見たい番組があるわけでもなく、TVをつけていると
たいていは、時間を無駄に過したことでじんわりと嫌な後悔に
似た思いをする。
それが、数日前はちょっと違った。
番組名を確認し忘れたけれど、面白くて引き込まれた。

↑この人の特集だった。 (写真:すべてNHK TV画面より)
カメラや昆虫に興味のない人でも、どこかでこの人の写したものを
見ているかもしれない。
不思議な写真・画像を撮る人だ。
ふだん、目にしているのに肉眼では確認出来ないものを、
この人のカメラは捉えることが出来る。
シャッターもフラッシュも自ら開発して、昆虫や植物の
「一瞬」、自然の営みの「一瞬」を見せてくれる。
それはパラシュートをになって飛行機から飛び降りるダイバーのように
足を目いっぱい広げて飛翔する昆虫だったり、
優雅にふわりと飛ぶと思っていた蝶が、飛ぶ瞬間に見せる後ろ足の
精一杯のキックだったり、微笑ましくて、たのしい。
4次元の世界を覗いているような、そんな不思議な気がしてくる。

敵に向かって一発を噴射した瞬間。
三種の液体を別に発射し、空中で混合爆発させ飛び散るパワーにする。
これは、なんとロケットの推進力のエネルギーの作り方と共通するらしい。

植物の種がはじける瞬間。
「昆虫よりさらに早い動きをするのが植物です。」と彼は言う。
撮影した画像の昆虫や植物を相好を崩した笑顔で見つめて、
とても楽しそうに自らの仕事を語っていた。
真剣な表情とその笑顔がまるで少年のようだった。
仕事上の困難や技術的な壁をこの人は熱中したまま
乗り越えてきたのだろうか?
こんな番組に当たるなら、ぼーっとチャンネル動かすのも
たまにはいいかもしれない。