二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

しばらくぶりにシロコブゾウムシ

2023年06月09日 | シャッフル/photos
そーいえば、しばらくぶりにシロコブゾウムシさんにお会いした(ˊᗜˋ*)  昆虫の追っかけをしていた時代に、よくそのへんの道端でめぐり遭ったのがこの子だった。気をつけないと、ぽろんと地面に落下する。 体長12~15㎜。 ゾウムシの仲間は日本だけで1000種いるというとんでもない種なのだねぇ。1/1000の一頭! まえにも書いたけど、養老先生はゾウムシの蒐集家として有名。 箱根に昆虫館まで造ってしま . . . 本文を読む
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“怒り”が意味するもの   ~スタインベック「怒りの葡萄」を読む <その2>

2023年06月07日 | 小説(海外)
追いつめられながらヒューマンな心を杖にして必死で生きようとする家族たちを見て、読者は文学というものが、何を達成しうるかを考えずにはいられない。家族の中心にいて、その核心を鋼のように支えているのは母ちゃんである。ほとばしる愛情とともに、エネルギーが滾々と湧きあがる。 父ちゃんは故郷を離れてから、根を絶たれた植物みたいに腑抜けになってしまったため、一家の長は母ちゃんが果たす。 作中人物に注ぐ、スタイン . . . 本文を読む
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人間にとって“尊厳”とは  ~スタインベック「怒りの葡萄」を読む <その1>

2023年06月07日 | 小説(海外)
■スタインベック「怒りの葡萄」(上・下巻)黒原敏行訳 ハヤカワepi文庫 2014年刊 重たい小説である。 しかも、当時の社会的経済的な問題や、差別、死などといった、考えたところで、答えの出ないものばかりを、具体的にストーリーに溶け込ませて表現しようとしている。容易ならぬ長篇小説である。 上巻447ページ、下巻422ページ(ハヤカワ文庫) ことに“オーキー”という差別用語に、ガツンと頭を殴られ . . . 本文を読む
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雨宿りけん太

2023年06月03日 | シャッフル/photos
雨宿りけん太、ちょい心細い風情をただよわせて。 夕べは夜遊びに夢中で、家には帰ってこなかった(ノω・、)  だから一食抜き。雨は降る降る、腹は減る。 玄関開けてくれよぅ、何かちょうだいよぅ。 . . . 本文を読む
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舞台はめぐる ~藤井7冠誕生

2023年06月02日 | 座談会・対談集・マンガその他
藤井聡太さんが、最年少名人、7冠を達成した。 天才を絵に描いたようなコースをたどり、マスコミと将棋ファンがワイワイガヤガヤ( -ω-)  おそらく収入も1億円を超えただろう。 これまで3冠、4冠を達成した棋士は存在したけれど、7冠は羽生善治さん以来の偉業。 まさに藤井時代が開幕したのだ(^ε^) 一方の渡辺明さんは無冠に転落。 そのほとんどを藤井さんに奪われている。明と暗。 舞台はめぐりめぐる・ . . . 本文を読む
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お気楽な本の話 ~カフカ、澁澤龍彦、小川洋子など

2023年06月02日 | エッセイ(国内)
はてさて、今日はレビューではなく、本そのもののお話をさせていただく。 これはわたしめにとっては、皆さんがよくお書きになっている「私生活の暴露記事」とほぼ同じものであ~る(ノω`*) ええと、フランツ・カフカが好きなので、池内紀さんが編訳している岩波文庫が“愛読書”といえるレベル。 いつでも気が向いたとき手に取れる範囲に、短篇集、寓話集が2セット(つまり4冊)置いてある。 20世紀文学のうち、プ . . . 本文を読む
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