タイトルの標語は小学館P+D BOOKSのコピーである。
「絶やすな。昭和文学の火を。」かあ、苦笑いせずにはいられんけど(笑)。
P+Dがなんのことかというと、ペーパーバック+デジタル・・・とのこと。
わたしのように、昭和20年代生まれのじいさんには、たしかに愉しみの多い昭和文学である。
https://pdbooks.jp/index.html
P+D BOOKSは以前から知っていたし、うち何冊かは手に入れたのを書庫に置いてある。
明治の文学
大正の文学
昭和の文学
明治の文学は、特殊なものになりつつある。最近の若い世代には、古文といってもいいくらいで、わたしも注釈なしで読むのはいささかつらい(´?ω?)
そうはいいつつ、鷗外、漱石はたまに手に取る。ほかには、
徳田秋声
田山花袋
岩野泡鳴
近松秋江
・・・あたり。こんなところかなあ(^^♪
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480101402/
筑摩書房には「明治文学全集」全100巻がある。とはいえ、たぶん専門の研究者しか読まないと思われる。
https://www.chikumashobo.co.jp/special/meijibungaku/
坪内祐三さんは編集者として一時期剛腕をふるったけども、残念なことに亡くなるのも早かった。
これらの本を集めるだけなら簡単。
しかし、これらをえっちらおっちら読むのは、なかなか大変な作業といえる。出来損ないの“文学青年”だったから、若いころからぽつり、ぽつり読んではいたが(;^ω^)
ところで、岩波文庫に「日本近代短篇小説選」(選者は紅野敏郎ほか4名)というのがある。
明治篇2巻
大正篇1巻
昭和篇3巻
小説にかぎっていえば、全部で6巻という構成となっている(評論部門は2巻)。
人によってはわずらわしく感ずるだろうが、まず昭和篇1の内訳を見ていこう。
<昭和篇1>
・施療室にて 平林たえ子
・鯉 井伏鱒二
・キャラメル工場から 佐多稲子
・死の素描 堀辰雄
・機械 横光利一
・闇の絵巻 梶井基次郎
・ゼーロン 牧野信一
・母たち 小林多喜二
・生物祭 伊藤整
・あにいもうと 室生犀星
・いのちの初夜 北条民雄
・築地河岸 宮本百合子
・虚実 高見順
・家霊 岡本かの子
・待つ 太宰治
・文字禍 中島敦
こういったラインナップである。多少の異論はあろうが、まずまず順当な人選であり、ほぼほぼ納得できる作品系列だと、わたしは思う。
このラインナップを見ていくと、わたしが過去に読んでいるのは、わずか6篇。<昭和篇2>となると、もっと少ない。
本を手に入れると、もうそれだけで読んだ気になっているのが、わたしの悪いクセ(ノω`*) もう一度いうが、買うのは簡単、それを読むのは手間と労力がいる。
現役時代は仕事優先、とりあえず後回しにしてきた。
仕事をやめたら読もう、と。
それが“いま”なのであ~る。
一昨日から「施療室にて」「キャラメル工場から」を読ませてもらった。
だが、はっきりいってしまうと、文学史上では名高いからといって、名作とはかぎらないこと。この2編は“名作”というのはほど遠い中学生の作文レベルである。
井伏鱒二さんは久々に読ませていただいたが、“奇妙な味”が持ち味であり、作品としての切れ味はそれほどでもない。
なんといっても圧倒されたのは北條民雄「いのちの初夜」。
高名な作品。
しかし、毛嫌いしていた(・・・というか恐れていた)ため、今回はじめて読んだ。ハンセン病に罹った若い男のモノローグである。
どこまでが心象風景でどこからが現実なのかわからない極限状況を巧みにトレースしてある。19歳で発病し、22歳で本作を書き、23歳で亡くなったとは、にわかにはいうべきことばがみつからない。
昭和という時代がこんな恐るべき名篇を生んでいたのだ。
昭和のキーワードをいれて検索するといろいろな書籍が網にかかる。
この中公文庫版「昭和の名短篇」もその一つ。選者は荒川洋治さん。
小説のアンソロジーというのは、2~3篇読むと飽きて、ほったらかしてしまうのもがほとんど(わたしの場合だけ?)だが、今回もそうなるかな。
歌集や俳句集はアンソロジーが基本だろう。ではなぜ小説は・・・と、ついかんがえてしまう。
この「日本近代短篇小説選」の昭和篇1は16篇収録してある。10篇くらい読みたいが、はたしてどうなることか、われながら見当がつかない。
また平野謙の名著として有名な「芸術と実生活」を読みはじめているため、その内容次第でコースがそれることもありうる(*´ω`)
「絶やすな。昭和文学の火を。」かあ、苦笑いせずにはいられんけど(笑)。
P+Dがなんのことかというと、ペーパーバック+デジタル・・・とのこと。
わたしのように、昭和20年代生まれのじいさんには、たしかに愉しみの多い昭和文学である。
https://pdbooks.jp/index.html
P+D BOOKSは以前から知っていたし、うち何冊かは手に入れたのを書庫に置いてある。
明治の文学
大正の文学
昭和の文学
明治の文学は、特殊なものになりつつある。最近の若い世代には、古文といってもいいくらいで、わたしも注釈なしで読むのはいささかつらい(´?ω?)
そうはいいつつ、鷗外、漱石はたまに手に取る。ほかには、
徳田秋声
田山花袋
岩野泡鳴
近松秋江
・・・あたり。こんなところかなあ(^^♪
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480101402/
筑摩書房には「明治文学全集」全100巻がある。とはいえ、たぶん専門の研究者しか読まないと思われる。
https://www.chikumashobo.co.jp/special/meijibungaku/
坪内祐三さんは編集者として一時期剛腕をふるったけども、残念なことに亡くなるのも早かった。
これらの本を集めるだけなら簡単。
しかし、これらをえっちらおっちら読むのは、なかなか大変な作業といえる。出来損ないの“文学青年”だったから、若いころからぽつり、ぽつり読んではいたが(;^ω^)
ところで、岩波文庫に「日本近代短篇小説選」(選者は紅野敏郎ほか4名)というのがある。
明治篇2巻
大正篇1巻
昭和篇3巻
小説にかぎっていえば、全部で6巻という構成となっている(評論部門は2巻)。
人によってはわずらわしく感ずるだろうが、まず昭和篇1の内訳を見ていこう。
<昭和篇1>
・施療室にて 平林たえ子
・鯉 井伏鱒二
・キャラメル工場から 佐多稲子
・死の素描 堀辰雄
・機械 横光利一
・闇の絵巻 梶井基次郎
・ゼーロン 牧野信一
・母たち 小林多喜二
・生物祭 伊藤整
・あにいもうと 室生犀星
・いのちの初夜 北条民雄
・築地河岸 宮本百合子
・虚実 高見順
・家霊 岡本かの子
・待つ 太宰治
・文字禍 中島敦
こういったラインナップである。多少の異論はあろうが、まずまず順当な人選であり、ほぼほぼ納得できる作品系列だと、わたしは思う。
このラインナップを見ていくと、わたしが過去に読んでいるのは、わずか6篇。<昭和篇2>となると、もっと少ない。
本を手に入れると、もうそれだけで読んだ気になっているのが、わたしの悪いクセ(ノω`*) もう一度いうが、買うのは簡単、それを読むのは手間と労力がいる。
現役時代は仕事優先、とりあえず後回しにしてきた。
仕事をやめたら読もう、と。
それが“いま”なのであ~る。
一昨日から「施療室にて」「キャラメル工場から」を読ませてもらった。
だが、はっきりいってしまうと、文学史上では名高いからといって、名作とはかぎらないこと。この2編は“名作”というのはほど遠い中学生の作文レベルである。
井伏鱒二さんは久々に読ませていただいたが、“奇妙な味”が持ち味であり、作品としての切れ味はそれほどでもない。
なんといっても圧倒されたのは北條民雄「いのちの初夜」。
高名な作品。
しかし、毛嫌いしていた(・・・というか恐れていた)ため、今回はじめて読んだ。ハンセン病に罹った若い男のモノローグである。
どこまでが心象風景でどこからが現実なのかわからない極限状況を巧みにトレースしてある。19歳で発病し、22歳で本作を書き、23歳で亡くなったとは、にわかにはいうべきことばがみつからない。
昭和という時代がこんな恐るべき名篇を生んでいたのだ。
昭和のキーワードをいれて検索するといろいろな書籍が網にかかる。
この中公文庫版「昭和の名短篇」もその一つ。選者は荒川洋治さん。
小説のアンソロジーというのは、2~3篇読むと飽きて、ほったらかしてしまうのもがほとんど(わたしの場合だけ?)だが、今回もそうなるかな。
歌集や俳句集はアンソロジーが基本だろう。ではなぜ小説は・・・と、ついかんがえてしまう。
この「日本近代短篇小説選」の昭和篇1は16篇収録してある。10篇くらい読みたいが、はたしてどうなることか、われながら見当がつかない。
また平野謙の名著として有名な「芸術と実生活」を読みはじめているため、その内容次第でコースがそれることもありうる(*´ω`)