二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「マーラーの交響曲」(講談社現代新書 2011年刊)を読んだ♪

2020年08月07日 | 音楽(クラシック関連)
ふむう、おもしろかったにゃ。・・・五つ星をつけてもいいくらいに。
「ロマン派の交響曲」「ベートーヴェンの交響曲」そして「マーラーの交響曲」の3部作。マーラーは山歩き初心者にとっての北アルプス縦走のようなもの(~o~) 
これまで第1番と第5番しかなじめなかったのだけれど、現在2番4番6番が手のとどきそうなところへやってきている。
金聖響・玉木正之さんの絶妙のコンビ。
スポーツライターが本職の玉木さん、ノンフィクション・ライターの本領発揮といえるだろう(^^♪

何年も前に買ったのに、しまい忘れていた。マーラーに関する本はこれまで2-3冊読んでいるが、評論家が書いたのとはまったく違う、生々しいリアリティーがあるのは、金聖響さんが指揮者だからだ。
しかも知的レベル、まちがいなくAクラス!


  (先日読み返した「ベートーヴェンの交響曲」同 講談社現代新書)

金聖響さんがしゃべり、玉木さんがまとめたというスタンスなのだろう。
このシリーズ、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチも刊行してくれないかしら。
金聖響さんが指揮する機会はあるはず。
ふうう、CDではあるが、近々マーラーに戻って、登山口をふたたび、みたび探してみよう。
ついせんだっても、第3番ニ短調、第8番変ホ長調(千人の交響曲)を手に入れたばかり。

金さんは、何年も「マーラー漬け」になった若き日々のことを語っている。
そしてあとがきで、つぎのように述べている。

《マーラーはとっつきにくい、長い、くどい、うるさい、汚い・・・等々、マイナス要素を指摘しはじめたらきりがないほど、「つっこみどころ」満載かもしれません。
しかし、それと同じくらいかそれ以上に大きな魅力があるのは間違いありません。音楽に物語があり、美しいメロディー、振れ幅の広い過度なまでの表現方法、上記のマイナス要因とされる真逆のファクターが無数にあり・・・それは本当に素晴らしい芸術作品だと感じています。》(本書345ページ より)

玉木正之さんが、音符は読めず、楽器も弾けない人なので、読者としてはそういう素人のクラシック音楽マニアを対象としている。
つまり“わたしのための入門書”なのだ(笑)。
交響曲第1番から、一曲一曲、精魂こめて丁寧に、わかりやすく案内してくれる。
巻末に詳細なマーラーの年譜が付してあるのも、たいへんありがたい。

「さあて、これからマーラーを聴こう。だけど・・・」
音符は読めず、楽器も弾けないというクラシック音楽ファンにはおすすめの一冊!



評価:☆☆☆☆

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