マイクル・コナリーの一連の作品が大好きだけど、今回はリンカーン弁護士がメインのようだ。
それでもハリー・ボッシュがほとんど準主演だし、初めにはレイネ・バラード刑事も登場し、ここのところのコナリーのいろいろが纏まりつつある作品になっている。
話はリンカーン弁護士が主役で彼の語りの表現になる。冤罪で投獄されている人の弁護をするプロジェクトとして動き出したマイクル・ハラ―とハリー・ボッシュの話になる。この二人、これまでも作品の中でやりとしてきたが、無実なのに投獄されている人を助けるプロジェクトで仕事を始める二人が活動する。
上下2巻はいつもだけれど、なんと下巻後半になったら、ページが止まらなくなった。これは久しぶりのこと、ほとんどが法廷を場面にしているのがさすがだった。
ここのところ本を読み切るのが大変だとおもいだしていたので、この勢いはとても嬉しい。
お話は投獄されているが、無罪の女性を、保安官の闇組織から救い出すという話だけれど大枠わかっても、場面の展開や表現がすばらしくて引き込まれる。久しぶりに(後半)ページがとまらない。いやほんとに久ぶり。
ボッシュも登場するので、ボッシュがジャズを聴くところがある。そこを抜き書きで。
レコードプレイヤーのそば棚で立ち止まり。レコード・コレクションをぱらぱらとめくっていき、母親が気に入っていた一枚である古いレコードを抜き取った。ははが亡くなる1年前、1960年にリリースさらたそのアルバムは新品同様に維持されていた。ボッシュの長年にわたる扱いは、そのレコードを録音したアーティストだけでなく、母への敬意に裏付けられたものだった。
ボッシュは『イントロデューシング・ウエイン・ショーター』の2曲目に慎重に針をおとした。~〈カタリナ〉のテオから届いたボッシュ宛のメッセ―ジでは、ショーターが亡くなったと伝えていた。
もう一つ
道中、ボッシュはお気に入りのジャズ演奏のプレイリストを全部聞いた。キャノン・ボール・アダレイからジョー・ザヴィヌルにいたるまで。最後のザヴィヌルが作曲した代表的なフュージョン曲、ウエザー・リポートの「バートランド」で締めくくったのと同時にボッシュの車は・・・・
今回ハラ―が主役だけれど、ボッシュは主役を食うほどの活躍だし、ハラ―弁護士の法廷はハラハラする展開で、下巻で法廷が始まったあとは、久しぶりにページが止まらなかった。
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