夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ワンダフルライフ』

2003年03月27日 | 映画(わ行)
『ワンダフルライフ』
監督:是枝裕和
出演:ARATA,小田エリカ,寺島進,内藤剛志,谷啓,伊勢谷友介他

今月はちっとも映画を観ていないので、更新しようにもネタ不足。(T_T)
掲示板で『ピンポン』(2002)のスマイル役=ARATAの話が出たので、
彼の出演作のうち、私のお気に入りをご紹介。

天国の入り口にある施設。
「あなたは昨日お亡くなりになりました。
あなたのこれまでの人生のうちで、
いちばんの思い出をひとつだけ選んでください」と言われます。

「いちばんの思い出」を選ぶために与えられたのは7日間。
「あなたの人生」を録画してあるテープが目の前に積まれ、
「あなた」はそのなかから大切な思い出を選びだします。

「あなた」が選んだ思い出は施設の職員たちによって撮影され、
最終日に上映会が開かれます。
その大切な思い出を胸に、「あなた」は天国へと旅だってゆきます。

施設の職員を演じるのがARATAや小田エリカ。
実は彼らもすでにこの世の人ではありません。
彼らは7日間で「いちばんの思い出」を決められなかったがために、
そのまま施設に残り、あとからやってくる人々の思い出選びの手伝いをしているのです。

とても静かな映画で寝そうになります。
が、それが心地いいというのか。
こういう設定を考えついただけで勝ちやなぁと思いました。
1999年の映画。

同監督は2001年には『DISTANCE/ディスタンス』という映画も撮っています。
これはオウム真理教の地下鉄サリン事件をベースに、
「加害者側の家族」に焦点を当てたもの。
こちらにもARATA、伊勢谷友介、寺島進などが出演。
ちなみにARATAはパリ・コレなどのモデルも務めた人。
『ピンポン』でスマイルに注目した方は、ほかの作品もぜひどうぞ。

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『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』

2003年03月20日 | 映画(ら行)
『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(原題:The Lord of the Rings: The Two Towers)
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド,イアン・マッケラン,ヴィゴ・モーテンセン,
   オーランド・ブルーム,リヴ・タイラー他

引っ越しでドタバタしていたら、あっというまに今月はもう20日に。
映画に飢えて観たのが昨日。幸せ。

第1部でオークの襲撃に遭い、はなればなれになってしまったフロドとその仲間たち。
フロドとサムは指輪を捨てる使命を果たすため、旅を続けます。
いまは異なる場所にいる仲間たち。
それぞれがそれぞれの場所でぶち当たる戦い。

やっぱり、好き、好き、この映画。
壮大なロールプレイング・ゲームやなぁ。
長すぎるという人もいるけれど、
99時間超えてもゲームしつづけていたい私としては、3時間なんてなんのその。
もっと見せて~っちゅう感じです。

映画の中身についてはいまさら私がコメントするまでもないでしょうから、
出演者について小ネタを。

ガンダルフ役のイアン・マッケランはイギリスの名優。
ゲイであることをカミングアウトしています。
英国演劇界に多大な貢献をしているにもかかわらず長年サーの称号が与えられず、
「これはきっと自分がゲイだからだ!」と憤慨していたこともありました。
しかし、10年ほど前に無事、称号を与えられた模様。
彼の主演作でオススメなのは『ゴッドandモンスター』(1998)。
フランケンシュタイン映画で有名な実在した監督が
ゲイだったのではないかとの疑惑に基づいた作品で、マッケランがもちろんその監督役。

アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセン。
なかなかクールでハマリ役に見えますが、結構クセモノ役が多い人。
『オーバー・ザ・ムーン』(1999)は人妻を惑わす古着商人役でした。
あかんあかんと思いつつ、なんとなく女がイカレてしまうような
色気のあるヤサ男風兄ちゃんを演じさせるとアラゴルン役以上か。

そのアラゴルンに想いを寄せるローハンのエオウィン姫を演じる、
ミランダ・オットーはオーストラリア出身の女優さん。
オススメは『女と女と井戸の中』(1997)。
車を運転中にはねてしまった男性の死体を井戸に放り込む女性ふたり。
全体に青い色が漂う不思議なサスペンス映画です。

エルフの姫、アルウェンを演じるリヴ・タイラーが
エアロスミスのボーカル、スティーヴン・タイラーの娘だというのは有名な話ですよね。
あの下品な口元からあんな綺麗な娘が生まれるのか~!

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この邦題にご苦労様。

2003年03月11日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
『わたしが美しくなった100の秘密』(1999)を含め、
長めの邦題で苦労の色が見えるものがいろいろあります。

『2999年異性への旅』(2000)。
男性しか存在しない星からやってきた主人公。
彼の使命は地球の女性と子どもをもうけて繁殖させ、やがて宇宙を支配すること。
偽の生殖器を装着された彼は、地球で出会った女性とめでたく結婚し、
ひたすらセックスをくりかえす。
とってもB級チックだとお思いでしょうが、出演者はそれなりの人が固めています。
原題は“What Planet Are You From?”。
ちょっと、いやかなりスベってる?

『宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式』(1999)。
宇宙人向けに地球人の性行動を解説したドキュメンタリー風コメディ。
男女の出会いからセックスにいたるまでの背景、心情をこと細かに解説。
くそまじめなナレーションがとっても笑えます。この映画は侮れん。
借りるには勇気のいる邦題ですが、見つけたら迷わずにレンタルしましょう。
原題は“The Mating Habits of the Earthbound Human”。

ここ数年の「流行(ハヤリ)ものタイトル」は、ちょっと長めでおしゃれな感のあるもの。
どちらも原題に近いと言えますが、
『彼女を見ればわかること』(2000)←“Things You Can Tell Just by Looking at Her”
『クリスティーナの好きなコト』(公開中)←“The Sweetest Thing”
この2本はどちらもキャメロン・ディアス主演。

そして、彼女の出演作のもう1本の「流行ものタイトル」は『姉のいた夏、いない夏。』(2001)。
原題は“The Invisible Circus”だから、完璧な流行もの。
語尾に「。」がついてるところがミソ。
「モー娘。」の影響力ってすごい。

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恋と夢とあなたとわたし〈恋編〉

2003年03月07日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
原題に“Love”が含まれているものはもちろん多いですが、
そうじゃなくても邦題は「恋」だらけ。
あまりに類似したタイトルが多くて、観たかどうか思いだせないことがあります。

『恋のドッグファイト』(1991)。
今は亡きリバー・フェニックスの青春恋愛もの。
まもなくベトナムへと発ってゆく海兵隊員たちのパーティー。
会場でいちばんブスな女の子を連れてきたヤツに賞金が出る。
ブスなウェイトレスをナンパしたつもりが、ふたりはほんとに恋に落ちる。
このパーティーの名前が原題の“Dogfight”でした。

『恋は負けない』(2000) 。
ド田舎から都会の大学へやってきた男性。
田舎では人気者だったはずが、都会ではみんなにコケにされる。
そんななか、唯一優しくしてくれた美女にひとめ惚れ。
ところが彼女は大学教授の不倫の相手で……というコメディ。
原題は“Loser”です。

『恋はハッケヨイ!』(1999)は女相撲取りの話で、実はまだ観ていません。
しかし、『恋は負けない』のタイトルのあとでは
なんとなくこのハッケヨイも観たことがあるような気に。
原題は“Secret Society”。なんでこうなるの?

『恋に落ちたら…』(1993)は原題“Mad Dog and Grory”。
命を救った男がギャングのボス。
ボスはお礼にひとりの美女を差し入れる。
ボスの女に手を出しちゃいかんと思いつつ、やっぱり好きになっちゃって。

『恋におちて』(1984)は、クリスマス・プレゼントを取り違えたことから始まる不倫話。
こちらは原題もそのまんまの“Falling in Love”でしたが、
『恋におちて』も『恋に落ちたら…』も主演がロバート・デ・ニーロ。
ややこしいっちゅうねん。

ヒュー・グラント主演の『恋するための3つのルール』(1999)。
愛する彼女にプロポーズしたら、彼女の父親なんとマフィア。
ファミリーの一員として自分もマフィアを装うため、
付いた呼び名が“Mickey Blue Eyes”。これが原題。

ほかにも、
『恋のスクランブル』(1983)←“Class”
『恋のためらい』(1991)←“Frankie & Johnny”
『恋に焦がれて』(1992)←“That Night”
『恋はワンダフル!?』(1997)←“The Matchmaker”などなど。

原題に「恋」と入っていても、
『恋に落ちたシェイクスピア』(1997)みたいにあまりにマンマだと、
日本語で言うのが恥ずかしくなってしまったのは私だけ?

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恋と夢とあなたとわたし〈夢編〉

2003年03月02日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
「恋」か「夢」か悩んだあげく、「夢」からということで。

タイトルに「夢」やら「奇跡」やらが降ってたり湧いてたりすると、
結末見え見えやなと思いつつ、最後は必ずほっとできたりして、
見ずにはおれんのが心情?

『あなたに降る夢』(1994)は、原題が“It Could Happen to You”。
フツーの警官が休憩時間に喫茶店へ。
財布を忘れたこと気づいた彼は、
「宝くじが当たったら賞金を半分渡すから」という条件で
ウェイトレスに代金を立て替えてもらいます。
そしたらホンマに当たってしもて……。
ウェイトレスに約束どおり支払おうとする警官。
ごうつくババアと化した妻は、「当たったなんて黙っとったらわからんやん。
アンタ、アホちゃうか」となじります。
ほんとにあなたにも起こるかも……ンなわけ、ないか。

邦題のサブタイトルとして「夢」を絡めてあるものも多いです。
たとえば、
『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』(1983)、
『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992)、
『ザ・ベーブ/夢を生きた男』(1992)、
『ザ・カップ/夢のアンテナ』(1999)などなど。
すべて「/」の前部分のみが原題です。

『ザ・カップ』はダライ・ラマも協力したというブータン初の映画ですね。
どうしてもワールドカップを見たい若いチベット僧たち。
みんなでお金を出しあって、アンテナをレンタルします。
僧院に運ばれる巨大なパラボラアンテナ。
まさに夢を運ぶアンテナでした。
原題はチベット語(?)で私にはわかりませんが、英語のタイトルは単なる“The Cup”です。

ついでですが、
サッカーのワールドランキング202位のブータンと、203位(最下位)のモントセラトが対戦した、
「もうひとつのワールドカップ」の記録映画、
『アザー・ファイナル』がもうじき公開されます。
こちらは原題も“The Other Final”。
いかにも「夢」のつきそうな題材でありながら、邦題はシンプルです。

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