にしそうになって、
致し方なくいちばん弱っていたイーヨーを食べたそうなんです、プーとピグレットが。
仲間を食べたことで心が荒んだ彼らは、人間許すまじ、特に、裏切ったクリストファーは絶対許さない、
人間の言葉は二度と喋らないと決めたんですって。(^O^;
冒頭、メアリー役の女優のことを全然可愛くないなぁ、若いのにデコに皺寄りすぎとか思っていたら、
彼女が速攻でプーに殺されて笑いました。なんぼ可愛くなくても、はよ殺されすぎ。
この後、クリストファーはプーに拉致監禁され、生かされてはいますが、
近くにバカンスに訪れた女子大生グループがプーたちの餌食となるのでした。
ま~、殺し方が凄まじいのなんのって。
直視したくないシーンが近づけばなんとなくわかりますから、毎度のごとく目を瞑っていました。
それでも聞こえてくる音が凄いんです。ぐしゅっぐしゅぐしゅぐしゅ、ぎょべじゅばぎょわ~。
音が終わって目を開けると、目ん玉が漫画みたいに飛び出している女性の顔とか(笑)。
もうめちゃくちゃ可笑しい。
女子大生のうちのマリアだけは生き残るのかと思いきや、最後にあっさり喉元を掻き切られて、えーっ。
良心がわずかに残るプーが死に際にクリストファーと涙を流すのかと思いきや、それも無し。
プーは死なない。生きてま~す。
提供するのはニューセレクト株式会社。何本だか配給の記念作品にこれを選ぶとは。
配給はもちろんアルバトロス・フィルム。バイヤー叶井俊太郎さん、さすがです。
それにしても、「原作A・A・ミルン」とするのはどうなんすか。
嫌やろ、こんなところで名前挙げられたら(笑)。