e.s.t.のエスビョルン・スヴェンソンが亡くなったのは2008年6月14日だから、もう16年がたつのですね。
喪失感は今でも続いているように思う。多くのファンがあのサウンドを再びと思うし、こちらもそうだ。
これまで彼らの所属していたACTからトリヴュート・ライヴといえるアルバムが2つ出て、それはどちらも大好きだ。今回また同じ主旨のアルバムが出るということで、待っていたけど見過ごしたみたい、あわてて買ったのがこのアルバム。
e.s.tの思を再現するに、当時のメンバーMagnus Ostrom & Dan Berglundが音を作っているので、サウンドとして安定ができる。
ACTの看板だったe.s.t.だから、亡くなった後もファンの期待があるのだろう、このアルバムの前に2つのコンサートがあった。
まずそちらを並べておこう。発売時期とは違うけど録音順ではまずこちら。
2015年10月1日にジャズ・アット・ベルリン・フィルハーモニックで録音されたクインテットのアルバム。ベースのラースとギターのワケニウスが素晴らしい演奏をしたと思う。
続いて2016年6月10,11,12日に録音されたアルバム。e.s.tのオリギナルメンバーのベースとドラムス二人がプロデュース、e.s.tのナンバーをシンフォニックにしたもので、ピアノはLiro Rantalaが弾いている。
e.s.t.への尽きぬ思いが、ライヴ・コンサートになるのだろう。多くのお客がスヴェイソンのことを思っている。
今回メンバーの二人にジョエル・リサリデス、マグナス・リンドグレーン、ヴェルネリ・ポホヨラ、ウルフ・ワケニウスが参加しストックホルムのフィラデルフィア教会でのコンサートの模様になっている。
1曲目はあまり演奏されない曲だけど、ベースとピアノのオーバチュアーからの”rom Gagarin’s Point of View”が静寂の中に始まる。
e.s.t.のあの感じの曲を聴きたいので、前のアルバムと同じ曲が演奏されるけれど、そこはこちらも聴きたいので問題ない。
今回の注目は、前のアルバムではピアノが老練なIiro Rantalaになっていたが、今回Joel Lyssaridesになっているところ、曲のロマンチックな響きは今回の方が色が強くなった感がある。同じく二つのアルバムに参加したワケニウスだが、どちらもすごい、e.s.t.の世界を再現してくれている。
3曲目、フルート、ペットを加えた演奏は スヴェンソンの曲に幅は後半ペットのソロで幅を加えたと思う。
4曲目、”Tuesday Wonderland”低音のピアノ音の切れなど、こちらの若いLyssaridesが貢献していると思う。
5曲目”Elevation of Love”リサリデスのピアノが軽やかに躍動する、この人こんなに良かったかと驚く。別なのをもう一枚買っても良いかな。ワケニウスのギター・ソロもe,s,t,を完全にこなしている。
最期が” Believe, Beleft, Below”でアンコールの曲なのか、ゲスト・マンバーのソロが並ぶ。
3枚のアルバム、どれもベースはスヴェンソンの曲で聞くたびに懐かしく思う。
e.s.t. 30 Magnus Ostrom & Dan Berglund
Magnus Öström (ds)
Dan Berglund (b)
Joel Lyssarides (p)
Ulf Wakenius (g)
Magnus Lindgren (sax,fl,cl)
Verneri Pohjola (tp)
2023年10月14日 録音
1 From Gagarin’s Point of View
2 Seven Days of Falling
3 Eighthundred Streets by Feet
4 Tuesday Wonderland
5 Elevation of Love
6 Believe, Beleft, Below