二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「名機の条件」について

2013年06月05日 | Blog & Photo
<祭り日>表情の一瞬をねらってみた。愛着のある一枚。


わたしもチョートク先生いうところの「カメラ人類」の端くれ。
少なくとも本人はそのつもりでいる。
写真はもちろん、道具としてのカメラに、いつも興味を向けている。

現にいまだって、使えるカメラが、35mm、中判ふくめて十数台は手許にある。
ところがすべてのカメラを満遍なく使うかというと、使用頻度はかなり偏っている。

・中判フィルムカメラ:ローライフレックス3.5F(カラーネガ)
・135mmフィルムカメラA:ニコンF3(カラーネガ リバーサル)
・135mmフィルムカメラB:キヤノンF-1(リバーサル)
・デジタル一眼:ニコンD7000
・ミラーレスカメラ:オリンパスPEN E-P3
・コンデジ:リコーCX6またはフジX10

カメラはほかにもあるけれど、今年前半の登板回数は限りなくゼロに近い(^^;)

たった一台のカメラ、レンズで何もかも撮ってしまうという写真家がある。
たとえば、尾仲浩二さんは、ニコンF3Pと、35mmF2、市橋織江さんは、マミヤRZ67プロと、110mmF2.8。
こういう作品とカメラのつながりは、尊敬せざるを得ない理想的な関係とは思うけれど、とてもとてもわたしには真似ができない。


<ポートレイト>6×6の使いはじめ。地平線がこんなに傾いてしまった。


カメラを換えると気分がかわり、写真が変わる。
これは「その場にふさわしい服に着がえる」ということと、どこか共通するものがある。

仕事にいくときはブレザーに黒の革靴、プライベートではラフなポロシャツにスニーカー、寝るときはパジャマ・・・というような。
フィルムに復帰するまでは使用カメラはごく単純だったけれど、フィルムに復帰したとたん、あれもこれもと、欲が出る(笑)。

タイトルに「名機の条件」と書いた。
しかし、考えてみると、デジタル全盛のいま、はたして「名機」の名に値するカメラがあるのだろうか?
わずか1~2年でモデルチェンジ。わが国の首相の任期と同じで「つぎは・・・だれ、つぎは何?」と考える。
だから、現在のカメラは「名機になっているイトマがない」ともいえる。
名機にはいろいろな条件が必要だけれど、その重要な条件の一つに「このカメラが数々の名作を撮ってきた」という実績に対する評価があると思う。


<外人たち>置きピンノーファインダー。現像を見るまではまったく自信がなかった。


デジタルのカメラは、そういった実績を積むイトマもなく、選手交代。
野球のピッチャーでは先発完投型がいなくなったといわれる。だからすべて、リリーフなのである。野球がかわったのと同じく、写真もかわった。名機が誕生する土壌がなくなってしまった(=_=) 

今年後半か、来年にはD7000とPENデジのリリーフ投入を考えはじめた。両方ではなく、一方だけでも、と。そういう意味では、デジタルのカメラに対する愛着は・・・ゼロではないが、銀塩フィルムカメラの比ではない。
いろいろな議論はあり得るが、それが現実。もし長く・・・いわば一生モノのつもりで買うなら、デジタルのフラッグシップ機をではなく、クラシックなフィルムのメカニカル機を買うべきだろう。

ライカはいまだってバカ高いが、そのほかのカメラはずいぶんお手ごろ価格になっている。
いまこそ、「わたしの名機」と遭遇できるチャンスなのかも知れない。
デジタルでは癒されることのない渇きを感じているなら、ときどきはフィルムカメラでそれを癒そうではないか!



※共通データ:ヤシカマット124Gヤシノン80mmF3.5 フジカラーPRO400(2012年撮影) 撮影地:前橋市 館林市
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