Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

パンズ・ラビリンス

2007-12-16 10:35:55 | 映画・観劇





『パンズ ラビリンス』公式サイト ダウンロード用壁紙から
http://www.panslabyrinth.jp/main.html
1944年のスペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの
試練を乗り越える少女の成長を描くダーク・ファンタジー。
『デビルズ・バックボーン』のギレルモ・デル・トロ監督が
メガホンをとり、ファシズムという厳しい現実から逃れるため、
架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込む。
イマジネーションあふれる壮大な視覚技術を駆使して生まれた
クリーチャーや深く考察されたテーマに根ざした巧みな演出が衝撃的。
(シネマトゥデイ)
 



滋賀県での上映が始まる前から待っていた映画、
『パンズ・ラビリンス』。
最終日12/14にやっと観に行くことができた。



「残酷で理不尽な昔話。そのままでいいんです。現実もそうなんだから。
今のように洗練させて毒を消さなくても、残酷で理不尽な世界、
その中でこそ道徳が学べるんです。」
偶然にも、数日前TV画面の中でそんな大意を語る筒井康隆をみた。

 それは、この映画に対して語ったものではなかったけれど、
「それでも、ここまで目を覆うシーンでなくても・・・」
映画の序盤その言葉を思い出して、何度もそう思った。

むごさ、理不尽さを通して観終わって感じたのは
それを包み込んだまま、胸につかえてしまった哀しさだった。

レジスタンスがアンプルや食品庫の開錠したキーを残すなど
気なった事はあったけれど、幻想の部分のキャラクターの
姿かたちや、怪しげなパントマイムのような動き、少女を
囲む暗い浴室や森の絵画的な美しさ、力に頼ろうとして
破滅していく少女の母親と捨て身で生き残るレジスタンスの
女性、ラストの展開・・・

一生のうちでも、何回もは出合えない、すばらしい映画に
数年ぶりに出会えたと感じた。


 




コメント (1)
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