昨日、渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「だまし絵Ⅱ・進化するだまし絵」展を見てきました。
この美術展では、現代美術のいち系譜「だまし絵」約90点を、ある絵の中に別の像を潜ませる「ダブル・イメージ」、日常目にするモチーフを本物そっくりに再現し、かつタネあかしも見せる「トロンプ・ルイユ」、「影」や「鏡」を虚構空間と現実世界を巧妙に結びつけるモチーフとして捉える「シャドウ、シルエット&ミラーイメージ」、幾何学的なかたちや色のシステマティックな配置によって錯視効果を引き起こす「オプ・イリュージョン」、イメージを法則的に歪め、一定の視点から見ることで正像を浮かび上がらせる「アナモルフォーズ・メタモルフォーズ」などの作品群に分類して展示しています。(「だまし絵Ⅱ」HPより)
上の写真は「ピカソ礼賛」という作品で、「オプ・イリュージョン」のカテゴリー。見る角度によって絵の表情が変わります。
こちらは、同じカテゴリーで「広重とヒューズ」という作品。遠景が壁面から前方に突出している逆遠近法で作られ、見る角度によって美しい絵が不思議な動きで展開されて、とても面白かったです。
こちらは、「シャドウ、シルエット&ミラーイメージ」の中の「赤ん坊の影」。「錯視」の技法が使われているわけではありませんが、影によって愛らしい赤ん坊の姿を生き生きと感じることができました。
このカテゴリーで一番面白かったのは、「木の鏡」。沢山の四角い木片でできた壁の前に立つと、コンピュータ制御された木片が動いて自分の影が明暗となって映し出されるというものです。
正直、「美術展」としてはそれ程期待せず入ったのですが、すごく面白く、遊び心を刺激されました。他の入場者も、一様に童心に帰たように右から見たり左から見たりしながら、変化を楽しんでいる様子でした。幼稚園児位の外国の子供達の団体も来ていましたが、きっとワクワクした時間を過ごしたに違いありません。
この「だまし絵」展は、10月5日までの開催です。(三女)