昔フェデリコ・フェリーニの「サテリコン」なんかを分かったような顔をして見ていたけれど、あれってヨーロッパのことをよく解っていなければ理解できないだろうと今は思う。
ゴダールだ、パゾリーニだといっていたのがなんとも恥ずかしくなる。DVDを仮に言ったらフェリーニの「オーケストラ・リハーサル」があった。
1979年製作/イタリア・西ドイツ合作映画でリハーサルをドキュメント方式で描いた映画。ほとんどのフェリーニの映画音楽を担当していたニーノ・ロータが亡くなる前コンビ最終作となったそうだ。
オケだからチェロの人がどのように表現されるか見たくて借りてきた。
古い教会でのリハーサルで、メンバーは若くてバリバリではなく癖のある人たち。
ギャラも払われないことや、指揮者の横暴ぶりに不満な演奏家にTVのインタヴューが入る形でドラマが進行するのだけれど、その中で各楽器のことをインタヴューされる。
「チェロは理想の友人さ」「控えめで信頼できる」「チェロは演奏者に忠実で生涯の伴侶となる楽器だ」「バイオリンとチェロは交響曲のかなめだ」
ってみんなチェロの人っがいっているんだけど。このあと「バイオリンは女だ、女のように裏切る」と度の楽器も自賛とほかの楽器の誹謗合戦になるのは、楽器やっている人は一度はかんがえることで面白い。
ネットの評判で退屈とかあったけれど、演奏などにかかわったことがない人にはこんなのは面白くないのかもしれない。
このあと喧嘩になっていったり、ピアニストがピアノの下でイチャイチャしたりでオケが崩壊していくのが喜劇的に描かれていき、現実的に教会も崩壊する。
そして最後には崩壊した教会で・・・という映画だった。
ある意味、演奏家の筋書き通りの映画になっているともおもうけれど、音楽好きにはそうそうと小花氏みたいで面白かった。
過去にフェリーニ監督作を彩ってきた音楽家ニーノ・ロータが急死し、コンビ最終作となった人間ドラマ。演奏会リハーサルに集まった音楽家たちの衝突を、フェリーニ独特のタッチでドキュメンタリー風に描く。
フェデリコ・フェリーニの映画