ヴァイオリンをオクサンが好きなので私も合わせていたら、ヴァイオリンJAZZを普通の人よりも多く聴いているようになりました。このレジーナ・カーターはケニー・バロンとのデュオがとても気に入っていましたが、その後の2作品は入手していなくて、今回ワールド・ミュージックという方向性ということで拾いました。
1曲目、クレツマーの入ったリズムにまず驚きます。バロンとはとてもジャジーだったのがだいぶ違います。(悪いという意味ではありません。)シンプルな民族調のメロディの繰り返しは逆に作っている音楽への自信のように感じます。
2曲目はエレベにしてドラムスもロック的、メロディがアフリカンで、カーターの生まれたデトロイトでのアフリカン・アメリカンの混然を思わせます。
3曲目、ハープの原型のようなアフリカの楽器コラのリズムに哀愁あるヴァイオリンのメロディー、現在の時間則から離れていくような感じになってきました。
4曲目はゴスペル調のアフター・ビートを強調したアフリカンなワークソングを思わせる曲。
5曲目は東欧の古謡のような、生ギターのソロが良く、うねるように曲が太くなっていきます。このアダム・ロジャースというギタリストはクリス・クロスで結構きいている人が多いですね。渡し始めてで良いと思います。
コラの短い演奏のあと7曲目ベースとコラのリズムにゆったりっした大陸的なバイオリン、聴いていると再び時間の感覚が変わっていきます。大きな時間のながれは現実的には気がつきませんが、常に留まらずに私たちの横にあるのだというような。
私たちは時間を止めることはできません。まして時を戻して帰ることなど出来ないのです。ただ指の間から流れ去る時を感じるだけです。
そして、その流れがあの震撼とした時点を、まわりあわせ(暦)として過去に織り込んでいくのかも知れません。
このアルバムそんなアフリカン・アメリカンの流れが読み込まれているように思います。
8曲目、我に返ってケジャンといえる曲、流れは明るくもあるのです。
9曲目フルースの入ったカーターの曲で、このアルバムでもブルージーな曲、アコーディオンのソロも良しです。
10曲目、リズムといい、メロディといい、まるで日本の東北地方の民謡に聞こえます。
11曲目はカントリー、古い牧場にいるようでヴァイオリンのアドリブがジャジー、12曲目はベースとヴァイオリンのピッキングのリズムにゆったりした高いアコーデオン、ヴァイオリンがメロディに移れば、再び時が次の場面へと運んでいくのです。
13曲目はボーナス・トラックで、ひとつらなりな感じの12曲目で終わっても、良かったかもしれません。
REVERSE tHREAD / REGINA CARTER
レジーナ・カーター(vn)
ヤコウバ・シソッコ(kora)
ウィル・ホルスハウザー(acordion)
ゲイリー・ヴェルサーチ(acordion)
アダム・ロジャース(g)
ママドゥ・バ(el-b)
クリス・ライトキャップ(b)
アルヴェスター・ガーネット(ds)
01.ヒウンベ・アウンバ
02.フル・タイム
03.ンテリ
04.アーティスティヤ
05.ウン・アギナルド・パ・レジーナ
06.コトビロ (イントロ)
07.コトビロ
08.ゼラピキー
09.デイ・ドリーミング・オン・ザ・ニジェール
10.ジュル・ナミ|ゴッド・ビー・ウィズ・ユー
11.カノウ
12.ムワナ・タリタンブラ
13.ジーザズ・ラヴズ・ミー