夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『映画 クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』

2016年04月30日 | 映画(か行)
『映画 クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』
監督:高橋渉
声の出演:矢島晶子,ならはしみき,藤原啓治,こおろぎさとみ,
     川田妙子,安田顕,吉瀬美智子,とにかく明るい安村他

TOHOシネマズ西宮で2本ハシゴの1本目。
GW前週とあって、観たい映画が次々に公開されています。
優先順位を付けかねたけれど、これはムビチケを購入済み。
GW中にTOHOシネマズの「1ヶ月フリーパスポート」をつくる気でいるから、
本作を観てしまっておかないとムビチケを無駄にしそう。
そんな理由からまずこれを。

このところ、劇場版は必ず観ている“クレしん”
お父さんあるいはお母さんと子ども、もしくは婆ちゃんと孫という客が多く、
アラフィフひとりの女性客というのはちょっと見当たらず。
しかしそのすべての客層を笑いと涙の渦に引き込むクレしん、恐るべし。

監督は『映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(2014)の高橋渉。
脚本は劇団ひとり。この人、顔はタイプじゃないんですけど、多才ですねぇ。

近ごろ、春日部周辺では住民が悪夢に苦しめられるという現象が多発。
時期を同じくして、野原しんのすけのかよう幼稚園に転入生がやってくる。
貫庭玉サキというその転入生の少女に男児たちはぞっこんだが、
おバカの相手なんかしていられないと、サキはあからさまに見下した態度。
最初はサキのことをよく思っていなかった桜田ネネは、
徹底して冷ややかなサキに見どころありと判断、カスカベ防衛隊に誘う。

目下のカスカベ防衛隊の使命は、住民の悪夢の原因を突き止めること。
しんのすけ、ネネ、風間トオル、佐藤マサオ、ボーちゃんは、
一丸となって調査を始めるが、どうもサキの様子がおかしい。
実はサキは悪夢のせいでぐっすり眠ることができず、
父親で夢の研究者である貫庭玉夢彦が、そんなサキのために開発した装置で
住民の楽しい夢を吸い取ってユメルギーとしていることが判明するのだが……。

映画のう○こネタは苦手な私も、しんちゃんの下ネタには大笑い。
子ども向けの映画を観に行っても退屈しているちびっこを見かけるものだけど、
これは子どもたちみんな大笑いしていました。
加えて、渡辺篤史の『建物探訪』ネタや大和田獏ネタが出てくるから、
大人もみんな大笑い。楽しすぎる。

『逆襲のロボとーちゃん』が父親泣かせの作品だとしたら、本作は母親泣かせの作品。
これだけ笑わせておいて、泣きのツボはしっかりと。
わが子のためにとんでもないパワーを見せる母ちゃんの姿に泣きました。
大人ばかりが悪夢に苦しめられ、子どもの気持ちを取り戻せば楽しい夢を見られる。
そんな設定はおバカなだけではなく、いろいろと考えさせられます。

やっぱり“ドラえもん”より好きなんだなぁ。
“名探偵コナン”も面白かったけど、“クレしん”なんてと思っている大人の皆様、
強く推します。観てみて~。

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『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』

2016年04月29日 | 映画(ま行)
『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』
監督:静野孔文
声の出演:高山みなみ,山崎和佳奈,小山力也,天海祐希,茶風林,
     緒方賢一,岩居由希子,高木渉,大谷育江,林原めぐみ他

前述の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の後、
20分しかないのにエキスポシティ内のイズミヤへ買い物に走り、
晩ごはんのメニューを考えながら野菜その他を購入。
さすがに20分では劇場へ戻れませんでしたが、本編には余裕のセーフ。

『週刊少年サンデー』に1994年から連載中の青山剛昌のコミック。
既刊89巻とのこと、凄いですねぇ。
2006年から放映中のTVアニメもその人気とどまるところを知らず。
劇場版を公開すればいつだって満席の嵐。
私はコナン世代からは遠く離れているので興味が湧かず、
コナンといえば『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』(2013)しか観ていません。

しかしあまりの人気に今回は観てみようという気になりました。
シネコンで上映中の作品では、これぐらいしか未見のものがなかったせいでもありますけれど。

劇場版だけでも第20弾らしく、ついていけるのか不安でしたが、なんとわかりやすいこと。
オープニングのかいつまんだ説明だけでほぼわかります。めちゃくちゃ親切。

最初の15分はコナンの出番がありません。
ド派手なカーチェイスが繰り広げられます。

ある日、警察庁に何かを盗む目的で忍び込んだ女を
公安警察の安室透とFBIの赤井秀一が追いかける。
女は見事に逃げおおせたと思われたが、逃走途中に記憶を失い
傷だらけのまま呆然とベンチに腰かけていたところ、
江戸川コナンと灰原哀に声をかけられる。

場所はリニューアルオープンしたばかりの東都水族館
コナンと哀は少年探偵団や阿笠博士とともにちょうど遊びに来ていたのだ。
女を放っておけずに、記憶を取り戻せるよう手伝うことにするが、
彼女の瞳の色の特徴から、黒ずくめの組織のNo.2かもしれないことに哀が気づく。

同時期、世界各地で暗殺事件が連続して発生。
被害者はいずれも黒ずくめの組織に潜入していた各国諜報機関のスパイ。
どうやら潜入捜査がバレて殺されたらしい。
もしそうであれば、同じ立場の安室も命を狙われるにちがいない。
コナンは安室に連絡を取ろうとするのだが……。

いんや~、楽しかった!
決して子どもだけに向けたものではなく、大人も十分に楽しめる内容。
謎解きもなかなか楽しめるし、アクションも凝っています。
もしもこれまでの私のように「コナンなんて」とお思いの人がいれば、
ぜひ一度ご覧になることをお薦めします。

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『ルーム』の原作、『部屋』上下巻を読みました。

2016年04月28日 | 映画(番外編:映画と読み物)
エマ・ドナヒューによる『ルーム』の原作、『部屋』上下巻を読みました。

映画版は原作にほぼ忠実でした。
監禁された母子が知恵を巡らし体を張って脱出するサスペンス劇かと思ったら、
最初の1時間で「部屋」から見事脱出、
後半1時間は無事保護されてからの話だった映画同様、
原作の上巻はその名も『部屋 インサイド』、下巻は『部屋 アウトサイド』となっています。
誘拐監禁事件は、保護されただけでは終わりません。

上下巻とも終始、5歳の息子ジャックの言葉で語る形式が取られています。
ほとんど平仮名、子どものしゃべり言葉の一人称で、
ジャックの目を通してすべての物事が語られるから、
それ以外の登場人物の思いや周囲で巻き起こる出来事については
読者は映画版よりもずっと強い想像力を強いられます。
それゆえ映画版よりも生々しく感じられるシーンもいくつか。

映画版ではジャックの何気ない言葉に傷ついたりいらついたりする母親が
目の前にわかりやすい姿で出てきてくれたわけですが、
原作ではジャックが私に向かって話しかけてきているようで、
母親と同じようにいらつく自分がいます。
決死の覚悟で「部屋」から脱出したのに、
「部屋」にいたときを懐かしむジャックには声を荒げたくなったり。

5歳になっているにもかかわらず、まだおっぱいをほしがるジャック。
映画版ではそれはサラッと描かれていましたが、
原作にはおっぱいをねだるシーンがしつこいほど登場して、
このシーンにも若干嫌悪感を抱いてしまいました。

訳者のあとがきにあるように、訳の工夫はいたるところに感じます。
それゆえ上記のようなイライラも起こってしまうのでしょう(笑)。

10代で誘拐監禁された母親。もしかすると一生ここから出られないかもしれない。
そんなふうに絶望的な思いがあるにもかかわらず、
息子の健康に気を配り、語彙を増やそうといろんな遊び方や学び方を工夫する。
その様子に母親の偉大さを知り、頭が下がる思いではありますが、
この若さでこんなに幅広い知識を持っていたことに違和感も多少は持ってしまいます。
原作のほうがその点も強く感じました。

ジャックの視点でしか描かれない分、
ラストシーンは映画版と同じであるにもかかわらず、
原作ではその素晴らしさが伝わってきにくい。
原作を読んでイマイチだと感じた方は、映画版をご覧になることをお勧めします。

それにしてもこの文庫本の値段はなんだ。
上巻320頁、下巻336頁、上下巻併せても京極夏彦の1冊分より薄いくせして、
各巻900円超えなのですから。高っ!

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『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』

2016年04月27日 | 映画(は行)
『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(原題:Batman v Superman: Dawn of Justice)
監督:ザック・スナイダー
出演:ベン・アフレック,ヘンリー・カヴィル,エイミー・アダムス,ジェシー・アイゼンバーグ,
   ダイアン・レイン,ローレンス・フィッシュバーン,ジェレミー・アイアンズ他

車のタイヤを4本とも交換してからたった1週間後。
左後輪がパンクしたのでオートバックスに持って行ったら、
裂けているので修理不能、交換しなければならないとのこと。
仕方がないので1本注文して、とりあえずスペアタイヤに履き替え。
そうしたら翌日前輪も裂けて唖然。多少ぼやきつつもう1本注文。
職場で元上司に話したら、「それ、ミシュランじゃなくてミシランだったんじゃないの」。
すげぇダジャレ(笑)。

1本だけなら仕事帰りに寄って交換してもらおうと思っていましたが、
スペアタイヤは2本はないし、急遽休みを取ることに。
しかしタイヤ入荷までの3日間、車がないとどうにも不便で、
タイムズレンタカーを申し込みました。なんでもいいので軽を。
衝動的に車を買ったときに借りたムーヴのようなことはなかったです。

そしてレンタカーを返却&タイヤ交換をする日。
ちょうど読んでいる途中だった浅田次郎の本に、
「時間は、あるなしではなくて、つくるもの」と書いてあったのを思い出し、
つくりました、ありったけの時間。

まずは朝6時過ぎに、レンタカーとマイカーをダンナとそれぞれで運転、
オートバックスの真ん前のコインパーキングへマイカーを駐車。
レンタカーでダンナを箕面駅まで送り届け、一旦帰宅。
レンタカー返却までに浅田次郎の上記の本、残っていた数十頁を読み終えて、
TSUTAYA DISCASでレンタルして途中まで観ていたDVDを最後まで観ました。

それから家を出発。
あと数分で開店というオートバックスにレンタカーを駐め、
向かいのコインパーキングに駐車中のマイカーを出庫してオートバックスへ。
レンタカーを交差点斜向かいの店へ返却しに行って、
徒歩でオートバックスへ戻り、タイヤ交換を依頼。
浅田次郎の『地下鉄(メトロ)に乗って』を読みながら作業終了を待ちました。

30分ほどでタイヤ交換終了し、ダンナ実家へ定例の食パン配達
少しおしゃべりしてから109シネマズ大阪エキスポシティへと向かったのでした。

TOHOシネマズ伊丹か西宮なら、映画2本観れば2本分の駐車サービスを受けられるけど、
109シネマズが入っているモールではそれをしてくれません。
で、駐車サービスを受けるためだけにポイントカードをつくることに。
クレジット機能付きを勧められたけど、申し込むだけで15分かかるらしく、
映画の上映開始まであと5分しかなかったのをいいことに、
カードを受け取るだけでいいクレジット機能なしのカードをゲット。

こうして慌ただしく劇場へ駆け込み、4DX3D版を鑑賞しました。
どんだけ長い前置きなんだ。すみません。

メトロポリスの新聞社デイリー・プラネットで記者として働くクラーク・ケント
一見人間だが、その正体はクリプトン星人のスーパーマン。
同僚のロイス・レインはそれも知ったうえでの恋人。

あるとき、砂漠で取材中のロイスが何者かに命を狙われ、
ただちに駆けつけたスーパーマンが救出するが、その過程で謀略があり、
スーパーマンが多数の民間人を殺したと誤解される。

スーパーマンによって人類は危機から救われてきたが、
同時にさまざまなものが破壊されてきたのも事実。
大富豪のブルース・ウェインは、自社ビルが巻き添えを食らって壊され、
多くの社員を失ったことから、バットマンとなって平和を守ることを決意。
こうしてスーパーマンとバットマンが対立する。

スーパーマンはまさにアメリカの姿。
そしてバットマンはそれに巻き込まれた民間人の姿なのでしょう。
ふたりの母親の名前は同じ、マーサ。
母国を同じくする両者の戦いを表し、
いったい何をしているんだという問題の提起ではないかと思われます。

過去に観た2度の4DXより動きが激しく、疲れたのなんのって。
3Dメガネが何度飛びそうになったことか。152分間の4DX3Dはしんどすぎる。
初めて4DX3D体験したときの兄ちゃんの台詞じゃないけれど、「超絶、疲れた」
そう言いつつも、2本目の上映開始までの20分間に買い物に走った私です。

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『さざなみ』

2016年04月25日 | 映画(さ行)
『さざなみ』(原題:45 Years)
監督:アンドリュー・ヘイ
出演:シャーロット・ランプリング,トム・コートネイ,ジェラルディン・ジェームズ,
   ドリー・ウェルズ,デヴィッド・シブリー,サム・アレクサンダー他

前述の『スポットライト 世紀のスクープ』とハシゴ。
家を出るときは雨が降っていたので、あまり履く機会のない長靴を嬉しがって着用。
『スポットライト』が終わった頃にはありえないぐらいの晴天。
履き替える靴なんて持参していないから、そのままテアトル梅田へ。

ほぼ満席で、95%は女性客、しかも年輩の人がやたらと多い。
劇場前の掲示板に貼られている本作のポスターを見た3人連れが、
シャーロット・ランプリング、年取ったねぇ」。
「見てみ、このシワ」。「私らかておんなじだけ年取ってるけどな」。
はい、シャーロット・ランプリングは当然おばちゃんらよりも綺麗に年取ってます。(^^;

アンドリュー・ヘイ監督のお名前を私は知りませんでした。
1973年生まれ、イギリスのノースヨークシャー出身。
ゲイであることをカミングアウトしており、
これまでの作品はTVドラマも含めてゲイを主人公にしたものが多く、
世界中のゲイの人たちから熱い支持を受けているのだそうです。
本作はゲイの物語ではありません。

イギリスの片田舎で暮らす老夫婦、ジェフとケイト。
5日後には結婚45周年記念のパーティーを開くことになっている。

ところが月曜日、ジェフ宛に1通の手紙が届いたことから、
ふたりの心が揺れはじめ、穏やかな日々にさざ波が立つ。

それはスイス警察からの手紙。
50年前にジェフがつきあっていた女性カチャの遺体が発見されたという。
ジェフと登山中、クレバスに転落して彼女は死亡。
その後ジェフはケイトと知り合って結婚したのだが、
今ごろになってカチャの遺体が見つかったらしい。
スイス警察はジェフに来てほしいと言っているようだ。

忘れていたはずのカチャのことをジェフは思い出したのか、浸ることしばしば。
自分と出会う前の話なのだからと平静を装っていたケイトだが、
明らかに様子のおかしいジェフが気がかりでならない。
「彼女が生きていれば結婚するつもりだった」と悪びれもせずに言うジェフに、
ケイトは次第に不信感を募らせるようになり……。

ほとんど二人劇と言ってもいいくらいの作品。
シャーロット・ランプリング、上手いです。
対するトム・コートネイの天然ぶりも○。
ゲイだからということはないのでしょうが、
男性監督でありながら、女性のイライラ感をぴたりと表現。

ネタバレになりますが、ラスト直前のシーンでは、
円満な結婚生活を送っている人にとっては幸せそのもの。
そうでない人が観れば、甘いなぁと言いたくなるものでしょう。
とりあえずはハッピーエンドと思わせておいて、これ。
なんともいえないケイトの表情が絶妙です。

幸せな熟年夫婦は一緒に観ないほうがいいかもしれません。
もしくはこれを笑い飛ばせる余裕があるか。

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