ストローバレイ家の介護奮闘記

90→→92歳の母を支える4姉妹の泣き笑い奮闘記・・とその後

ゴッホとゴーギャン展

2016-11-03 16:24:26 | 日常
           

東京都美術館で開催中の「ゴッホとゴーギャン展」を見て来ました。

オランダの牧師の家庭に育ったゴッホ(1853-1890)とペルーで幼年期を過ごしたゴーギャン(1848-1903)が、ゴーギャンがゴッホの誘いに応じる形で1888年、南仏アルルで二ヶ月間共同生活を送ったことは有名です。今回の絵画展は、二人がどのように違った個性を持ち、互いにどう影響し合ったかが感じられるような展示になっていました。

          

ゴッホの「収穫」とゴーギャンの「ぶどうの収穫、人間の悲惨」。共に1888年の作品ですが、調和が取れて美しく写実的なゴッホの風景画と、アルルのブドウ畑の収穫にペルーの物乞いする女性を挿入したゴーギャンの想像の世界との対比が、二人の個性の違いを際立たせています。

          

ゴッホの「恋する人(ミリエ少尉の肖像)」(1888年)とゴーギャンの「タヒチの3人」(1899年)。「タヒチの3人」は、ゴーギャンが憧れの地タヒチ滞在中に創作した、ゴッホと別れて10年以上後の作品ですが、こうして並べて見ると色遣いなどにゴッホの影響があるように感じられます。

          

ゴッホの「ゴーギャンの椅子」(1888年)とゴーギャンの「肘掛け椅子のひまわり」(1901年)。ゴッホはアルルに来るゴーギャンに肘掛け椅子を用意し、室内に「ひまわり」の絵を飾って歓迎。「ゴーギャンの椅子」の絵は、椅子の上に蝋燭と本を配して、ゴーギャンの知性を讃えたのだそうです。

一方、ゴッホの死後ゴーギャンは、ゴッホが嘗て自分のために用意してくれた「肘掛け椅子」と「ひまわり(の絵)」を描くことで、ゴッホへのオマージュとしたようです。

こうして、一緒に暮した間、芸術観の違いなどで激しい議論をし、わずか2ヶ月で共同生活の破綻を迎えた二人でしたが、終生に亘り互いへの尊敬と友情を持ち続けていたことが、この2枚の絵からも分かります。

二人の関係の物語性も興味が無くはありませんが、夫々の作品を合わせて見ることによって、今まで気付かなかった夫々の魅力に改めて気付かされたような気がする絵画展でした。

  

今日は雲ひとつない素晴らしい秋晴れ!混雑した館内から外に出ると、少し木々が色付いた上野公園は、ただ歩いているだけで晴やかな気分になるような、本当に気持ちの良い空間が広がっていました。(三女)
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