『トム・アット・ザ・ファーム』(原題:Tom à la Ferme)
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:グザヴィエ・ドラン,ピエール=イヴ・カルディナル,エヴリーヌ・ブロシュ,
リズ・ロワ,エマニュエル・タドロス,ジャック・ラヴァレ,アンヌ・カロン他
テアトル梅田にて、前述の『世界一美しいボルドーの秘密』とハシゴ。
まだ25歳のグサヴィエ・ドラン監督の前作『わたしはロランス』(2012)は、
DVD鑑賞だったにもかかわらず、もしかすると今年観た中でいちばん心に残っている作品。
本作はちゃんと劇場で観ようと、行ってまいりました。
モントリオールの広告代理店に勤めるゲイの青年トム。
同僚で恋人だったギョームが交通事故で急逝し、葬儀に参列するため、
田舎で農場を営むギョームの実家へと向かう。
彼の家族に面会して何と言えばいいのか、弔辞はどうしようか、
道中いろいろと考えるが、上手い言葉が見つからないまま到着。
実家のドアをノックするが、誰もいない。
たまたま見つけた鍵で留守宅に上がり込み、突っ伏して眠ってしまう。
いつのまにか帰宅したギョームの母親アガットは、トムを歓迎。
しかし、自己紹介をしても、トムの名前など初めて聞く様子。
その夜、眠りについたトムを、ギョームの兄フランシスが乱暴に起こす。
フランシスによれば、アガットはギョームがゲイだったことを知らない。
サラという恋人がいるというギョームの言葉を信じていたから、
トムにも話を合わせるよう、単なる友人として振る舞えと強要する。
トムが納得できない顔をすると、フランシスはトムを殺しかねない勢い。
殴られ引っぱたかれ首を絞められ、トムは仕方なく従う。
葬儀に参列したトムは、町の人びとがフランシスを避けていることに気づく。
弟が亡くなったというのに、誰もフランシスに声をかけようとしないのはなぜなのか。
トムが病院へ行くと、「無事にモントリオールまで帰れますように」とまで言われる。
一刻も早くこの農場から逃げ出したほうがいい。
なのにトムはそこから離れることができない。
フランシスとともに牛の世話をして、アガットと3人で食事をとる。
夜はギョームの部屋に泊まる。そんな日が続いて……。
監督・製作・主演・脚本、ときには衣装まで自分で担当するドラン監督。
この人はやっぱり天才なのだと思います。
今回は、忙しさのあまりオリジナルの脚本を書くひまがなくて、
戯曲の映画化にとどめたそうですが、観客を引き込む力が凄いです。
いちいち思わせぶりなショットは意外にわかりやすく、
音楽が説明になっていたりもして痛快。
いったいトムはどうなるんだろうとドキドキ、目が離せません。
自身でトムを演じたドラン監督は、とても可愛い顔立ちで、
女性にもモテるだろうに、ゲイとはもったいない、なんて言ったら怒られるでしょうか。
作品としては『わたしはロランス』のほうが圧倒的に好きですが、
これもありかなと思いますし、今後も必ず観たい監督です。
“アメリカにはもううんざりだ”。
そうか、フランシスが何を象徴しているのかと思ったら……。
ちょっと笑ってしまいました。
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:グザヴィエ・ドラン,ピエール=イヴ・カルディナル,エヴリーヌ・ブロシュ,
リズ・ロワ,エマニュエル・タドロス,ジャック・ラヴァレ,アンヌ・カロン他
テアトル梅田にて、前述の『世界一美しいボルドーの秘密』とハシゴ。
まだ25歳のグサヴィエ・ドラン監督の前作『わたしはロランス』(2012)は、
DVD鑑賞だったにもかかわらず、もしかすると今年観た中でいちばん心に残っている作品。
本作はちゃんと劇場で観ようと、行ってまいりました。
モントリオールの広告代理店に勤めるゲイの青年トム。
同僚で恋人だったギョームが交通事故で急逝し、葬儀に参列するため、
田舎で農場を営むギョームの実家へと向かう。
彼の家族に面会して何と言えばいいのか、弔辞はどうしようか、
道中いろいろと考えるが、上手い言葉が見つからないまま到着。
実家のドアをノックするが、誰もいない。
たまたま見つけた鍵で留守宅に上がり込み、突っ伏して眠ってしまう。
いつのまにか帰宅したギョームの母親アガットは、トムを歓迎。
しかし、自己紹介をしても、トムの名前など初めて聞く様子。
その夜、眠りについたトムを、ギョームの兄フランシスが乱暴に起こす。
フランシスによれば、アガットはギョームがゲイだったことを知らない。
サラという恋人がいるというギョームの言葉を信じていたから、
トムにも話を合わせるよう、単なる友人として振る舞えと強要する。
トムが納得できない顔をすると、フランシスはトムを殺しかねない勢い。
殴られ引っぱたかれ首を絞められ、トムは仕方なく従う。
葬儀に参列したトムは、町の人びとがフランシスを避けていることに気づく。
弟が亡くなったというのに、誰もフランシスに声をかけようとしないのはなぜなのか。
トムが病院へ行くと、「無事にモントリオールまで帰れますように」とまで言われる。
一刻も早くこの農場から逃げ出したほうがいい。
なのにトムはそこから離れることができない。
フランシスとともに牛の世話をして、アガットと3人で食事をとる。
夜はギョームの部屋に泊まる。そんな日が続いて……。
監督・製作・主演・脚本、ときには衣装まで自分で担当するドラン監督。
この人はやっぱり天才なのだと思います。
今回は、忙しさのあまりオリジナルの脚本を書くひまがなくて、
戯曲の映画化にとどめたそうですが、観客を引き込む力が凄いです。
いちいち思わせぶりなショットは意外にわかりやすく、
音楽が説明になっていたりもして痛快。
いったいトムはどうなるんだろうとドキドキ、目が離せません。
自身でトムを演じたドラン監督は、とても可愛い顔立ちで、
女性にもモテるだろうに、ゲイとはもったいない、なんて言ったら怒られるでしょうか。
作品としては『わたしはロランス』のほうが圧倒的に好きですが、
これもありかなと思いますし、今後も必ず観たい監督です。
“アメリカにはもううんざりだ”。
そうか、フランシスが何を象徴しているのかと思ったら……。
ちょっと笑ってしまいました。