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「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」@国立西洋美術館

2020-10-19 15:01:49 | 日常
           

上野の西洋美術館で昨日まで開催していた「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」を、土壇場の昨日、夫と観に行ってきました。

『ロンドン・ナショナル・ギャラリーの最大の特徴は、幅広く質の高い「西洋絵画の教科書」とも言われるコレクションです。このヨーロッパ美術を網羅するコレクションによって、「イギリスとヨーロッパ大陸の交流」という視点から、西洋絵画の歴史をたどります。』(HP「みどころ」より)とあるように、今回展示された61点の作品は、
『I イタリア・ルネサンス絵画の収集』
『II オランダ絵画の黄金時代』
『III ヴァン・ダイクとイギリス肖像画 』
『IV グランド・ツアー』
『V スペイン絵画の発見』
『VI 風景画とピクチャレスク』
『VII イギリスにおけるフランス近代美術受容』
と、テーマ別に6つのコーナーに分けて展示されています。

その中から印象に残り、絵葉書もあった何点かをご紹介。

           

『イタリア・ルネサンス絵画の収集』から、カルロ・クリヴェッリ《聖エミディウスを伴う受胎告知》(1486) 。マリアにしか見えない天上から射す一筋の光がマリアに受胎を知らせる、という構図が印象的でした。

           

『ヴァン・ダイクとイギリス肖像画』より、アンソニー・ヴァン・ダイク《レディ・エルザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー》(1653)。クピドから花を受け取る妹のエリザベスとその傍らに立つ姉ドロシー。二人の気品溢れる姿、初々しい表情が好ましく感じられました。

           

『グランド・ツアー』より、カナレット《ヴェネツィア:大運河のレガッタ》(1753)。このコーナーは、18世紀、好んでイタリアを訪問したイギリスの上流階級の子息たちが持ち帰った、ヴェネツィアやローマの都市景観図を展示しているとのことですが、中でもの大運河のレガッタに活気付くヴェネエツィアの人々の様子を描いたこの作品は、旅の経験と相まってイギリスの若者の目に魅力的に映ったに違いない、と想像されました。

           

『風景画とピクチャレスク』より、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《ボリュフェモスを嘲るオデュッセウス》(1829)。イギリスの風景画といえばターナー位しか思い浮かばない私としては、やはり今回唯一のターナーの作品に目が行きました。風景画というより神話の描写ですが、空の雲や光の雰囲気にターナーらしさを感じました。

           

『イギリスにおけるフランス近代美術受容』より、フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》(1888)。ゴッホによる7点の「ひまわり」の中の4番目の作品。7点の作品の比較が解説付きで展示されていましたが、本人も納得のこの作品は他の6点と比べても穏やかさ、静けさが伝わる、好ましい作品だと感じました。

以上、本当に久し振りの美術展。コロナ対策で人数制限付きの予約制だったので、空いていてゆっくりみられるかと思いきや、最終日の午後だったせいか、結構混んでいて、予想に反していつものように人と人の間から覗く状況もありました。

           

美術鑑賞を終えて、外に出ると、美術館中庭も秋の景色。この美術館は館内施設整備のため、昨日を最後に、2022年春まで休館とのことで、ようやく美術館にもボチボチ訪れられるようになったのに、、、と何だか複雑な心境です。

  

それはそれとして、穏やかな好天気に恵まれた上野公園は、池の周辺で寛ぐ人、大道芸を楽しむ人、広い桜並木の通り道を散歩する人などで程よく賑わい、懐かしさと寛ぎを感じる、いつもと変わらぬ気分のよい空間でした。(三女)
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