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おなじみのリンカーン弁護士をよみはじめたのだけれど、図書館に予約した本が3冊揃ったと連絡があって、一冊はだいぶ待ったほんだったからそちらに行くことにした。
なんで選んだか忘れていたけれど、著者はドキュメンタリー作家 清武英利氏『しんがり 山一證券 最後の12人』(講談社)は山一証券の破たんと、その残務処理についての力作で、それにたずわわった人間が生々しく描かれていた。それが良かったのでソニーのリストラを描いた『切り捨てSONY リストラ部屋は何を奪ったか』(2015年4月、講談社)も生々しいドキュメントとなっていた。
ドキュメントの歴史を正面から受け継いでいる作家だとおもう。
今回は外務省機密費流用事件を扱った作品で警視庁捜査二課の刑事の地味な裏取りが面白く、こちらも前の2作に劣らない作品になっている。
事件を起こすのも、それを捜査するのも、そしてそれに翻弄されるのも、みんな人間のなせること。