この作家の前作は火星に取り残された飛行士のサバイバル「火星の人」だった。
ネット時代の軽妙な文体の漂流物だから、これはかなり面白かったけど、今度は月だ!っていう2作目が出版された。
前作もそうだけれど、なんだか科学的な根拠がありそうな事柄を、ツイッター時代のつぶやきを文に織り込んで、この分が魅力的なのだ。
それでは主人公が住んでいる月のエリアの記述。
わたしが住んでいるのはコンラッド・バブル、ダウン15。コンラッド・バブルの地下一五階にあるボロいエリア。もしうちの近所がワインだとしたら、ソムリエは「失敗とお粗末な人生設計の香りを含んだクソのような風味」と評することだろう。
また別の場所
「おまえ、ののしり言葉の新語をいくつか発明したみたいだぞ」ディルがいった。「たとえば・・・・“くそんこ”ってなんだ?」
「文脈を考えればわかると思うけど」とわたしはいった。
「火星の人」を紹介したとき「クソ」って言葉を五回もかけたけれど、感覚的にはこの「アルテミス」は「火星の人」続編です。
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