北トピア・さくらホールで開催された「注文の多いオーケストラ・宮沢賢治エトセトラ」というコンサートを夫と観てきました。
「セロ弾きのゴーシュ」や「銀河鉄道の夜」など、宮沢賢治の童話の中から、登場人物が飛び出して、オーケストラを舞台に物語を繰り広げるという趣向です。
演奏される曲は、ヨハン・シュトラウス《こうもり》序曲、シューマン《トロイメライ》、宮沢賢治《星めぐりの歌》、リスト《ラ・カンパネラ》、モーツアルト《お手をどうぞ》(オペラ「ドン・ジョヴァンニ」より)、ドヴォルザーク《交響曲第9版「新世界」より「ラルゴ」》、ゴダイゴ《銀河鉄道999》、そして最後がスメタナ《モルダウ》と、どれも馴染みのある良い曲ばかり。
中でも《星めぐりの歌》は、昔夫の母が小学校の先生をやっていた時に、学芸会でこの曲を使った劇を子供達に演じさせたというエピソードを聞いたことがあり、私たち夫婦にとっては懐かしさいっぱいの曲です。あと、モルダウは、ご存知2年前のチェコ滞在時の思い出が蘇る、大切な曲となっています。
演奏も歌も芸大生や芸大卒業生だけあって、レベルが高くて聴き応えがありました。また美しい舞台装置と共に展開するストーリは、宮沢賢治の人柄が分かり易く表現されていて、今更ながら彼の感性の奥深さ、天才的な芸術性に感銘を受けました。
そこまでは良いのですが、このコンサート、副題が「☆芸大と遊ぼうin北とぴあ」となっていて、ネットで申し込む時には気付かなかったのですが、「子供達にも生の音楽を楽しんでもらうことを趣旨としている」とのこと。
配られたパンフレットに「公演中にお子さまがぐずって泣いたり騒いだりする場合も想定されますので、あらかじめご了承ください」とあったのですが、幼い子供連れの多いこと!というか、ほとんどが子供連れで、1~2歳の赤ちゃんも多く、結果、演奏中もず~っと泣き声があちこちで起き続けて、‘想定’以上の賑やかさに、正直とても疲れました。
「せっかくの素敵な演出と優れた音楽、静かな環境でもう一度ゆっくり味わいたいね」・・・というのが、私たちの率直な感想でした。(三女)