夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の17本目@伊丹)

2014年03月31日 | 映画(あ行)
『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』
監督:錦織敦史
声の出演:中村繪里子,長谷川明子,今井麻美,仁後真耶子,浅倉杏美,
     平田宏美,下田麻美,滝田樹里,赤羽根健治,大塚芳忠他

『劇場版 世界一初恋 横澤隆史の場合』と同じく、まったく知らず。
最初、タイトルが読めなくて、「アイドル、ム?」。
『世界一初恋』について教えてくれた同僚が、これについても教えてくれました。

2005年にアーケードゲームとして誕生したナムコの“THE IDOLM@STER”。
アイドル候補生の中から数名を選び、ファンに支持されるアイドルへとプロデュース。
それを競うゲームなのだそうです。
本作はアニメ化されたTV版のその後を描く劇場版。
自分好みの女の子をアイドルへと導くのはさぞ楽しかろう。
この日の客席はオッサンだらけ、みんな誰が好みなの?

765(ナムコ)プロダクションに所属するトップアイドルたちは、
アリーナライブをおこなうことに。
プロデューサーからリーダーとして指名されたのは天海春香。
自分にリーダーなんて務まるだろうかと不安げな春香だったが、
メンバーたちから笑顔で励まされ、引き受けることに。

アリーナライブにはアイドル候補生たちがバックダンサーとして招集される。
トップアイドルとアイドル候補生、全員そろって合宿開催。
厳しい練習にもトップアイドルたちが涼しい顔をしているのに対し、
アイドル候補生たちはへろへろで疲れが隠せない。
それでも春香らに優しい言葉をかけられて、頑張ろうとする。

春香に憧れてアイドルを目指すようになった候補生の可奈は、
なかなか振付どおりに踊ることができない。
誰ともつるもうとしない同じく候補生の志保からきつい言葉で叱咤され、
以来、練習に姿を見せなくなってしまう。

志保は可奈のことなど放っておこうと言うが、春香はどうしても放っておけない。
このメンバー全員でアリーナライブを成功させたい。そう願う春香は……。

練習に出てこなくなった可奈にみんなで会いに行ってみれば、
ストレスから来る過食症でデブになっていましたとさ。
最後はきっちり痩せて全員でライブ大成功、当然の展開です。

正直に言って、私にはかなりツライです。
『世界一初恋』とちがって絵も苦手だし、まずこのキャピキャピ感になじめず。
普通にしゃべっている間はまだいいですが、叫ばれると耳に突き刺さる彼女たちの声。
唯一大丈夫だった声は、おっとりしたイメージのあずさのみ。
キャラとしては貴音と伊織はOKで、この2人の声も突き刺さることはなし。

ま、これも経験のうち。もう一度観るなら断然『世界一初恋』。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ラッシュ/プライドと友情』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の16本目@伊丹)

2014年03月30日 | 映画(ら行)
『ラッシュ/プライドと友情』(原題:Rush)
監督:ロン・ハワード
出演:クリス・ヘムズワース,ダニエル・ブリュール,オリヴィア・ワイルド,
   アレクサンドラ・マリア・ララ,ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ他

公開前に試写会の招待券を譲ってくださるという人も身近にいたのに、
ダンナの出張中ではなかったために涙を呑み、
公開後もどうしても時間が合わず、劇場で観るのはあきらめかけていました。
それが、そろそろ終映かとおぼしき頃に仕事帰りに行くにはちょうどいい時間帯の上映に。
久々の“おひとりさま”かと思いきや、もう1名だけ観客がいらっしゃいました。

20年ほど前までは、毎春かよっていた鈴鹿サーキット。
私が観に行ったレースの多くは二輪ですが、今のような観客席が設置されていない頃、
ゲートが開くと同時に目当ての席に向かって走ったのが懐かしい。
32歳の若さで急逝してしまったノリックこと阿部典史選手が、
センセーショナルなデビューを飾った1994年のロードレース世界選手権では、
残り3周というところで彼が転倒したちょうどそのコーナー付近で観戦していて、
子どものように泣きじゃくる彼に送られる物凄い歓声と拍手に涙が出ました。

二輪のレースをよく観たのに対して、四輪はごくたまに観たぐらい。
だから、映画も『FASTER ファスター』(2003)など二輪のほうが気になりますが、
四輪のほうがファンが多いぶん、映画にもなりやすく、迫力もあって面白い。
カーアクションものは必ず観てしまいます。

そんなわけで、名前ぐらいしか知らないジェームス・ハントとニキ・ラウダ。
F3時代から宿敵といわれた伝説的レーサーである2人の伝記ドラマ。

1970年代に出会った2人。
イギリス人のジェームス・ハントは、酒と女が大好きなイケメン。
人生は楽しくてなんぼの享楽主義。
ドイツ人のニキ・ラウダは、マシンの設定からレース運びにいたるまで、
緻密に計算したうえで走る頭脳派。
性格もレーススタイルも正反対の2人だがとにかく速い。
1976年、年間チャンピオンをめぐって2人はデッドヒートを繰り広げる。

劇場で観ることができてよかったと興奮しました。
ジェームス役のクリス・ヘムズワースは文句なしの男前ですが、
ニキ役のダニエル・ブリュールだって本当はカワイイのに、ネズミネズミと呼ばれて気の毒(笑)。
『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』のアーロン・テイラー=ジョンソンと同じく、
ちょっと髪型を変えるだけで、こうも格好良くないオトコになるとは(笑)。

400℃の火に1分間包まれて大やけどを負ったにもかかわらず、
わずか42日でレースに復帰したニキ。
「宿敵の存在を呪うのではなく神の恵みだと思え」。
入院中にそう医師から言われたそうです。

ニキを支えた夫人マルレーヌはとても知的で気品があります。
こんな奥様とはずっと寄り添っていてほしいものですが、
実際は後年に離婚して、ニキは30歳も下のスッチーと再婚したそうで、
世の中こんなもんかなぁと苦笑い。

私がいちばん楽しかったのはヒッチハイクのシーン。
マルレーヌの美貌に魅せられて停まったと思っていた車が、
彼女に見向きもせずに「ニキ・ラウダだろ!?」とはしゃぐシーンがめちゃ楽し。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ドン・ジョン』

2014年03月29日 | 映画(た行)
『ドン・ジョン』(原題:Don Jon)
監督:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット,スカーレット・ヨハンソン,ジュリアン・ムーア,
   トニー・ダンザ,ロブ・ブラウン,グレン・ヘドリー,ブリー・ラーソン他

「TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞」はまだまだ続くので、
その合間に観た本作を先にUPします。

テアトル梅田にて。
ここのところずっとTOHOシネマズでばかり鑑賞していたので、
見かける予告編は同じ作品ばかり。嫌になるくらい(笑)。
ひさしぶりにちがう作品の予告編を観て嬉しくなりましたが、
どこへ行っても見かける綾野剛。すんごい売れっ子ですね。

『(500)日のサマー』(2009)、『メタルヘッド』(2010)、『50/50 フィフティ・フィフティ』(2011)、
『LOOPER/ルーパー』(2012)、それに未公開がもったいなかった『プレミアム・ラッシュ』(2012)と、
いろんな味で楽しませてくれるジョセフ・ゴードン=レヴィットの監督デビュー作。
ヒロインにスカーレット・ヨハンソンを迎えたと聞いて、
そうかやっぱりあんなタイプが好きなのかと思っていたら……どうなの?

体作りに怠りなく、部屋の掃除も余念なく、友人も家族も大事にして、
週末にはきちんと教会にもかよう、モテモテのプレイボーイ、ジョン。
ナンパした女性は百発百中お持ち帰りに成功し、女にはまったく困らない生活を送っている。

しかし、10点満点中8点以上の女を抱いても、なぜか満足できない。
ネットのポルノサイトで観る動画のほうが断然ヌケる。
連れ帰った女性が眠ると、ジョンは必ずベッドを抜け出してポルノを観る。

ある日、いつものように友人たちと繰り出したクラブで、10点満点の美女と遭遇。
すかさず声をかけ、いいところまでは行ったのだが、意外に身持ちがかたい。
彼女はジョンを残してさっさとクラブから帰ってしまう。

彼女とならば、ポルノよりもいいセックスができるはず。
そう考えたジョンは、なんとか彼女の名前を調べてフェイスブックでコンタクトを取り、
待ち合わせ場所に現れた彼女、バーバラと晴れてつきあいはじめる。

バーバラの勧めで大学の夜間講座にかようことにしたジョンは、
ずいぶん年上の受講生エスターが泣いているのを見かける。
関わりたくないと遠巻きにするが、それがきっかけでエスターが話しかけてくるようになり……。

バーバラは確かにグラマラスな美女。なんたってスカーレット・ヨハンソン。
しかしどうも「私の男はこうあるべき」と決めつけているふしがあって、
途中から「なんでこんな女がいいんだろう」と思えてきます。

予告編を観るかぎりでは、バーバラにポルノ癖を知られ、
上手くいかなくなった矢先にエスターと知り合い、
エスターの助言でジョンとバーバラは円満に、という物語を予想していました。

もろネタバレですが、「なんでこんな女が」と思った頃に、予想は良い方向に裏切られます。

胸も尻も過去最高の女なのに、セックスはいままでの相手となんら変わりがない。
10点満点の女と恋人同士になってもポルノは止められない。
そんなジョンにエスターが言うのは、「セックスに埋没したかったら、相手に埋没しないと」。

バーバラではなく、エスターがその相手となったところに、
ジョセフ・ゴードン=レヴィットはスカヨハよりジュリアン・ムーアですか!?と思いました。
なんとなく女性としては嬉しいではないですか。(^o^)

いつなんどきもスマホをいじっているジョンの妹が、
バーバラと別れたと家族に話したときに発する言葉も的を射ています。

ジョンとバーバラが観に行く映画にアン・ハサウェイチャニング・テイタム
キューバ・グッディング・Jr.などが出演しているのも遊び心十分。

また楽しい監督作をお待ちしています。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『抱きしめたい 真実の物語』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の15本目@西宮)

2014年03月28日 | 映画(た行)
『抱きしめたい 真実の物語』
監督:塩田明彦
出演:北川景子,錦戸亮,上地雄輔,斎藤工,平山あや,佐藤江梨子,佐藤めぐみ,
   窪田正孝,寺門ジモン,角替和枝,國村隼,風吹ジュン他

どう想像しても苦手そうな作品。
フリーパスポートがなかったら絶対に観に行きませんでした。
タダだったから観たけれど、やっぱり駄目だった。(T_T)

タクシー運転手の小柳雅己(錦戸亮)は、終業後に参加しているバスケットボールチームの練習へ。
練習場所の体育館に到着すると、ただならぬ雰囲気。
その日、体育館利用がダブルブッキングされていたらしく、
雅己のチームと障害者スポーツ“ボッチャ”のチームで揉めているようだ。

ボッチャのチーム代表とおぼしき車椅子に乗った女性、山本つかさ(北川景子)は怒り顔。
障害者だからか譲ろうとする相手の態度にさらに怒っている様子。
機転を利かせた雅己は、コートを半分こしようと持ちかける。

練習後、つかさを家に送り届ける申し出をする雅己。
彼女が語るには、高校生のときに交通事故に遭い、
奇跡的に一命は取り留めたものの、車椅子生活を余儀なくされた。
後遺症で記憶障害も抱えているらしく、親しげに声をかけてくる人がいても、
それがいったい誰なのか思い出せないこともある。

それでも何事にも前向きな彼女は、めげずに毎日を送っている。
彼女からタクシーを呼ぶ電話が会社にかかるたび、雅己は誰よりも早く向かう。
一緒に時間を過ごすうち、ふたりは恋していることに気づく。
正式につきあいたい、そして結婚したい、そう願う雅己は、
つかさを両親に紹介しようとするのだが……。

けなしてはいけない話なのでしょう。でも私にはムリッ!
大倉くんより錦戸くんのほうが好きな分、『100回泣くこと』(2013)よりはマシ。
北川景子もめちゃめちゃ可愛い。でも、ムリッ!

脳性麻痺患者の、脳性麻痺をネタにしたコントなんて、見せる意味がありますか。
作品中でもまったく笑えないという設定なのに、どうしろと。
こういうシーンをわざわざ盛り込むのは不愉快です。

結婚を申し込みにきた雅己に対し、つかさの母親(風吹ジュン)が見せるDVD。
甘く考えいるであろう雅己に、つかさのリハビリ記録を見せるわけですが、これがやたら長い。
過酷なリハビリでつかさが泣き叫べば泣き叫ぶほど、母親が励ます声が飛べば飛ぶほど、
私の気持ちは冷めてゆきます。

本当に大変な人は大変だと言わない。大変なことがはたから見てもわかるから。
「言わなわからん」が信条の私がこんなことを言うのは矛盾していますが、
リハビリシーンは『エージェント:ライアン』程度にしておいてほしかった。

スプーンで料理をつつきながらしゃべるのもやめてほしい。
台詞でわざわざ皿に注目させておいて、しゃべりに没頭、料理は冷めていくだけ。
そういうシーンを平気で盛り込む監督とは合いそうにありません。

さすがの演技だなぁと思ったのは、雅己の父親役の國村隼と母親役の角替和枝(=柄本明の奥様)。
このふたりにだけは笑わされたし、和みました。

やっぱりこの手の作品はタダでも観に行かん。
ありゃ?『世界一初恋』で何でも観てみなあかんと言うたのと矛盾している?
世間の評判は「ここ数年の映画でいちばん泣ける」とか、なんでよ。
あ、私がひねくれているのか。(^^;

この日4本ハシゴして、3本目までは結構いい感じだったのに、
締めくくりがこれでは腹立たしい。
帰宅したらそれなりに遅い時間だったにもかかわらず(なにしろ劇場に11時間いましたから)、
レンタル新作『素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー』(2012)を観て、
気分を持ち直してから寝たのでした。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の14本目@西宮)

2014年03月27日 | 映画(あ行)
『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』(原題:All Is Lost)
監督:J・C・チャンダー
出演:ロバート・レッドフォード

この日のハシゴ3本目はTOHOシネマズ西宮のスクリーン12、
こぢんまりとした70席、ちょっと高級感もあるシート。
連日の映画鑑賞で疲れも出てきているため、
こんなシートだと心地よすぎて眠くならないかが心配ですけれども。

劇場未公開だったのがもったいないくらい面白かった『マージン・コール』(2011)。
それが評価されての本作だそうで、注目の新鋭監督です。
『マージン・コール』も本作も、監督自身が脚本を執筆しているそうで、
ロバート・レッドフォードに一人芝居させてみようだなんて発想が凄くないですか。

登場人物はホントのホントにロバート・レッドフォードのみ。
その名も“Our Man”、つまり「我らが男」。
台詞といえば、わずかなモノローグ以外には“Help!”と“Fuck!”ぐらい。
台本はたった31ページとのこと、アイデアが面白すぎる。

スマトラ海峡から3150キロ沖、これで自分の人生は終わりかもしれない。
そんな気持ちから最後の手紙をしたためる男。

8日前のこと。
自家用ヨットでたった独り、インド洋を航海中だった男は、異変を感じて目を覚ます。
海上を漂流していた大きなコンテナに激突したらしく、
船体には横穴があき、船室にも水がどくどくと流れ込んでくる。
航法装置は故障、何もかもが水浸しですべての電子機器がダウン。
ダメージは大きく、とても修復できそうにない。

男はヨットを捨て去ることを決意。
水をかき分けて食糧とサバイバルキットを掴むと、用意した救命ボートへと飛び移る。
絶望的な状況のなか、男は自分自身の気持ちと初めて向き合う。

360度、見渡すかぎり同じ景色、海しか見えなかったら、
『オープン・ウォーター』(2004)のようにサメなんか出てこなくても十分恐ろしい。
たった独りで漂流するのは『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012)も同じですが、
トラでもいてくれるほうがマシかもとすら思わされます。

何度も悪天候に見舞われ、ボートから投げ出されそうになる。
額の血が止まらず、喉の渇きを癒やすものもない。

こんな状況でロバート・レッドフォードは独り言すら発しません。
だけど、彼の行動には生きることをあきらめる様子は見られません。
ただ淡々と生きることをあきらめずに最善の策に出る。

昔はあんなに美形だったのに、残念なぐらいシワシワになってしまったレッドフォード。
しかしこんな物語であれば、その皺がまさに「我らが男」に仕立て上げています。

これもやっぱり最後は泣いてしまったのでした。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする