昨日は渋谷・オーチャードホールで行われた加藤登紀子さんのコンサート「生きるための歌 愛の賛歌」を観に行ってきました。
このコンサートがあることをたまたま知ったのが一週間前。すぐにチケットを申し込みましたが、3階席しか残っていなくて、それでもなんとか3階最前列の真ん中を確保。実際に座席に座ってみると、その高いこと!高所恐怖症気味なので遥か下の舞台を覗き込むとクラクラしてきます。
それでも会場が暗くなり、舞台に照明が当たり、演奏者たちが持ち場について、白とシルバーの混じった美しい衣装を着た登紀子さんが出てくると、たちまち引き込まれて、その高さも気にならなくなりました。
第一部は登紀子さんが自分で作った歌が中心で、「紅の豚」から「さくらんぼの実る頃」「時には昔の話を」、ムスタキの「傷心」、亡き夫を偲ぶ「檸檬」「ひとり寝の子守唄」、東日本大震災後に作った「今どこにいますか」「青いこいのぼりと白いカーネーション」、そして「過ぎし日のラブレター」「君が生まれたあの日」。全体に、独裁政治の弾圧や自然災害に苦しむ人達に寄り添いたいという、登紀子さんの強い気持ちが流れた構成でした。
第二部はラメ入りの黒いドレスで登場。「没後50年 エディット・ピアフに捧ぐ」というテーマで、ピアフが活躍した頃の、ナチスが席巻した時代背景を伝える「今日は帰れない」「パダンパダン」から始まって、登紀子さんがピアフへのオマージュとして作った「名前も知らないあの人へ」「ペール・ラシェーズ」、ピアフ代表作の「愛の賛歌」「私は後悔しない」と続きます。
客席の大拍手の中一旦退場した登紀子さんは、真っ赤なドレスで再登場。今秋公開される映画「キャプテンハーロック」の挿入歌「愛はあなたの胸に」を歌い、これからの予定など、しばらくおしゃべりをした後、最後はお約束の「百万本のバラ」を演奏者や客席の人達と大合唱。大拍手、ブラボーの声、手を振る人々の熱狂の中、ステージは終了しました。
深い味わいのある歌声、美しい佇まい、温かくユーモア溢れる語り口。老いも若きも魅了してしまう加藤登紀子さんの魅力を十分に堪能して、座席のハンディのことはすっかり飛んでしまいました。
うっとり夢見心地で渋谷の町にでてみれば、すごい猛暑と駅に辿り着けないかと思おう程の人混み。電車も大混雑。うひゃ~、何じゃこりゃ!たちまち現実の厳しさに引き戻されました。(三女)