夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』

2025年01月10日 | 映画(さ行)
『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』(原題:Sonic The Hedgehog 3)
監督:ジェフ・フォウラー
出演:ジェームズ・マースデン,ジム・キャリー,クリステン・リッター,ナターシャ・ロスウェル,
   シェマー・ムーア,ティカ・サンプター,リー・マジドゥー,アリーラ・ブラウン他
声の出演:中村悠一,山寺宏一,渡辺昭乃,斎藤こず恵,咲野俊介,井上麻里奈,濱野大輝,悠木碧,
     中川大志,森川智之,木村昴,広橋涼他
 
元日にTOHOシネマズ西宮で3本ハシゴの2本目。
 
行動範囲内の劇場はどこも吹替版の上映しかしていないし、洋画は字幕で観る派の私はスルーするつもりでいました。
けれど1本目と3本目の隙間を埋める時間帯の作品はこれしかなく、
そういえば『ソニック・ザ・ムービー』(2020)は意外と楽しかったのを思い出して観ることに。
 
書くまでもないと思いますが、“ソニック”は日本が誇るセガが生んだ世界的人気ゲームのキャラクター。
超音速で走れる青ハリネズミです。
 
ハリモグラのナックルズとキツネのテイルスと共にワカウスキー夫妻のもと、幸せに暮らしているソニック。
ある日、みんなでパーティーを開いていたところ、政府の極秘施設“GUN”の長官ロックウェルがやってきて、
日本の沖合にある刑務所に50年間氷漬け状態で収容していた黒ハリネズミのシャドウが突然目を覚まし、脱走したと言う。
ついては“チームソニック”でシャドウを捕まえてほしいと。
 
要請を受けて東京へと向かったソニックたちだったが、シャドウは想像以上の強敵。
50年前に研究施設でプロフェッサー・ジェラルドによってつくられたシャドウは、
ジェラルドの孫娘マリアと仲良くなり、施設から出ることはできずともマリアといれば幸せだった。
しかしあるとき施設が破壊され、マリアは亡くなってしまうという出来事があり、人間を激しく恨んでいるのだ。
 
シャドウを止めるためにはソニックの宿敵でイカれた科学者ドクター・ロボトニックに相談するしかなく、
致し方なく手を組むことにするのだが……。
 
人間への憎悪を募らせるシャドウがこの世を潰したいジェラルドに上手く利用されます。
途中それに気づいてソニックたちと世界を救おうとするのはお決まりの話。
何の珍しさもないけれど、思ったよりも楽しめました。
 
エンドロールで字幕版のシャドウの声を担当しているのがキアヌ・リーヴスだと知る。
ナックルズの声はイドリス・エルバだし、やっぱり字幕版を観たかったなぁと思うのでした。
 
なんにせよ、ジム・キャリー演じるドクター・ロボトニックの腹は見たくない。
それでもブラマヨの小杉のお腹よりはまだマシかななどと、本作を観ながら思っていました。(^^;

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『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメン VS 悪魔軍団』

2025年01月08日 | 映画(さ行)
『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』
監督:福田雄一
出演:松山ケンイチ,染谷将太,賀来賢人,岩田剛典,勝地涼,仲野太賀,神木隆之介,白石麻衣,
   山本美月,桜井日奈子,川口春奈,中田青渚,吉柳咲良,田中美久,森日菜美,安斉星来,田口浩正,
   新山千春,間宮啓行,池田鉄洋,山田孝之,ムロツヨシ,佐藤二朗,窪田正孝,藤原竜也他
 
ならばあと2本観てキリよく380本にしようかとまず観たのが、前述の『グランメゾン・パリ』でした。
大晦日、あと1本どれでもいいやと少々迷った末にこれに決定。
 
原作はたぶん15年くらい前に1巻だけ借りて読んだことがあります。
その後、漫画を読む時間は作れず、劇場版アニメもなぜかスルー、実写TVドラマ版も観ないまま今に至る。
 
世紀末を乗り越えて有休を取ったブッダ(染谷将太)とイエス(松山ケンイチ)は、
東京・立川市の安アパート“松田ハイツ”で下界のバカンスを満喫中。
ふたりは「聖(せい)」という姓でルームシェアしている。
 
近所のコンビニに買い物に行って女子高生の会話に聞き耳を立てるなど、平穏な日々を過ごしていたが、
ある日、梵天(賀来賢人)と帝釈天(勝地涼)とミカエル(岩田剛典)がやってきて、撮影をしたいのだと言う。
人間が死ぬ間際に見る、いわゆる「走馬灯」に代わるムービーを撮るつもりだと。
ブッダとイエスはその主演を任され、魔神マーラ(窪田正孝)と戦いのシーンを演じることに。
脚本を書くことになった十一面観音(仲野太賀)とヨハネ(神木隆之介)が互いの案を競うもどちらもパッとせず……。
 
1年の〆に観るにはあまりにしょうもなくて(笑)、途中寝そうになったところもいくつか。
しかしTVドラマ版を観ていた人はそれなりに楽しめましょうし、
そうでない私もふきだしてしまう掛け合いもあったのは事実です。
特にカメラを持つことに本当に疲れてしまったであろう撮影さんの腕が映り込むシーンとか。
吉本新喜劇のアドリブ祭りかと思うほどで、これは笑わずにはいられない。
 
しょうもなと思いながらも観てしまうのが福田雄一監督作品で、出演者は皆たいそう楽しかったはず。
まぁ、大晦日にブッダとイエスの姿を拝めるのは良いことですよね。

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2024年12月28日 | 映画(さ行)
《さ》
『最悪な子どもたち』(原題:Les Pires)
2022年のフランス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
リーズ・アコカとロマーヌ・ゲレの監督コンビは、これが長編デビュー作にして、
第75回カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門のグランプリを受賞したそうです。
フランス北部、治安の悪さで有名なピカソ地区で映画を撮ることになり、
監督のガブリエルは現地オーディションで選出した問題児たちに演技をさせる。
物語に登場するのは十代のカップル・ジェシーとリリ、そしてリリの弟ライアン。
オーディションを受けるも選ばれなかった子どもたちや、
選ばれたのに台詞もない端役であることを不満に思う子どももいて、
特にもともと「ヤリマン」と言われていたリリは嫌みを言われてばかりで……。
ドキュメンタリーだと思って観はじめたらモキュメンタリーでした。
キャストの子どもたちは実際にオーディションで選ばれた演技未経験者。
映画の中で「演技をする」という演技をする子どもたちが凄い。
この少年少女たちが今後も映画の世界で生きていくのかどうか、楽しみでありながらも無事を祈らずにはいられません。
 
《し》
『侵入者たちの晩餐』
2024年の日本作品。Netflixにて配信。
新春に放送されたTVドラマですが、映画として紹介することをお許しください。
家事代行サービス会社“スレーヌ”に清掃スタッフとして勤める田中亜希子(菊地凛子)は、
たまに顧客の家で一緒になる料理スタッフの小川恵(平岩紙)と親しくなる。
ある日の仕事帰りに2人で話し込むうち、スレーヌ社長の藤崎奈津美(白石麻衣)の話に。
グラビアアイドルの美人社長には脱税の噂があるらしく、
安い給料で働かされているのは納得が行かない、タンス預金を頂戴しに行こうと。
2人では心許ないと恵の友人でサスペンスドラマに詳しい江藤香奈恵(吉田羊)を誘い、
社長宅の合鍵を作ることに成功した3人は、社長のハワイ旅行中を狙って忍び込む。
ところが、タンス預金など見つからないばかりか、社長が慈善事業をおこなっていることが判明。
何も盗らずに一旦は退散した3人だったが、このままでは罪悪感が募る。
そこで亜希子の提案により、掃除をしに行こうと社長宅に戻る。
一見綺麗でありながら、サッシや排水溝、家具の裏に埃が溜まっている社長宅を磨き上げ、
冷蔵庫に積み上げられていた賞味期限間際のものも有効活用。
満足して引き上げようとしたところ、部屋の片隅に本物の空き巣・重松洋介(池松壮亮)が潜んでいるのを発見。
洋介を縛り上げていると、なんと社長が帰ってきて……。
ここにさらに登場するのが社長の元ファンだったコンシェルジュ・毛利貴弘(角田晃広)。
可笑しくてクスクス笑いが止まらない。キャストも完璧。
なんと面白い作品だったことか。バカリズムってやっぱり天才だと思いました。
 
《す》
『スペシャル・エージェント 特殊工作員』(英題:Special Agent)
2020年の韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
日本では何の情報もないのでたぶん劇場未公開。
国家情報院のエージェント、パク・ウォンチョル(イ・ジェユン)は、北朝鮮での任務を終えたばかり。
これで自由の身となるはずが、新たな任務のためにもう一度北朝鮮に戻れと言われる。
その任務とは、韓国人科学者“VIP”の暗殺。
VIPは生物兵器を開発して北朝鮮に拉致されており、そのVIPを消せと。
命令ではなく申し出だと言われて断ろうとすると、
ウォンチョルの一人娘(チェ・ジス)が問題を起こして鑑別所に収監されていると言う。
もしもウォンチョルがこの申し出を受け入れるなら、
娘が前科者にならないようにし、すぐに鑑別所から出所させると。
このように脅されては「申し出」を飲まざるを得ず、北朝鮮に入るウォンチョル。
VIPを見つけて殺そうとしたところ、VIPも娘を人質に取られていると知り……。
この手の作品はたいていスリル満点で面白いものですけれど、かなり地味。
ひたすら国境付近の地雷原で隠れて逃げて殺してが繰り返されるだけ。
アクション自体はキレがあっていいものの、退屈です。
やっとラスボスを倒して一件落着のいい話のはずが、エンドロールでラスボス復活!?
これで続編を作ろうとしているならツラすぎます。
 
《せ》
『世界が引き裂かれる時』(原題:Klondaik)
2022年のウクライナ/トルコ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
同年の東京国際映画祭での上映時は、原題のまま『クロンダイク』という邦題でした。
2014年に実際に起きたマレーシア航空17便撃墜事件を背景にした作品で、
メガホンを取るのはウクライナ出身の女性監督マリナ・エル・ゴルバチ。
ロシアとの国境近くにあるウクライナ・ドネツク州の小さな村。
出産を控えた妻イルカの体調を心配する夫トリクが病院へ連れて行こうとしたとき、家に砲弾が撃ち込まれて壁がぶち抜かれる。
怪我などはなかったものの、修復に取りかからざるを得なくなってしまう。
この村では親ロシア派と反ロシア派が激しく対立しており、誰がどちらなのか疑心暗鬼。
民間の航空機が撃墜される事件まで起こり、気が気ではなく……。
親族同士でも対立しているものだから、信頼関係が成り立ちません。
イルカの弟ヤリクは親ウクライナ派で、トリクは実は親ロシア派だということがわかる。
夫と弟が絶えず言い争うようになり、イルカはイライラ。
壁のない家でイルカがソファでひとり出産するラストシーンが衝撃的。
 
《そ》
『ソウェト・ラブストーリー 愛しの花嫁を探して』(原題:A Soweto Love Story)
2024年の南アフリカ作品。Netflixにて配信。
年末、教会での恒例行事を企画した女性ボンゲキレ。
彼女にはいい歳をした息子が3人いるが、揃いも揃って独身で嫁の来てがない。
行事を共同で仕切る女性ブリジットとは親しいものの、オイシイとこ取りをする彼女には時折腹が立つ。
さらにはブリジットの娘が医者と結婚したと得意気に話すから、内心イライラ。
ブリジットに張り合うボンゲキレは、次男が今晩恋人にプロポーズすることをバラしたばかりか、その店にみんなを招待。
ところがそれが見事に失敗してボンゲキレは悲嘆する。
息子たちをなんとか結婚させようと、最初に結婚した息子に家を譲るとボンゲキレは宣言する。
誰も結婚しないならば家は売りに出すと言われ、息子たちはとにかく一番に結婚して家をゲットしようとするのだが……。
長男メンジは料理人でレストランオーナー。母親が家を売れば、自分も店を手放すはめになります。
風来坊のように現れた女性シェフのディナに相談すると、見合い相手を次々に連れてきてくれる。
次男サンディレはかつてはヒット曲もあったミュージシャン。プロポーズ相手のセンテとよりを戻したい。
三男のスカイは服飾デザイナーでゲイらしい。カミングアウトせずにモデルでレズビアンのリンクスと偽装結婚を企てます。
最終的にはメンジはディナと、サンディレはセンテとくっつき、スカイはゲイではなくてブリジットの娘レモハンとデキていたというオチ。
そもそも嫁探しというのが今の時代には古いように思うけど、国によるのでしょうね。ハッピーエンドだったから良しとしたい。
メンジの店の厨房を見るのがいちばん楽しい程度でしたが、私には何語かわからん公用語と英語の使い分けが面白かった。

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『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』

2024年12月26日 | 映画(さ行)
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』(原題:Speak No Evil)
監督:ジェームズ・ワトキンス
出演:ジェームズ・マカヴォイ,マッケンジー・デイヴィス,アシュリン・フランチオージ,
   アリックス・ウェスト・レフラー,ダン・ハフ,スクート・マクネイリー他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』の次に。
 
最悪の胸クソ映画と評判高いデンマーク/オランダ作品の『胸騒ぎ』(2022)をハリウッドリメイク
ブラムハウスの製作ですから、そりゃさぞかし嫌な感じに仕上がっていることでしょう(笑)。
 
アメリカ人夫婦のベンとルイーズはひとり娘のアグネスを連れてイギリスへ移住。
憂さを晴らそうとイタリアに滞在して楽しむことに。
そこで出会ったのがイギリス人夫婦のパトリックとキアラ、息子のアント。
特にパトリックの粗野なイメージに最初は敬遠していたが、話してみれば面白い。
 
ロンドンの自宅に戻ると、パトリックから遊びに来ないかという葉書が届く。
どうせベンは失業中の身だし、ルイーズの浮気騒動もあって夫婦仲がギスギスしていたところ。
ルイーズは気乗りしない様子を見せるが、ベンの希望で招待に乗ることに。
 
パトリック一家が暮らすのは、人里離れた一軒家。
静かな環境を最初こそ魅惑的に思うものの、寝具は洗濯もされていないようで、ルイーズはがっかり。
小さな違和感が次第に大きくなっていき、この一家は変だと感じるようになり……。
 
とっても怖いです。
 
ネタをバラしてしまうと、パトリックとキアラは旅先で親しくなった人を招いては殺していた様子。
口の利けないアントのことを「生まれつき舌が短くてしゃべれない」と聞いていたけれど、
実はアントも被害に遭った家族の子どもで、パトリックに舌を切られていたのです。
 
アントは自分が虐待されていることをなんとかアグネスに知らせようとしますが、
アグネスが事態を理解して震撼したところでどうにもできません。
とりあえずベンとルイーズとアグネスがこの家から出て通報しようとするも、そうは問屋が卸さない。(^^;
 
パトリック役のジェームズ・マカヴォイがえげつない。
どんな作品であれ、この設定なら怖くなるということですね。
 
オリジナルを観ていないので、胸クソ映画の触れ込みに最悪の結果も覚悟しました。
でもご安心ください。最後は一応安心なエンディングを迎えます。
 
パトリックにとどめを打つことはためらったベン。
しかしアントがそれを許さなかった。最悪のシーンながら、「やれ!」と思いましたね。
虐待、許すまじ。
 
あ、配信でオリジナルを観るつもりです。
オリジナルは甘くない。最低最悪のエンディングのようで、覚悟して観なければなりませぬ。

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『市民捜査官ドッキ』

2024年12月23日 | 映画(さ行)
『市民捜査官ドッキ』(英題:Citizen of a Kind)
監督:パク・ヨンジュ
出演:ラ・ミラン,コンミョン,ヨム・ヘラン,チャン・ユンジュ,アン・ウンジン,
   イ・ジュスン,ソンヒョク,キム・ユルホ,パク・ビョンウン,イ・ムセン,他
 
アメ村のビッグステップ4階で18年間営業していたシネマート心斎橋が10月末に閉館。
大阪で韓国作品を多く上映してくれる劇場といえばここでした。
 
そうと知らなかった頃、ロビーに入ると女性客でごった返していることがあり、
何事かと思ったらチャン・グンソク主演の映画の公開日だったらしく。
チャン・グンソクが誰かも知らなかった私は、そんなに人気がある人なの!?と驚いたおぼえがあります。
また、オッサン客で混み合っていた日はドニー・イェン主演の“イップ・マン”シリーズ何作目かの公開日でした。
『1987、ある闘いの真実』(2017)を観たときは立ち見まで出ていたのを思い出します。
 
そんなふうだったから、シネマート心斎橋がテアトルグループ傘下となったときにまず驚きました。
だけど、映画業界の事情なんて私は知る由もないし、客はよく入っているから潰れることはないよねって。
ところが今夏に10月閉館のニュースが流れてきてショックを受ける。
 
と、とても寂しい思いをしていたら、12月13日にキノシネマ心斎橋として新装オープン。
ロビーや客席は当然綺麗になっていますが、トイレの扉を開けると便器はそのままでなんか嬉しい(笑)。
思えばシネマート心斎橋の前はパラダイスシネマ、そしてパラダイススクエアの時代もあったわけで、これが4代目。
経営者が木下グループに替わり、今後どうなるのかわかりませんが、
少なくとも映画のラインナップはこれまでを踏襲しているように見えます。
 
というわけで、キノシネマ心斎橋にて記念すべき初めての鑑賞は本作を。
2016年に起きた実話を基にしたフィクションで、めちゃめちゃ面白いです。
 
幼い娘と息子を抱えるシングルマザーのドッキはクリーニング店を経営していたが火事に遭う。
店も家も失い、保険は利かず、何もかも焼けて無一文に。
融資を受けようと銀行に相談に行くも取り合ってもらえず、途方に暮れていたところ、
銀行員ソンを名乗る男性から融資を受けられる方法があるとの電話を受ける。
藁にもすがる思いで今後の手はずを聞いて従っていたところ、途中から連絡が途絶えてしまう。
 
銀行に乗り込み、ソンを出してくれと言うと、そこに現れたのは女性銀行員。
男性のソンはいない、お客様に送金を依頼することはないと聞き、振り込め詐欺に遭ったことに気づく。
手付金だ手数料だ、書類の準備に金がかかるなどと言われて振り込んだ総額は3200万ウォン(約340万円)。
警察に駆け込むと、刑事のパクが一応は話を聴いてくれたものの、
追跡は無理だから高い授業料だと思ってあきらめるように言われただけ。
 
このまま泣き寝入りするわけにはいかない。
絶対に金を取り返すと誓うドッキのもとへある日あのソンから電話がかかってくる。
軟禁状態に置かれていると言うソンは、ドッキに通報を頼むが、
ソン自身、どこに連れて来られているのかわからないらしく……。
 
ドッキ役にラ・ミラン、ソンことジェミン役に『エクストリーム・ジョブ』(2019)のコンミョン。←カワイイ。
ドッキの友人で共に犯人を追跡するはめになるボンリムには、見るだけでワラけるヨム・ヘラン
同じく友人のスクジャ役にチャン・ユンジュ。ボンリムの妹エリム役にアン・ウンジン。←カワイイ。
刑事パクを演じているのがパク・ビョンウンと、楽しいこと間違いなしのキャスト。
 
警察は何億円規模かの詐欺事件を追っているから、ドッキの340万円はどうでもいい。
だけど子どもたちを保育園に預けるお金もなくてパート先のロッカー室で寝泊まりするドッキは、
虐待を疑われて子どもたちを連れて行かれてしまって、とても諦められる金額ではありません。
 
ジェミンはジェミンで本当はいい奴。ちょっと楽して稼ごうと思ったら、こんなことになってしまった。
携帯も金もすべて取り上げられて錠の付いた牢屋のような部屋に同様の若者たちと軟禁され、
もしも逃げ出そうとすれば拷問は当然。殺されてしまった者がいることも知っています。
やってくる若者は最初は旅行気分なんですね。地獄が待っているとも知らずに次々とやってくる。
 
世間でも話題の振り込め詐欺の組織ってどうなっているのかと思ったら、こういうことなのか。
元締めを捕まえるために青島まで行ったドッキさんのモデル、ちゃんといらっしゃるそうで、凄いです。
 
とても楽しいサスペンスコメディ。オススメです。

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