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CHAT NOIRというピアノトリオを数年前より着目しています。
2008年のアルバムと2004年のアルバムの2枚がありましたが、次が来ないかなと気にしていたところやっと手にはいありました。でも録音はちょっと古い2008年の3月です。
前作2枚はこちらです。
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http://blog.goo.ne.jp/monakasm/e/849124f8298be026d324dc806511ec6d?st=0
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20080207
大きな見方で言うならばE.S.Tのサウンドにちかいながら、哀愁みが強い、アコーステック主体の聴きやすく、尚且つダイナミックなサウンドを構築するグループだと思っています。
スべンソン亡き後、このグループもどうサウンドを作ってくれるのでしょう。
1曲目エレベを使っているのでより、エレ色強まりましたが、哀愁あるテーマは得意とするところ、エレベと生ピアノのほかにシンセ音が組み合わさって、ダイナミックに展開する楽曲は、ピンク・フロイドとかが思い浮かぶ感じです。
2曲目、曲のスタートからリズムの立て方、ベースのオンがメロディに絡むところE.S.Tにとてもよく似ていて、この録音がされた頃はまだスベンソンは生きていたのです。
その後だったこの演奏したかどうか。
めずらしくとローンボーンが加わった3曲目、ラングレンじゃありませんが、そんな感じ、仲の良い友達が入ったというような一体感です。そして展開がぜん2作よりずっと大きくなって、E.S.Tよりアコーステックでコンパクトで良いなどと思っていましたが、このブラスを入れて作るサウンドは壮大なものになってきて、ですからE.S.T亡き後これは期待をもてることが確認できました。(フォーマット・オブ・トロアも同様です。)
4曲目もシンセの音からベースのソロ、これだって只者ではない、ダニエルソンをお思わせるフレーズセンスで、これもかなりの曲、アルバム全体がSFストーリのようで、ジャケットのイラストを見るとそれがうなずけ、又それがそこらのつまらないSF映画よりずっとストーリーがはっきりしているのです。
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5曲目ベースの強い定型なパターンとロック調なドラムスをバックに、E.S.Tがいるからで抑えていたものを解禁したようなサウンドです。聴けば聴くほどスベンソンの世界に迷い込んだようなサウンドであり、そしてこれからの展開で創造を見せられるのでしょうか。
このアルバムの発売を遅らせていた意味が感じるし、それが良い方向いってほしい。
次のアルバムが試金石になるCHAT NOIRです。
でもこの曲だけを抽出して聴いていただきたい、E.S.Tが今いるのです。
6曲目は見事な、哀愁あるピアノがぐいぐいと、このグループ、一つ吹っ切れて、特徴アル強さを持った、ちょっとイタリアらしからぬグループなりました。
スベンソンが亡くなったことのショックは今でも感じますが、当時から引き継ぐグループがいくつかありますしが、そのうちの最右翼はこのグループです。
7曲目、会話のテープを切って“Diffidult to see you ”なのでしょうか、少しさびしいSF世界が展開されます。
メロディははそこはかなく悲しげで、そして不思議な都市の中にいるような、こはれ行き着くとこの出来なかったスベンソンの都市か、同じとはいえませんが、今はいないスベンソンの都市を見せてくれているようです。
長いインターバルの後の演奏はE.S.Tと同じですが、これはフリーなインプロヴィゼーション、特に意味合いは感じませんでした。
でもこのアルバム、結構今年凄いと思います。
Difficult to see you / CHAT NOIR
Michele Cavallari(p, Fender Rhodes, synth)
Luke Fogagnolo(b, theremin)
Giuliano Ferrari(ds, Mandala sounds, glockenspiel, tape)
Gianluca Petrella(tb, diamonica effects in 3 and 4)
Zoot(voice -1)
David Giacomini(g -1)
Giorgio Casati(cello in 6 and 7)
1 Rovine circolari
2 Plateau
3 Crisi di assenza
4 Creative Chaos
5 To Build a Fire
6 Vanished Question
7 The Snail
(EMARCY/ITALY)