夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラブ・アクチュアリー』

2004年02月23日 | 映画(ら行)
『ラブ・アクチュアリー』(原題:Love Actually)
監督:リチャード・カーティス
出演:ヒュー・グラント,リーアム・ニーソン,エマ・トンプソン,
   アラン・リックマン,コリン・ファース,キーラ・ナイトレイ,
   ローラ・リニー,ローワン・アトキンソン,ビル・ナイ他

まもなくクリスマスを迎えるロンドンを舞台に
総勢19人が織りなす「愛」に溢れた物語。
現在ロードショー中。

新首相のデヴィッドは若くて二枚目で独身。
威厳を保ちたいところだが、お茶汲みに配属されたデカ尻のナタリーに一目惚れ。

妻を亡くしたダニエルは、妻の連れ子で11歳のサムとの関係に悩んでいる。
哀しみからサムが心を閉ざしていると思っていたが、
実はサムは学校一の人気者の女の子に恋をして苦しんでいた。

ミステリー作家のジェイミー。
恋人を弟に寝取られ、傷心の旅に出る。
南仏の湖畔のコテージにやってきたメイドはポルトガル人のオーレリアで、
まったく言葉が通じない。

デザイン会社を経営するハリー。
妻カレンと子ども3人を持つ父親だが、最近秘書のミアに言い寄られている。

そのハリーの会社に勤めるサラ。
入社以来2年と7ヵ月の間、デザイナーのカールを想い続けている。
誰が見てもバレバレのその様子に、ハリーは告白するようサラにうながす。

ビリーはかつての人気ロック歌手。
すっかり老いぼれてしまったが、大ヒットした自らの昔の曲の歌詞を変えて、
クリスマス・ソングとして売り出そうとしている。
ビリー自身はアホらしいと思っているために
キャンペーンでも放送禁止用語を連発。
長年マネージャーを務めるジョーはハラハラしている。

画家のマークは親友ピーターの結婚式に出席。
新婦のジュリエットは、夫の親友であるマークと打ち解けたいと思っているが、
マークは常によそよそしい。
それは、マークがジュリエットに恋してしまったことをひた隠しにしていたからだった。

映画の撮影現場で俳優のベッドシーンの代役を務めるジュディとジョン。
アメリカン・ギャルとの出会いを求めてナンパの旅に出かけるコリン。
そしてその恋を見守る宝石店の店員。

登場人物がこれだけ多いのに散漫な印象もなし。
みんな一途で、みんなに感情移入してしまい、あぁ、恋するってええなぁと。(^^)
切なく、楽しく、幸せ。
この作品を退屈だと思う人もおられましょうが、私は何度でも観たいなぁ。

ロック歌手とマネージャーに泣かされた人、私もです。(^O^;

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『えびボクサー』

2004年02月18日 | 映画(あ行)
『えびボクサー』(原題:Crust)
監督:マーク・ロック
出演:ケヴィン・マクナリー,ペリー・フィッツパトリック,
   ルイーズ・マーデンボロー,マドハヴ・シャルマ他

反則や、こんなタイトル。
絶対おバカやと思いつつ、絶対無視しては通れない。(T_T)
「えび」がひらがなであるところが妙に郷愁を誘うのでした。
嗚呼、おバカ。

イングランドでパブを経営するビルは43歳。
以前は将来を期待されたボクサーだったが、いまはアル中同然。

そんなビルのもとへ、友人の“何でも屋”アミッドが商売の話を持ちかける。
カリブ海に生息する巨大エビを捕らえて
人間とボクシングさせようと言うのだ。
体長2メートルを超えるそのエビは、攻撃してくる相手に対して
ハサミで強烈なパンチを喰らわせる習性があるという。

最初は「そんなアホなことを」と話にのらなかったビルだが、
毎日の怠惰な暮らしを変えるべく、エビに夢を託すことに。

息子のようにかわいがっているボクサー、スティーブと、
そのガールフレンドであるシャズとともに、
ビルはテレビ局をまわってスポンサーを探す。

前途多難と思われるなか、3人とエビのホテル住まいが始まる。
世話をするうちに、ビルは次第にエビに愛情を覚えるようになる。
やがてこの企画があるプロデューサーの目に止まり……。

アホでしょ。
Mr.Cと名前のついているこのエビはグロテスクなこと、このうえなし。
しかし、なぜか見入ってしまうのですよ。
音楽はと言えば、水中ドキュメンタリーなどでよくかかるような
コポコポコポっという泡(あぶく)みたいな音だったりして、
これもまた笑える。

ビルがエビの殻に保湿クリームを塗って手入れしてやったり、
水を恋しがるMr.Cを風呂に入れてやったり。
仕事にあぶれた男がエビと思いを共にし、
情けない姿をさらしてがんばる様子は
『フル・モンティ』(1997)などのイギリス映画と共通。

憎めないよなぁ、こういう映画は。
ちなみに、ジャケットのキャッチコピーは
「史上初!エビのスポ根、サクセス・ストーリー!」。
「史上初」ってそら当たり前やろ。
ほかにこんなアホなことを考える奴、おらんっちゅうの。(--;

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『アバウト・シュミット』

2004年02月16日 | 映画(あ行)
『アバウト・シュミット』(原題:About Schmidt)
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ジャック・ニコルソン,キャシー・ベイツ,ホープ・デイヴィス,
   ダーモット・マルロニー,ハワード・ヘッセマン,レン・キャリオー他

アメリカ中西部オマハ。
大手保険会社「ウッドメン」の一室で、
この日、定年退職を迎えるウォーレン・シュミットは
時計が17時を示すのをじっと待っていた。

退社後は彼の定年を祝うパーティーが催され、
雛壇に座るウォーレンには贈り物と祝辞の山。
しかし、彼はなぜか孤独を感じている。

長年の友人であるレイは、そうした彼の心を見透かしてか、
「たくさんの贈り物にもうわべだけの賛辞にも意味はない。
年金も社会保険も無意味だ。
本当に意味があるのは、生涯をかけて何かを成し遂げることだ」
とスピーチする。

ウォーレンは会社のために懸命に働き、
娘を立派に育てあげ、妻とも仲睦まじく連れ添い、
生涯をかけて意味あることをしてきたはずだった。

だが。
翌日からの彼の心は空っぽで、起きても何をしていいのかわからない。
そんなとき、恵まれない子どもたちへの援助を募るCMを目にする。

さっそく応募したウォーレンのもとへ、
振込用紙とともに、アフリカのひとりの子どもの写真が届く。
「彼に手紙を書いてやってください」との言葉に、
ウォーレンは筆をとる。

自己紹介のつもりで書き始めた手紙だったが、
そこでウォーレンは日頃の鬱憤を晴らしてしまう。
会社の自分の後任はアホ。
自分の隣で寝ているバアさんは誰なんだ?
これが自分の妻なのか?
妻のすることなすことすべてに腹が立つ。
手紙を書き終え、投函しに出かけるが、
帰宅すると妻は脳硬塞で死亡していた。

慌ただしく葬儀を済ませるウォーレン。
葬儀のために愛するひとり娘ジーニーが帰郷していたが、
彼女はろくでなしのランドールと結婚を控え、
すぐにデンバーへ戻ると言う。

ひとりで荒れた生活を送っていたウォーレンは
娘に会いに行く決意をし、キャンピングカーに乗り込む。
こうしてウォーレンの旅が始まった。

知らず知らずのうちに心を閉ざし、
自分の孤独を意識していなかったオヤジ。
会社を離れた瞬間にそれが浮き彫りになります。
自分を理解しない周囲が悪いと思っていたオヤジが、
徐々に人と心を通わせることを理解していく様子は
見ていて応援したくなります。
ジャック・ニコルソンだと特に。

さて、あなたは、ウォーレンと誰をダブらせて観る?

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『シャレード』

2004年02月10日 | 映画(さ行)
『シャレード』(原題:The Truth About Charlie)
監督:ジョナサン・デミ
出演:マーク・ウォールバーグ,タンディ・ニュートン,クリスティーヌ・ボワッソン,
ティム・ロビンス,アンナ・カリーナ,テッド・レヴィン,パク・チュンフン他

エーゲ海でのバカンスからパリに戻ったレジーナ。
結婚してまだ3ヵ月の夫チャーリーに、
どうやって離婚を切り出そうか悩んでいる。
しかし、帰宅してみると、家はもぬけのから。
夫はもちろん、高価な家具一式もみごとになくなっていた。

事情がつかめず呆然とする彼女のもとへ刑事がやってくる。
画商だと思っていた夫は偽名を使いまくる怪しい人物だったうえに、
家具をすべて売り払い、旅先の列車内で殺されていた。
いったい夫は何者だったのか。

夫が殺されたあと、3人組の男女がレジーナを狙う。
どうやら夫は仕事仲間を裏切って大金を手に入れたらしい。
カネを取り戻すことに躍起になっている彼らは、
執拗にレジーナをつけまわす。
さらには米大使館員だという男がレジーナに助けを申し出る。
女刑事はケンカ腰。

途方に暮れるレジーナは、エーゲ海で知り合ったジョシュアとばったり再会。
やっと心を許せる相手と出会ったはずが、ジョシュアの行動までが怪しくなる。

誰が味方やねん!

というわけで、あのオードリー・ヘプバーンの名作『シャレード』(1963)を
あの『羊たちの沈黙』(1991)のジョナサン・デミ監督がリメイク。
めちゃめちゃ大胆じゃありませんか。
これはオリジナルとはまったく別物だと思って観ましょう。
比べなければそこそこ楽しめます。

パリっておしゃれなイメージしかなかったのに、
サスペンスに満ちたあぶない街に思えるおもしろさもあります。
ケーリー・グラントとヘプバーンが演じた主演2人とは
まるで対照的なマーク・ウォールバーグとタンディ・ニュートンもそれはそれで○。
でも、現在のレンタル新作でウォールバーグを観るなら、
やっぱりコレより『ミニミニ大作戦』(2003)やなぁ。
タンディ・ニュートンは『M:I-2』(2000)のトム・クルーズの相手役の女優さん。

キャストは結構ゴージャスなのに、なんで日本未公開だったの?

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『WATARIDORI』

2004年02月09日 | 映画(わ行)
『WATARIDORI』(原題:Le Peuple Migrateur)
総監督:ジャック・ペラン
共同監督:ジャック・クルーゾ,ミッシェル・デバ
ナレーション:ジャック・ペラン

レンタルが開始されてから、はよ観ようと思いつつ、
絶対途中で寝てしまうような予感がして先延ばしにしてました。

で、やっぱり寝そうになったがな。(^O^;

フランス人俳優である監督が3年もの年月と莫大な費用をかけて、
100種類にもおよぶ渡り鳥の生態を撮影したドキュメンタリー。
ナレーションも必要最低限度におさえ、
ひたすら渡り鳥を追いつづけます。

鳥たちをビビらせてはいけないので、
人間に慣れてもらうために卵の段階から飼育したそうな。
鳥の群れとともに飛ぶため、超軽量の飛行機を製造したという話どおり、
映像を見る者も鳥とともに飛んでいるような気にさせてくれます。

もちろん、すべての鳥が無事に渡れるわけもなく、
工場地でオイルにまみれて飛びたてなくなったり、
翼が傷ついたところをカニの大群に襲われたり、
産まれてまもないところを別の強い鳥に食べられたり。
思わず涙ぐみそうになりますが、最近テレビで見た写真家が、
「野生動物や鳥たちのこうした自然界でのさまを見て、
かわいそうだと言ってはいけない」と言っていたのを思い出しました。

ジミ~な作品だけど、景色も飛ぶシーンもなんと気持ちのいいこと。
鳥好きにはこたえられん1本でしょうね。

それにしても笑ってしまったのは、
人間でも鳥でもどんくさいヤツはおるんやなぁということ。
私も人のことは言えませんが。(^^;
み~んなスタスタ歩いてるのにいきなりズベッと転んだり、
岩に飛び移りそこねてひっくり返ってるペンギンはおおいにかわいい。

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