『カンバセーションズ』(原題:Conversations with Other Women)
監督:ハンス・カノーザ
出演:ヘレナ・ボナム=カーター,アーロン・エッカート他
画面を左右に分割したデュアル・フレームと呼ばれる技法が
全編に採用されたことで話題となった作品。
登場人物はほぼふたりきりに等しく、
タイトルどおり、会話のみで魅せてくれます。
『セックス・アンド・マネー』(2006)も然り、
主人公のふたりと同世代以上でなければ
ただ退屈な作品だと感じるかもしれません。私は大好き。
ふたりの会話が進むうちに、
徐々にその関係が明らかになるので、
こんなあらすじはネタバレなんですけど。
マンハッタンのクラシカルなホテルのバンケットルーム。
ウエディングパーティーが盛り上がるなか、
ブライズメイド(花嫁の付添人)の衣装を着た女性が
部屋の片隅でポツンとひとり、煙草を吸っている。
彼女に話しかけようと近づいてきた男性。
シャンパンを勧める彼に彼女がひと言、「お酒は飲まないの」。
それに対して男性は「煙草は吸うのに?」。
見知らぬ者同士のように会話を始めるふたりだが、
実は10年ぶりに再会した元夫婦。
こんな他人のふりの会話はちょっとしたジョーク。
ふたりはともに38歳。
離婚後、女性はロンドンに移住し、医者と再婚。
男性は15歳下のダンサーと交際中。
男性の妹の結婚に際し、ブライズメイドに怪我人が出て、
妹は急遽、兄の元妻に代役を頼んだらしい。
人数の穴埋めなど断ってもよかったが、
彼女ははるばるここへ来てしまった。
ふたりが再会した瞬間、面倒なことになるとわかっていながら。
こうして、彼女がチェックアウトする午前4時まで、
ホテルの一室でふたりは過ごすことに。
別れた理由はよくわかりませんが、
かつてはいい恋をしていたと見えて、
後ろめたさを感じながらも、ベッドでは幸せそのもの。
始終笑いが飛び交います。
分割された左右の画面には
現在のふたりと過去のふたりが同時に映し出されたり、
話す側と聞く側の微妙な表情や、
部屋の両端にいるふたりの動きが同時に映し出されたりします。
彼女が彼に「太った」と言えば、
彼は彼女に「肌のきめが変わった」と逆襲。
お互い今の相手が気になって仕方ないけれど、
彼女への留守電メッセージをこっそり聞く彼と、
彼の恋人とも平気で話す彼女が対照的。
男はズルいロマンチスト、女は罪なリアリスト。
幸せになるって難しい。でも素直になって。
監督:ハンス・カノーザ
出演:ヘレナ・ボナム=カーター,アーロン・エッカート他
画面を左右に分割したデュアル・フレームと呼ばれる技法が
全編に採用されたことで話題となった作品。
登場人物はほぼふたりきりに等しく、
タイトルどおり、会話のみで魅せてくれます。
『セックス・アンド・マネー』(2006)も然り、
主人公のふたりと同世代以上でなければ
ただ退屈な作品だと感じるかもしれません。私は大好き。
ふたりの会話が進むうちに、
徐々にその関係が明らかになるので、
こんなあらすじはネタバレなんですけど。
マンハッタンのクラシカルなホテルのバンケットルーム。
ウエディングパーティーが盛り上がるなか、
ブライズメイド(花嫁の付添人)の衣装を着た女性が
部屋の片隅でポツンとひとり、煙草を吸っている。
彼女に話しかけようと近づいてきた男性。
シャンパンを勧める彼に彼女がひと言、「お酒は飲まないの」。
それに対して男性は「煙草は吸うのに?」。
見知らぬ者同士のように会話を始めるふたりだが、
実は10年ぶりに再会した元夫婦。
こんな他人のふりの会話はちょっとしたジョーク。
ふたりはともに38歳。
離婚後、女性はロンドンに移住し、医者と再婚。
男性は15歳下のダンサーと交際中。
男性の妹の結婚に際し、ブライズメイドに怪我人が出て、
妹は急遽、兄の元妻に代役を頼んだらしい。
人数の穴埋めなど断ってもよかったが、
彼女ははるばるここへ来てしまった。
ふたりが再会した瞬間、面倒なことになるとわかっていながら。
こうして、彼女がチェックアウトする午前4時まで、
ホテルの一室でふたりは過ごすことに。
別れた理由はよくわかりませんが、
かつてはいい恋をしていたと見えて、
後ろめたさを感じながらも、ベッドでは幸せそのもの。
始終笑いが飛び交います。
分割された左右の画面には
現在のふたりと過去のふたりが同時に映し出されたり、
話す側と聞く側の微妙な表情や、
部屋の両端にいるふたりの動きが同時に映し出されたりします。
彼女が彼に「太った」と言えば、
彼は彼女に「肌のきめが変わった」と逆襲。
お互い今の相手が気になって仕方ないけれど、
彼女への留守電メッセージをこっそり聞く彼と、
彼の恋人とも平気で話す彼女が対照的。
男はズルいロマンチスト、女は罪なリアリスト。
幸せになるって難しい。でも素直になって。