
ドクダミと信楽焼の肌はよく映る。
庭の仲間には、酷いことをした。
悼むつもりで、しばらく眺めよう。
このところ、庭に影が出来ているのを見かけると、出て行って草引きをしている。
なかでも、ドクダミは隣の空き地にまで地下茎を着々と伸ばして、その勢いにおどろいていたところに、「特に何かに使うのでなければ・・・」と親切心から除草剤を勧めてくれた人もいて、これはもう見逃し続けることが出来なくなっていた。
1本1本抜き始める。「ぶつっ」「ぶつっ」と茎が切れて根が残る。植物はそうして種を守っているのだ。そのうちほとんどの茎を失くした根がゆっくりと引くことで「ずるずる」と白く長く姿を見せる。柔らかくなっている土から団子虫やムカデ、みみず、なんだかわからないような虫が次々に出てくる。
彼らの生活を荒らしているのに、不思議と申し訳なさと恐れを感じながらも「土と親しんでいる」という意識が浮ぶ。勝手かもしれないけれど。。。
土とドクダミのニオイの中で指が痛い。腰が痛い。ムカデに指されるかもしれないし、みみずがいきなりのたくって現れれば驚かされもする。そうした除草剤を使わないことで体感するいろいろなことが、草いきれの中で遊んだ記憶、なつかしい感触をよみがえらせてくれた。