夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈わ行〉

2009年12月31日 | 映画(わ行)
《わ》
『ワンダーラスト』(原題:Filth and Wisdom)
マドンナの記念すべき監督デビュー作。
ウクライナ移民のAKは、SMの調教師で生計を立てながら
ミュージシャンになる希望を捨てていない。
バレリーナ志望のホリーは、その道がまだ遠いことを知り、
家賃を稼ぐためにストリッパーのバイトを始める。
薬局で働くジュリエットは、アフリカの難民を救いたいと思いつつ、
実際には募金活動に精を出す程度。
ロンドンの片隅で暮らすこんな3人の仲良し男女の物語。
観終わったときになんだか清々しい気分になれる作品。
マドンナ、上手いです。
ラストのキスシーンは、私が思う今年いちばん素敵だったキス。

《を》《ん》
なし。

まだまだ書けなかった映画がたくさんあります。
とても心に残っているのに、
あまりに暗くてどうしても書く気になれなかった作品では、
いずれも今年DVD化された『凍える鏡』(2007)や『接吻』(2006)など。
後者は小池栄子ってすごいなぁと思った一作でした。

ほかに、タイトルが可笑しすぎて、
絶対アホらしかろうとパスしてしまった作品もあります。
『ホームレスが中学生』(2008)を観なかったことが心残りで、
来年早々、観ようかと。
『容疑者SEXの裸身』(2004)という韓国の未公開作品も
今月初めにDVDレンタル開始になったところですが、
これはちょっと借りる勇気がありません。(^^;
“トランスフォーマー”に対抗した(?)、
C級確実の“トランスモーファー”シリーズ(2007&2009)も気になっています。
しかし、こういう邦題を考える人は、
どの程度マジメに考えているんでしょうかね。
あ、『ホームレスが中学生』は邦画です。

今年もおつきあいをありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
どうぞよい年をお迎えくださいませ!

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ちょっと休憩。連合赤軍って……

2009年12月29日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
「今年観た映画50音順」も残すところ〈わ行〉のみとなったので、
ちょっと休憩いたしまして。

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007) を観ました。
昨年の公開映画ですが、劇場がごく限られていたのと、
190分という大長編であることから、
観るのを先延ばしにしてしまっていた作品です。

今年は今日までに291本の映画を観ましたが、
その中でいちばん体力も気力も消耗したのが本作かと。今もぐったり。

本作は、連合赤軍が、山岳ベースを経由して
あさま山荘へ至るまでの過程が描かれています。
あまりに強烈だったので、観たあとにウィキペディアなどで
連合赤軍について読みあさりました。

若松孝二監督渾身の一作で、
制作費を捻出するために監督の自宅を抵当に入れ、
撮影に使えば解体を余儀なくされるであろうことを覚悟のうえ、
別荘をあさま山荘として使用したそうです。
また、出演者に緊迫感を持たせるため、マネージャーの帯同禁止、
メイク等も俳優本人がおこなったそうな。

連合赤軍を美化しているとの批判もあったようですが、
私にしてみれば、これで美化かよ!?です。
いささかでも、理想を追求したこんな若者たちがいたんだと思えたら、
美化だと言えるのでしょうが、ただただ恐ろしいだけでした。
連合赤軍の2トップ、森恒夫と永田洋子にカリスマ性は感じられず、
彼らのやり方に疑問を抱く者が複数いたんだから、
みんなで抵抗すればなんちゅうことなかったのになぁなんて、
単純に思ってしまいます。

原田芳雄のナレーションにはしばしば救われました。
メンバーの説明を淡々とこなすだけのその声で落ち着けるというのか。
おかげで、連合赤軍のメンバーの名前をほとんど覚えてしまいましたけれど。

ところで、今月号の『映画秘宝』では、ゼロ年代(2000~2009年)のベストテンを特集しています。
その上位に顔を出している『オールド・ボーイ』(2003)と同じく、
この『実録・連合赤軍』は、「もう一度観たくはないけれど、
一度は観ておくべき作品」のような気がします。

一昨日から「自己批判」と「総括」という言葉が大嫌いになりました。
唯一人、いまだ逃亡中の連合赤軍メンバーが、
あさま山荘でクッキーをつまみ食いした坂東というのがなんだかなぁ。

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今年観た映画50音順〈ら行〉

2009年12月27日 | 映画(ら行)
《ら》
『ラッシュライフ』
東京芸術大学映像研究科の学生たちが、劇場公開を前提に、
企画・制作・配給すべてを手がけるというプロジェクトにより誕生。
その企画に賛同した伊坂幸太郎の同名小説を映画化。
盗みに独特の美学を持つ泥棒、黒澤。
新興宗教団体の信者、河原崎。
不倫相手の妻を殺そうとしている精神科医、京子。
リストラされた中年男、豊田。
一見何の関係もないこの4人の人生がいつしか繋がる群像劇。

《り》
『リリィ、はちみつ色の秘密』(原題:The Secret Life of Bees)
1960年代、黒人差別が横行するサウスカロライナ州。
幼い頃、大好きだった母親をはずみで撃ち殺してしまい、
罪悪感に苛まれたまま14歳となったリリィ。
ある日、黒人家政婦のロザリンが白人から殴打されたことに憤り、
彼女を連れて家を飛び出す。
昔、母が滞在したであろうティブロンという町を訪ね、
地元では有名な黒人養蜂家に世話になるのだが……。
養蜂家3姉妹の個性が際立っていて素晴らしい。

《る》
『ROOKIES 卒業』
3年生に進級した二子玉川学園高校野球部ナイン。
新入部員は2名。そのうちの1人は大物との噂の赤星。
練習なんてばかばかしいという赤星のデカい態度にみんなブチキレ。
しかし、メジャーリーグを目指す赤星が
陰で懸命に練習していることを知ったキャプテン、御子柴は、
不良にからまれた赤星をかばって負傷。
ナインは御子柴の入院で甲子園出場をあきらめかけるが、
練習に赤星が現れて……。
私はTVドラマのほうはほとんど観ていませんが、笑いました。泣きました。
赤星選手、お疲れさまでした!

《れ》
『レイチェルの結婚』(原題:Rachel Getting Married)
コネティカット州のバックマン家では、
数日後に長女レイチェルの結婚式が執りおこなわれる。
式に参列するため、次女のキムが薬物依存更生施設から一時退院。
まるで腫れ物に触るように彼女に接する家族。
わがままぶりに本当にイライラしてしまうほど、アン・ハサウェイは熱演。
姉妹の複雑な思いや家族の心の機微に触れられます。

《ろ》
『路上のソリスト』(原題: The Soloist)
LAタイムズの記者スティーヴは、
路上で演奏するナサニエルのバイオリンの音色に驚く。
ナサニエルが名門ジュリアード音楽院に在籍していたと知り、
このホームレスの天才音楽家を取材することに。
統合失調症を患うナサニエルとの距離の置き方にとまどうスティーヴは……。
実在の彼らを演じる2人の役者がお見事。
音楽がテーマだとどうも甘くなりますね、私。

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今年観た映画50音順〈や行〉

2009年12月23日 | 映画(や行)
《や》
『ヤッターマン』
ご存じ、“タイムボカン”シリーズの初の実写映画化。
4つ揃えば願いが叶うという伝説のドクロストーン。
そのうちの1つを所持していた海江田博士は、
それを娘の翔子に預けたまま消息不明となる。
翔子の依頼を受けた高田玩具店の一人息子ガンちゃんと
そのガールフレンドの愛ちゃんは、ヤッターマン1号&2号に変身。
父のアイデアをもとに完成させた犬型ロボットのヤッターワンとともに、
海江田博士を探しに行くことに。
一方、ヤッターマンと毎度闘いを繰り広げるドロンボー一味は、
ドクロストーンを得るために海江田博士の行方を追っていた。
もし、すべてのドクロストーンがドロンボー一味の手に渡れば
地球が消えてしまうかもしれないと悟ったヤッターマンは、
それを阻止すべく、足を速めるのだが……。
ドロンボー一味がとにかく○。
生瀬勝久演じるボヤッキーはかなりキモイけど
(これって、ボヤッキーがキモイのか、生瀬勝久がキモイのか。
後者のようが気がしてなりません。ごめんなさい(^^;)、
ケンドーコバヤシ演じるトンズラーとのツーショットには
哀愁が漂っていて良し。
ドロンジョを演じる深キョン、キテます。ハマリ役。
三池崇監督はやはりただ者ではありませぬ。

《ゆ》
なし。
セネガルの歌手ユッスー・ンドゥールを撮った、
『ユッスー・ンドゥール 魂の帰郷』を観たいなぁと思っていましたが、
レンタルでは扱っているところを見つけられず。

《よ》
『夜更かし羊が寝る前に 君を捜しに行くまでの物語』(原題:Satellites & Meteorites)
2008年のアイルランドの未公開作品。
作家のダニエルは、執筆中の小説のヒロインが
幻覚として現れることに悩んでいる。
精神科医に相談しても原因や解決方法は見つからない。
そんなある日、ダニエルはカフェである女性と出逢う。
それは、まさに自分の小説のヒロイン、ルシンダだった。
自然にふたりは恋に落ちるのだが……。
難解度は《の》に匹敵するかもしれません。
めちゃくちゃネタバレになりますが、実はこれは夢の中。
事故に遭って昏睡状態のダニエルが
同じ病院の別の病室でやはり昏睡状態にある身元不明の女性と
夢の中で出逢っていることが後半にわかります。
日本語で話すシーンだけは違和感をおぼえましたが、
見知らぬふたりが夢の中で出逢って恋をするなんて、
なんともロマンティックでファンタジック。
どうぞ彼女を起こさないでと一緒に祈りたくなりました。

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今年観た映画50音順〈ま行〉

2009年12月22日 | 映画(ま行)
《ま》
『マンデラの名もなき看守』(原題:Goodbye Bafana)
1968年、アパルトヘイト政策下の南アフリカ共和国。
反政府運動の首謀者として捕らえられているネルソン・マンデラ。
生まれたときから黒人差別の意識を植え付けられている、
白人のジェームズ・グレゴリーは、
マンデラが話すコーサ語がわかるという理由で、マンデラの看守に抜擢される。
会話や手紙に怪しい内容がないかチェックする役割を与えられ、
上司からは昇進もにおわされて、意気が揚がるグレゴリー。
しかし、マンデラに接するうち、グレゴリーの意識に変化が芽生え……。
実話が基で、アパルトヘイトを知るにはうってつけ。
30年近くも幽閉され、のちに黒人初の南ア大統領となったマンデラ。
いささか美化されているだろうと思いつつも、ふたりの絆に感銘を受けました。

《み》
『ミルク』(原題:Milk)
米国で初めて、ゲイであることをカミングアウトし、
サンフランシスコ市議として公職に就いたハーヴィー・ミルクの半生。
ショーン・ペンは本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞。
これも、同性愛者が権利を勝ち取るまでの流れや
時代背景を知るのにうってつけの作品。
その生き様に感動するというよりは、
あぁ、こんなことがあったんだなぁと興味を惹かれました。

《む》
『むずかしい恋』
怪我でバレエを断念した男性がバーテンダーを務める店“NO-MU”。
そこに集った4組のカップルが織り成す恋愛模様。
「恋なんてものはウィスキーを熟成させることよりもずっと簡単なもの…
果たして本当なのだろうか?」というャッチコピーなんですが、
ク、クサイ、クサすぎるやろ。
バーの中だけで進む物語は、よく言えば演劇を見ているようですが、
役者全員、「芝居してます♪」的オーラ全開で、とてものめり込めず。

《め》
なし。
『名探偵コナン』、観ておけばよかった。(;_;)

《も》
『モール★コップ』(原題:Paul Blart: Mall Cop)
全米では大ヒット、日本では未公開のDVDスルー作品。
堂々の肥満で頭の毛も寂しい中年男ポール。
警察官志望だが、低血糖症ゆえに試験はリタイア。
ショピングモールに警備員として勤務している。
ある夜、強盗団が人質を取ってモールに立てこもる。
たまたま一味の目を逃れたポールは、
モールの外で包囲網を張る警官らと連絡を取り合いながら、
想いを寄せるかつら店の販売員エイミーを含む人質の救出を試みるのだが……。
最初はどうしようもなかったポールが
最後はそれなりに格好良く見えてくる不思議。笑えます。

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