『転々』
監督:三木聡
出演:オダギリジョー,三浦友和,小泉今日子,吉高由里子,岸部一徳他
深夜TVドラマ『時効警察』の監督・主演コンビによる、
藤田宜永原作の同名小説を基にした映画。
「同名小説の映画化」ではなく、あくまで「基にした映画」で、
原作とは微妙に異なる味わいになっているようです。
大学8年生の文哉は、3歳のときに両親に捨てられ、
育ての親とも訳あって今は疎遠。
身寄りもなければやる気もない。
最近感情をあらわにしたことすらない彼に
あるのはいつのまにか膨れ上がった借金84万円のみ。
ある日、自室でぼんやりとしている彼のもとへ
借金取りの福原が殴り込みにやってくる。
3日以内に返すようにと言い残して去る。
返済期限の前日、途方に暮れる文哉の前に
再び現れた福原は、借金をチャラにしてやるという。
東京散歩につきあえば、100万円くれてやると。
1日で終わるか、1カ月かかるかわからない散歩だが、
それで借金が消えるなら、怪しくても話に乗らない手はない。
こうして福原と文哉の東京散歩が始まる。
ゆる~いです。めちゃくちゃ和みます。
文哉を演じるオダギリジョーもいいけれど、
福原を演じる三浦友和がほんとに味のあるオッサン。
福原がいったいどこを目指して散歩し始めるのか、
終盤に明かされるのかと思いきや、序盤でいきなり告白が。
かっとなって妻を殺してしまい、
霞ヶ関の警視庁へ自首しに行くのです。
道中、数々の想い出の場所へ。
「おまえの想い出の場所は?」と問われて
なかなか思いつかない文哉。
ファーストキスの相手を探し出してみれば、
相手に予想だにしていなかったことを言われて凹みまくったりして。
監督は『亀は意外と速く泳ぐ』(2005)の人で、
本作もやはり小ネタてんこ盛り。
ランチ帰りのOLはなぜ財布をあのように持つのか。
たき火に当たる工事現場のおっちゃんの手はなぜアソコなのか。
針金ハンガーを頭にかぶると自然と首が回るとか、
町で岸部一徳を見かけると幸せになれるとか。
こういうネタがことごとく私のツボにハマり、始終クスクス笑いでした。
小ネタはさておき、それぞれの過去が書き込まれているわけではないのに、
その表情を見ているうちに、
「みんな、いろんな過去を背負って生きてるんだよ」、
それを誰かに優しく見守られている気分になります。
幸せは、来ていることに気づかないほど
じんわりとやってくる。
監督:三木聡
出演:オダギリジョー,三浦友和,小泉今日子,吉高由里子,岸部一徳他
深夜TVドラマ『時効警察』の監督・主演コンビによる、
藤田宜永原作の同名小説を基にした映画。
「同名小説の映画化」ではなく、あくまで「基にした映画」で、
原作とは微妙に異なる味わいになっているようです。
大学8年生の文哉は、3歳のときに両親に捨てられ、
育ての親とも訳あって今は疎遠。
身寄りもなければやる気もない。
最近感情をあらわにしたことすらない彼に
あるのはいつのまにか膨れ上がった借金84万円のみ。
ある日、自室でぼんやりとしている彼のもとへ
借金取りの福原が殴り込みにやってくる。
3日以内に返すようにと言い残して去る。
返済期限の前日、途方に暮れる文哉の前に
再び現れた福原は、借金をチャラにしてやるという。
東京散歩につきあえば、100万円くれてやると。
1日で終わるか、1カ月かかるかわからない散歩だが、
それで借金が消えるなら、怪しくても話に乗らない手はない。
こうして福原と文哉の東京散歩が始まる。
ゆる~いです。めちゃくちゃ和みます。
文哉を演じるオダギリジョーもいいけれど、
福原を演じる三浦友和がほんとに味のあるオッサン。
福原がいったいどこを目指して散歩し始めるのか、
終盤に明かされるのかと思いきや、序盤でいきなり告白が。
かっとなって妻を殺してしまい、
霞ヶ関の警視庁へ自首しに行くのです。
道中、数々の想い出の場所へ。
「おまえの想い出の場所は?」と問われて
なかなか思いつかない文哉。
ファーストキスの相手を探し出してみれば、
相手に予想だにしていなかったことを言われて凹みまくったりして。
監督は『亀は意外と速く泳ぐ』(2005)の人で、
本作もやはり小ネタてんこ盛り。
ランチ帰りのOLはなぜ財布をあのように持つのか。
たき火に当たる工事現場のおっちゃんの手はなぜアソコなのか。
針金ハンガーを頭にかぶると自然と首が回るとか、
町で岸部一徳を見かけると幸せになれるとか。
こういうネタがことごとく私のツボにハマり、始終クスクス笑いでした。
小ネタはさておき、それぞれの過去が書き込まれているわけではないのに、
その表情を見ているうちに、
「みんな、いろんな過去を背負って生きてるんだよ」、
それを誰かに優しく見守られている気分になります。
幸せは、来ていることに気づかないほど
じんわりとやってくる。