マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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荒蒔勝手神社神縄祭

2014年06月16日 07時19分50秒 | 天理市へ
年末にドウガイの呼び名がある注連縄掛けをしていた天理市荒蒔町の勝手神社。

その際に聞いていたカンジョウナワカケを拝見したく訪問した。

鳥居、拝殿などに掲げていたドウガイは既に外していた。

成人の日の前日朝に行われるとんどで燃やされる。

この日の行事は注連縄でなくカンジョウナワ掛けだ。

一本のアラナワは當家さんが予め結っていた。

それを神社に持ってきた當家さん。

そのころには村神主・五人衆に氏子たちも参集する。

宮座一同が揃ったところで始まったカンジョウナワ作り。

左端から七・五・三・・七・五・三を垂らすように括りつける。

中央が竹の幣で、両端は紙垂れもある。

それぞれの間には境内に生えていたツル性植物のツタを取り付ける。

ツタの種類はなんでもいいと云うが、品種は判らない。

作り終えれば玉垣にある木に括りつける。

梯子を架けて上にあがる。



カンジョウナワを渡されて木に巻きつける。

もう一方も同じようにしたカンジョウナワを掛けた。

それが終われば神饌御供作りに移る。



村神主はご飯をラップに包んで三角形のような形にする。

やや崩れたが、かつてはムシゴハンだったと云う御供だ。

ムシゴハンは冷めれば堅くなる。

御供は下げてもらって家で食べるが食べ難い。

そういうこともあってムシゴハンは柔らかさがある食べやすいご飯にしたと云う。

ご飯であれば型造りが難しい。



御供はムシゴハン以外に、皮を剥いた2個のサトイモとクロメ(若しくはヒジキ)にダイズもある。

神社行事のほとんどの場合に供える御供である。

もう一つの御供は笹の葉の盛り。



それには白いものを振り掛けている。

モチゴメを大量の水で溶いて水分を含ませた。

スリコギですり潰して柔らかくしたモチゴメ御供の名は判らないと云うが、間違いなく「シトギ」である。

県内事例では数少ないシトギの御供。

なかでも天理市杣之内町木堂で行われる彼岸講のトヤ渡しにおける儀式に用いられる五枚笹に載せたシトギと同じ様相のようにも思えた。



これらが揃って神縄祭が始まった。

座中は神饌所向かいの側の参籠所に座る。

村神主は神さんに向かって低頭する。

神饌御供類は一旦、神饌所に置かれて村神主がお祓いをする。

それから献饌。



ムシゴハンは本殿に2膳。

右側の石上社に1膳。

左側の葛神社に1膳。

薬師堂、聚楽さんにそれぞれ1膳を供える。

本殿に供えるムシゴハンの膳だけはヤナギの木で作った箸を添えている。



座中もお祓いしてしばらくしてから御供を撤饌されて神事を終える。

参籠所の直会に移って村の語らいになった。

(H26. 1.10 EOS40D撮影)


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