世田谷美術館で開催中の「ボストン美術館・華麗なるジャポニスム展」を見てきました。日本の浮世絵その他の美術品が西洋の印象派の芸術家たちにどのように影響を与えたかを、ボストン美術館の所蔵品の展示によって探る試みです。
中でも今回の目玉はクロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」。画風には浮世絵などの影響は感じられませんが、妻カミーユが羽織る内掛けや周囲に配した内輪などに、モネの日本への傾倒が見て取れます。明るく華やかな色調と賑やかな背景のこの絵は、同じカミーユをモデルにした「緑のドレスを着た女」と意図して対比させて描いたとモネ自身が語っているという説明書きがありました。
会場は「日本趣味」「女性」「シティ・ライフ」「自然」「風景」とテーマ別に展示されています。「女性」のコーナーでは‘遊女’や‘花魁’などの華やかな女性の姿がモネやルノワールやゴーギャンやロートレックに影響を与えていることを感じられますが、一方で、日常生活と子供への眼差しが好意的に受け入れられたことを感じさせる絵もありました。(写真は喜多川歌麿「母子図たらい遊」とメアリー・スティーヴンソン・カサット(米)「湯浴み」)
他にも、例えばフェリックス・エドゥアール・カロットンというスイスの画家の「にわか雨」という版画が歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」の影響を受けている等々、興味深い発見が色々とありました。
ところで、今回印象派との対比とかと関係なく、私が個人的に一番好きだった絵は、歌川広重の「名所江戸百景 田甫酉の町詣」でした。それは勿論、窓辺にたたずむ猫の姿が我が家のニャンコを彷彿とさせ、何とも可愛かったからです。
ほらね!(満月の下にたたずむチャイチャイ)(三女)